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私の本棚 3 〜積読本棚ブロック2前列

myhondana03.jpg

『人類の星の時間』 ツヴァイク
『翻訳読本』 別宮貞徳
『百人一句』 高橋睦郎

以上3冊。

え。少なっ!
本よりもメインは隣の紅茶缶ですよね。
そう。これ、紅茶缶なのです。

数年前、梅田阪急の英国フェアにて手に入れたもの。
もちろん、紅茶は入ってましたよ。
でも、お目当てはこのおしゃれな缶。

ちゃんと動く時計つき!
秒針もあって、チクタク音がする(少々うるさい)。
単行本の高さに近い(ちょっと低いけど)ので。
背表紙のうるさい本を隠すのにもうってつけ!

調べてみたら、2015年の限定発売品でした。
リントンズという老舗紅茶店のものです。

私は実は缶マニアでもありまして。
缶ほしさにクッキーや紅茶を買う人なのですが。
この缶はレア度といい、お洒落さといい、ナンバー1。

この缶のことを教えてくれた友人に感謝。
そして。今年の英国フェアでこれに負けぬ絶品缶に出会いたい。
(本年2018年は10月10日(水)~16日(火)開催です)

あ。本棚の話・・・・

ツヴァイクは「アモク」を大昔に読んで。なんか好きでした。
新書は興味ありげな内容だったら時々買います。
古本とは言え、ツヴァイクは880円。
私、値札はすぐはがす主義なのですが。忘れてたようです。
新書も百人一句は300円でした。あら。100円じゃないんだ。

これも。本の分類は関係なし。
紅茶缶の横に上手くはまるサイズの本を探した結果こうなりました。

今回は「缶が主役」の棚でしたね。
今後もお気に入りの缶は何度か登場します。

では次回はこの棚の後列を紹介いたします。

『ききがたり ときをためる暮らし』  つばた英子 つばたしゅういち 水野恵美子 落合由利子

4916110269
自然食通信社
Amazon

楽しくないと、長続きしない。

「人生フルーツ」という映画を観て。
つばた夫妻の暮らしぶりに憧れた人は多いでしょう。

畑で様々な野菜、果物を作り、
出来る限り生活に必要な物を手作りする。
雑木林に囲まれたお宅も、とても素敵。

スローライフ推奨っていうわけではないんですね。
最終的にそこに行き着いたというのが正しいかも。

だって。夫も妻も、かなり個性的ですよ。
その上、似たもの夫婦ってわけでもない。

晩年のお姿が、可愛らしく絵になる夫婦なので。
その点を過剰にクローズアップしてるところはある。

英子さんの立場になってみたら。
現代の女性だったら、とっくに離婚してるでしょ?
稼ぎを趣味のヨットにつぎ込み、
冠婚葬祭は一切、拒否。貯金ゼロ。常に借金生活。

それを「わがまま」「横暴」と捉えずに。
夫を支えることを当然と思えた英子さん。
ちゃんと(というのもおかしいけれど)幸せで。

理想のモデルでもないし。
憧れっていうのも違うな。
形を真似しても似ませんよね。

手作り生活の内容についても。
全面的に賛成っていうわけでもない。
英子さんは冷凍命ですが、私は冷凍が苦手なんです。

あ。でも、ひとつやってみたいアイデア、あった。
苺や無花果を、収穫したらグラニュー糖をまぶして冷凍。
食べたい時に凍ったまま土鍋に入れて煮るというジャム。

さっと作って。食べ切っちゃうんですね。
これは、いいなと思います。
保存を考えなければ、甘さ控えめに出来るし。

夫妻の暮らしぶりに批判的な意見も結構みかけて。
こんな暮らし、やりたくても出来ない、っていう。
うん。出来ないでしょ、ふつう。出来なくてもいいし。

自分のできる範囲で自分のしたい暮らしをする。
自分にとって何が大切か、だけ知っていたい。

英子さんも、修一さんも。
それぞれ、「思想」「信念」がありました。
最終的に。良いハーモニーとなっていったと感じます。

暮らしぶりというより。
心映えを見習いたい。

でも。気持ちだけでもダメで。
やはり、相当「頑固」じゃないと貫けないな。

心の背骨の支柱になるエッセンスに溢れた本です。

以下。ひでこさん、しゅういちさん、の言葉の引用。

関連記事

『パリが教えてくれたボン・シックな毎日』  弓・シャロー

B071NDV2QB
扶桑社BOOKS
Amazon

目新しい一着より、似合うに勝るおしゃれなし

ときめくものだけシンプルに。暮らしのセンスアップ86の秘訣
・・・と副題にあります。

86って、また中途半端だなー
あえて100じゃなくして印象に残るようにしてるのかな。
「ハロー」って読めるから? 語呂合わせ?

それはともかくとして。
おしゃれな女性に違いありません。

この人のスタイルが好みかどうかで評価は割れそう。
都会派でお金がある人向きです。
まぁでも。ナチュラル全盛のなかで貴重かも。

「すっぴんはナチュラルでなくただのものぐさ」と言い切られ。
ご本人のお化粧もかなり濃いめ。アイメイクばっちり。
メイクタイムはしっかり30分かけてらっしゃるとのこと。

リッチな女性ですよね。
テンペラ教室に通い、趣味にバンバンお金を使い、
週に一回整体へ行き、友人とショッピングにランチ、カジノも!

でも。参考になるところもあります。
この方、身長152cmで体重45kgだそう。
割と私と体形が近いですね。

私の方が3cmだけ身長が高くて。
体重はだいぶ少ないですけどね。

自慢か!自慢だ!自慢には自慢で対抗!
ま、レベルの低い闘いではあります。
見たとこ、似たような、ちんちくりんだと思う。

うん。顔もこの方、小さくないし。
洋服が着映えしない体形ですよねー(自分も)
それなのに頑張ってると思う。

だから、きっぱりショートカットだし。
メイクが派手なのも、わかる気がするし。
スカートを履かないという徹底ぶりも凄い。
スニーカーも履かないそうですよ。

よくあるパターンで。
私にこのスタイルは似合いません。
私だったらむしろ、パンツは一切履かない方がアリ。

参考にしてみたいと思ったのは。
他の本でも見たことあるかもなんだけど。
「ファッション断食」ですね。

自分のクローゼットにあるものだけで、
どういう着こなしができるかを考えて。
そのコーディネートで出かける。

ほめられたものをその中から5パターン選ぶ。
これで素敵なコーディネイトが5日分できる。

ま。人に褒められるような服装が、
5パターンもできるかは大いに疑問ですが・・・
持ってるなかから知恵を絞るって大事だなと。

私も過去にやったことがあるんです。
毎日服を着替えなきゃならなかった時。
工夫すれば、意外とコーディネイトできるもんです。

服装と住まいと本人とが似合ってる。
それだけでも私は著者を尊敬します。

以下に引用した著者の言葉どおりなのが理想なんだな。

 フランスでは「女性の装いを見れば、彼女の生活のすべてが分かる」といわれます。着ている服を見れば、どういう家に住んでどういう家具に囲まれて・・・それこそ食器棚のお皿1枚までも想像できてしまう。それぐらい好みが一貫しているということです。

日本では、そういう女性少ないですよね。
ファッションはシックなのに、家の中はキティちゃんだらけとか。
全身ユニクロなのに、ヴィトンのバックとか。
服装がフェミニンなのに、インテリアが男前とか。

ま。ギャップも面白いけど・・・
美しくはないよね・・・

芸術家は好みが一貫してますから。
やはり、美の感覚が抜きん出てると。
自分と自分の身のまわりがチグハグは耐えられないはず。

私は。ずっと。ここんとこを頑張ってるんですけど。
どうも気が多いせいか。たびたび脱線して。

今は一応、それらしい一貫性へと集約されつつある途上。
フェミニン風味のクラシカルエレガンスっぽいところを目指してます。
シャビー寄りの。ちょっとフランス風とイギリス風が混じった感じの。

まぁ。トラディショナルとフェミニンが綱引きしてましてね。
バランスを取るのが難しいんですよ・・・

だけど。今風にシンプルなカジュアルだけはあっさり捨てました。
あと、モダンね。モダンもすっごく好きなんだけどなー。
モード風が実は似合う顔と体形らしいです。

私らしさは、ごちゃごちゃ、ふわふわしたとこにある、と。
どどーんと開き直ったのです。

着こなしが難しいと言われようとも花柄を着るぞ!
定番中の定番アイテムと言われてる白シャツは着ない!
ボーダーのカットソーも着ない!

(2018.3.30)
わー。憧れ!と感じる人と。
なに、この自慢女!と反感抱く人と。
どっちも正解だと思います。
私はどちらでもなかったんですけど。
いいと思うところもたくさんあったし。
真似しようとは全然思わないところもあったし。
よくある型にハマってないところが良かったです。
「79歳のパリジェンヌ」は伊達じゃありません。

『妖談うしろ猫―耳袋秘帖』  風野真知雄

4167779013
文春文庫
Amazon

思ってたんと違う?

前もってお断りしておきますと。
私は「時代小説」と「歴史小説」がやや苦手です。
いえ。明確にしましょう。

「時代小説」は物によっては好きで。
「歴史小説」は大の苦手。

しかし。どちらも率先して読まないことが共通しています。
なぜ、この本を読んだのかがそもそもよくわかりません。

たいてい、ヒトに勧められない限り読まないのです。
「時代小説」も「歴史小説」も。

でも。今回は違う。ただなんとなく気分転換に?
読んだことない作家を読んでみようと思ったのでしょうか。

人気あるんですね。わかるような気はします。
シリーズの中のスピンオフを読んじゃったらしいです。
だからって、何かがおかしいってこともないですが。

話もキャラクターも出来が悪くない。
ただ、もっと読みたいと思うほどの魅力は・・・
私は感じられなかったです。

それというのも。冒頭で申し上げた通り。
私は時代小説をそれほど好きではないからでしょう。

そう考えると。感想って公平ではないですね。
大好きな古き良きイギリスの時代を描いた小説なら。
きっと私は「また読みたい!」って言ってるかも。

作品の出来不出来だけではなくて。
その物語の背景とか世界観が好きかどうかって。
かなり印象を左右すると思います。

とは言いましても。
「時代小説好きでない人間も魅了する時代小説」なるものも。
実はちゃん存在していたりもするので・・・
本書は残念ながら、そこまでには至らなかった、と。

秀作ではあると思います。
時代劇を読み尽くしちゃったヒトなら読んで楽しめるかな。

私は藤沢周平すらロクには読んでいないので。
読むなら、藤沢周平からにします。

えー。ちなみ藤沢周平は嫌いではありません。
すごく好きでもありません。
でも。安心して読めるクオリティだと評価しています。
(すみません。偉そうで・・・)

時代小説も。
「あ〜いいなぁ」って思うこと、あるんですけれど。
そう言う場合は、時代小説の括りを超えてるのかな。

苦手な分野に対しての方が問答無用に厳しくなってしまうね。
好きなジャンルだと。自分で補足しちゃってる気がする。

瑕疵はうっすら感じられても。
せっかくだから楽しんで読みたいものね。
いいところだけを見てしまうのかもしれない。

愛読してるシリーズものに関しては私も点が甘くなりますし。
ミステリーの駄作も「必要悪」くらいな感じで。
これだけたくさん出版されてたら、仕方ないとも思う。
まぉまぁ楽しませてくれたらオッケー、みたいな。

たぶん。どこか現代的だからかもしれませんが。
宮部みゆきの時代小説は違和感なく読めます。

あと。大昔に読み出したら夢中になったのが。
眠狂四郎シリーズの柴田錬三郎でした。
あれは今でもちょっと読み返してみたい気がする。

あ。何が思ってたのと違うかと言えば。
もっと怪談っぽい、怪しげな話なのかと思ってて。
怪事件っていえばそうなんだろうけどな。

(2018.3.27)
何かがマズイわけでもないけど、相性が良くなかったみたい。
まぁ。時代小説のシリーズ物まで読み出したら時間が足りないし。
助かった、と思うことにします。

毎日新聞書評の「2017年この3冊」 8

毎日新聞を我が家では購読しているのですが。
日曜日の書評欄の、年末の恒例記事に「この3冊」という企画が。
書評を執筆している人にその年の「3冊」を選んで貰うのです。

大好きな企画で楽しみにしていますが。
年末年始、忙し過ぎて読むヒマがなかったんだよー!!!

切り取って保存してあったので。
今更ながら、ここに勝手に写しちゃいます。
本に関しての一筆批評は割愛。タイトルと著者名のみです。

これは読むぞ!という本も結構みつかりました。
けっこう、人数が多いので5人ずつに分けています。

(画像をクリックするとAmazonのページへ飛びます)

はい。今回でこのシリーズ(?)も終了です。


湯川 豊
(文芸評論家)

 騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
村上 春樹
410353432X


 なかなか暮れない夏の夕暮れ
江國香織
4758413002


 詩人なんて呼ばれて
谷川 俊太郎 尾崎 真理子
4104018066

養老孟司
(解剖学者)

1 塑する思考
佐藤 卓
4103510714


 完訳ファーブル昆虫記 第2期 6-10巻 全10冊セット(化粧ケース入り)
ジャン=アンリ・ファーブル 奥本 大三郎
4081319022


 敗者の想像力 (集英社新書)
加藤 典洋
4087208826




『ファーブル昆虫記』、大人気!?
私も読んだような、読んでないような。
昔、部分的に読んだんだと思う。

完訳がめでたいにしても。10冊のお値段たるや・・・
借りて読もうってタイプの本でもないしなぁ。

江國香織さん、嫌いではない。
とういうか「好きそうですね」って言われる。
でも、そんなに好きってこともなくて。
ま、読んでもいいけど読まないだろうなというところ。

『詩人なんて呼ばれて』は読もうかな。
谷川さんは大ファンではないですけれど。
時々読んで、「おっ」と思います。

『塑する思考』、これは読む前から好きそうな本。
『敗者の想像力』も面白いかもしれない。

『スウィングしなけりゃ意味がない』は読むでしょう!
私、佐藤亜紀さん好きなんですよ(あまり読んでないけど)。

調べたらほんと、たった2冊しか読んでなくて。
『バルタザールの遍歴』読んだのが23年前だった!
ほんとに好きなんかな・・・似た名前の誰かと勘違いしてるかも。

何度か書いてるけど、こういう調べものは記録してると便利。
エクセルの表に入力してあるから、検索できちゃう。
誰の本を何冊、いつ読んでるかとかすぐわかるし。

ていうか。Macに乗り換えてからエクセルがなくなって。
今はGoogleドライブに入力してるんです。
なので。恐ろしいことに他人と共有もできるんだなぁ。
(絶対しないけど!)

『亀井俊介オーラル・ヒストリー』も読んでみたい。
そういえば。この「この3冊」企画。
翻訳本が少なめでしたね。私やっぱり翻訳物が好きだわ。

書き写してみて、自分の好き嫌いを実感。
でも。苦手なはずのものが読むと面白いことも多いので。
敢えて気が進まないものから読んでみるのもいいかも。

それにしても。しみじみと。
一年読んだ本の中から3冊選べるって、凄いなぁ。
私は10冊選ぶので精一杯なのに・・・
将来的には3冊だけ選べるようになりたいです。

いや。別に10冊でもいいんだけど。
3冊の方がなんかカッコいいでしょ。

というわけで、2018年も終盤に差し掛かって。
やっと、この時期外れなシリーズが終了です。
自己満足企画にお付き合いありがとうございました。

『火花』  又吉直樹

4163902309
文藝春秋
Amazon

今更だけど、読んでみた。

芥川賞受賞作は、読んだり読まなかったり。
読まない方が確実に多い。
なんとなく、避けてしまうのだ。

理由は、そこそこはっきりしている。
たぶん。大抵の場合。読んだら怒りが湧くからだ。
「何でこれが芥川賞なの!」と。

芥川賞を神聖化しなければいいだけのことで。
恒例行事というか、文学界のイベントというか。
軽く流して、面白がってればいいんだと思う。

というよりも、読まない方が安心だ。

又吉(親しみをこめて呼び捨て)は嫌いではない。
積極的に好きまでもいかないけれど。
とにかく死ぬほど太宰が好きな人と記憶されている。

実は私が苦手な作家トップ3に入るのが太宰治。
あと、志賀直哉がダメですね。それからヘミングウェイ。

なぜと聞かないでください。
本に関しては好き嫌いはそんなに無いつもりなので。
嫌いって言い切るのは余程のことなのだけど。
理由なんてあるだろうけど、簡単に説明できません。

ほぼ生理的なものだとしか言えない。
よくわからないけど受け付けないもの、ってあるでしょう。

言い訳するようだけど。
嫌いっていうのはある意味、その対象を理解してると思う。
わかってないから嫌いって言える!とファンは言うかもだけど。
「嫌い」という感覚は意外と鋭く本質を察知している結果なのだ。

で。嫌いなのは、自分に繋がる部分もあるからだとも思っている。

あとは一見、似たり寄ったりなAとBのうち。
Aは大好きで、Bは大嫌いとかも私はあり得る。

「Aが好きなら当然Bも好きじゃないの?」って言われるが。
似ているからこそ、AとBの違いは大きい(と私は思う)。
似ていても一番肝腎なところが違う(と私は思う)。

「私は思う」と付け加えたのは、その違いを感じるかどうかは。
私の個性だか資質だか好みだかであって。万人共通ではないから。
私の言う「いちばん大切」も他人には何それ?なことかもしれない。

だいたい、その「大切なこと」を説明できないところが弱い。
「読めばわかる!」で終わらせたくなるのだ。

さて。本題である筈の本の感想に入る前にかなり脱線しました。
この本の感想も「読めばわかるでしょ」で終わらせましょう。

うそですよ。
書きますよ。感想。書きますけど・・・・

(以下、むやみやたらと長いので暇のある人だけどうぞ)

関連記事

『ふたりからひとり』  つばた英子 つばたしゅういち 水野恵美子

4916110463
自然食通信社
Amazon

なぜ、私がつばた夫妻に惹かれたか。

映画「人生フルーツ」を観て。
ああ、こんな風に暮らしたいと思った人は多いだろう。
その暮らしはひとことで言えば。
この本の副題にある「ときをためる暮らし」。

野菜も果物も庭で作り。土も作り。
梅干しでも、干し柿でもなんでも作る。
自給自足とまではいかないけれど。
現代においては最上級とも言える「手作りの暮らし」。

でも。それは決して「自然」なことではない。
時代の流れから言うと、わざわざ選んでやっていること。
強いこだわりか意志がなければ出来ないこと。

この暮らしぶりが誕生した経緯が知りたくて。
つばた夫妻の聞き語りの本を幾冊か読んできた。

もともと、超お嬢さまとエリートの夫婦なのだ。
背景だけを見れば、彼らは海外旅行へ行きまくり、
外車を乗り回し、ブランド品を買い漁っていてもオカシくない。

老後の生活で貯金がゼロは驚くが、それは貧しいからではない。
単純に「使い切ってしまった」だけのことなのだ。

だって、しゅういちさんの趣味はヨットだったんです。
彼は手紙を午前中と午後とにそれぞれ5、6通書く手紙魔なんです。
(切手代が月に1万円以上!)

英子さんの立場にあれば。もし普通の女性であれば。
「わがままな旦那に振り回されて苦労した」と愚痴るはず。

しかし。そうではない。英子さんは我慢はしていない。
英子さん自身の言葉で語られる思い出から教えられる。
ただ、努力はしている。とても。とても。
そして、その努力を楽しんで生きてきた。

どうしても英子さんの目線で見てしまうけれど。
この夫婦は「だんだんと良くなってきた」組み合わせで。
似てはいないんですね、全然。正反対でもないけれど。

しゅういちさんが英子さんに教えたこともたくさんあり。
英子さんがしゅういちさんのために日々重ねた努力もあり。
どちらも、「人生の滋養」というか。いや「根本」というか。

二人とも、時代に流されない人だった。
食べ物の好みも、生活習慣も趣味も何もかも違ったけれど。
日々の生活を大切にするという意識は共通していた。

この二人に育てられた娘さんたちは東京で普通に暮らしている。
「人間らしい暮らしができない」と言いながら。
憧れても。この二人のように暮らすことは難しい。
それはこの先、どんどん、そうなっていく。

でも。絶対にやれないということもない。
やれないというより、やらないだろうとわかってくる。
憧れと現実を埋めるだけの熱意は結局、私には無い。

せめて。ただ、羨ましがるだけで終わらずに。
自分の暮らしの中で「変えられること」を考えてみようとし。
その「考えるひま」すらそもそも欠如していることに気付く。

この忙しさはどこから来るのか。
その忙しさを本当に私は憎んでいるか。
ずっとやってきたことだから、この先も続けて行けるし。
すっかり馴染んだ暮らしなのだ。

できることからコツコツと、の感想で終えるのは簡単。
でも。そう言ってしまうとそれで安心して何も変わらない。

見習いたいけれど。見習えないか。
なんだかねぇ。憧れと励ましを感じつつ、虚無感に捉われる。

英子さんからのエール。たぶん、現代の私たちへの。

人はたくさんの個性を持っているから、自分のやりたいことに気づいてコツコツ続けていれば、きっといいことがあるわよ。
最初からりっぱなものをつくろうなんて考えないで。何でもいいから、自分の好きなことをやって、それを続けていると見えてくるものがあるから。それが大事なのね。ささやかなことでいいのよ。

ああ。この優しい励ましすらも刺さるほどに。
その「ささやかなこと」すら見失って生きている。

(2018.3.20)
修一さんがお亡くなりになられて。
それでも。英子さんは生活を崩さずに過ごしていらっしゃる。
多少のアレンジは加えつつ。穏やかに逞しい。
また、読み返したいな。しゅういちさんの言葉もいいの。
目線は英子さん寄りになりがちだけれど。
ふっと。修一さんの気骨ある変人(褒めてる)ぶりに癒される。
その修一さんはよくこう言っていたそうです。
「がまんしてやらないほうがいいよ」
「毎日楽しいことだけ考えてやったほうがいいよ」

  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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