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戦火のバグダッド動物園を救え  ローレンス・アンソニー  グレアム・スペンス

2017.02.22 未分類   comments 0
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早川書房
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ああ、無謀!でも動き出せば何とかなるものだ!? 

こんなに面白くていいのかというくらい面白いし。
毎ページ毎ページ、びっくりするし。
著者の行動力、凄過ぎませんか。
なんとも無謀。ご自分でも度々嘆いておられますが。

なのに、ちゃんと彼の意志は通じて行くんだな。
それにしても。それにしても・・・

私だったら「気持ち」はあっても、へこたれる。
動く前に心が折れていると思う。
そして度重なる解決不能(に見える)な問題に挫ける。

それを。著者は。
「とにかくやるしかない」の精神で乗り越える。

ただ動物愛護家が動物を救う話、ではない。
人種問題、社会問題、そこからこぼれ落ちる感情。
敢えてすくいあげはしないけれど、きっちり描かれている。

深く掘り下げずに話は進んで行くが。
一瞬の目線の中に「哲学」や「道徳」がある。
悩み過ぎて身動きが出来なくなりそうな局面でも。
現実的に対処して進むことを選ぶ著者の強さ。

文章にする上で切り捨てたであろう葛藤の重みを想う。

この惑星を救う戦いはまだ終わっていない。その兆しすら見えていない。

あまりにも哀しく理不尽な事件の後の彼の言葉だ。
彼は自分の仕事はちっぽけだと言いながら、
「あってはならないこと」から人間を救おうとしている。

そう。彼は動物を救おうとしているだけではない。
動物を殺してしまう人間の人間性を救おうとしている。
むしろ、そちらが主軸だと言ってもいいくらいだ。

冗談や洒落でなく、「惑星を救う」気概を持っている。
それが可能だと信じているわけでもなくて。
それをやらねば、と思っている。
無理と承知でも、できることを自分はやろうと決めている。

動物園の動物を助けるよりも先にやることがあるだろう、と。
そういう意見があることは当然、彼も承知だ。
ただ彼のこの問いが、彼の行動の動機を物語る。

人間の愚かさの代償を命で支払うのは、いつもほかの生き物なのか?

いえ。人間が人間の愚かさの犠牲になる例も尽きませんが。
それだからと言って、この問いの重みは減りません。

(2017.1.2)
著者の優しさに、着実な行動が伴うところに感嘆させられた。
心優しい人は、その優しさゆえに立ち止まってしまうことが多いのに。

お手紙ハンドブック

2017.01.10 未分類   comments 0
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プチグラパブリッシング
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あれば便利な手紙マナーの本。

手紙の基本がコンパクトにまとめてあります。
そんなん知ってるわーという人には不要かな。

私は正式な手紙を書く時には悩むのです。
縦書きの手紙を書くのが実は苦手。

幸か不幸かビジネスレターとは無縁で生きて来ました。
でも、お客様に手紙を書く時は略式過ぎちゃ失礼よね。

新書判の小さな紙面にぎゅーっと詰め込んであって。
う。見にくい・・・と感じる部分はありますが。

まぁ。一冊あれば、役に立ちます。
この手のお役立ち本は見た目が騒がしいことが多いので。
すっきりした外観だけでも、ポイントは高いです(笑)

(2016.12.3)

70歳の日記  メイ・サートン

2016.12.29 未分類   comments 0
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みすず書房
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瑞々しく歳を重ねる。

70歳ですもの。若くはないのです。
だけど。「老い」は感じない。

歳をとることも。孤独も。
そんなに怖がることはないのかもしれないな。

ただ穏やかな日常、というよりは。
まだまだ「試行錯誤」して。
より良い自分、より良い明日を探している気配があって。

単純に「励まされた」と言うには。
著者とは住む環境や資質が異なり過ぎる気もするのだけれど。

それでも。なぜか親しみを覚えるのは。
著者が切実に必要としている「独り」の時間を、
わたしも求めているからなのだと思う。

きっと。それは変わらないよね。
うん。変わらない。

(2016.11.17)
この本は手元に置いて。数年ごとに読み返したい。
私は70歳になった時に。メイ・サートンのように。
「若い時より今の自分の顔が好き」と言えるかな。
言えるようでありたいな。

フランチャイズ事件  ジョセフィン・テイ

2016.12.08 未分類   comments 0
4150001383 (Hayakawa pocket mystery books (138))

早川書房 1954-09

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(絶版のため画像なし)

ジョセフィン・ティ、大好きです。
大昔に「時の娘」を読んだだけなのですが。

そ、それにしても、翻訳古いわー。
言葉遣いが、昭和初期。
あ、1954年の発行だったら無理もないわね。

「しまった」が「しまつた」とか。
「こまった」が「こまつた」とか。
読み慣れるまで、笑えてしまいました。

でもね。そのうち、これも味になってきます。

ストーリーは最初、もどかしいんですけど。
読み進むうちに、じわじわーっと来ます。

人物造型が、カッコいい。
派手じゃなく、地味にカッコいい。

ナニナニナニ、最後が格好良過ぎる。

ミステリーとしての推理の楽しさというより。
登場人物の心模様の変遷を見ていて面白い。
あくまでも、それが劇的ではないところが良い。

うん。奥ゆかしいんですよね。
でありながら、最後にカタルシスがある。

気持ち良い読書でした。

(2016.10.18)
「時の娘」より地味ですが、好き。
マリオンっていう女性、素敵ですねぇ。

たたずまいの美学  矢田部 英正

2016.12.05 未分類   comments 0
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中公文庫
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 和装における女性の美感とは、肉体の輪郭を覆い隠したとしても、その美的な存在感が失われることのない「姿」や「しぐさ」から表出するものであり、これを私は「佇まいの美」であると言う。

「骨をつかむ」という日本語は、この脱力状態において体感される「骨の感覚」に由来するのにちがいなく、筋肉を浪費させずに動作する「コツ」をつかんだとき、それは筋力をはるかに上まわる力を発揮することができる。これら「骨」に準拠した日本古来の運動原理は、筋肉に依存した現代のスポーツトレーニング理論とは、根本的に異なる身体技法に基づいていることがわかる。

日本人の歩き方の汚さの指摘から始まる本書。
私自身も、立派な(?)日本人歩きである。

しかし、その歩き方の「汚さ」は。
洋装に合わないということであって。
着物を着ていればそれは美しい歩き方なのだ。

「骨」の感覚についての洞察も秀逸。

リトアニアのバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤも
どうしたら六十を越してそのような美しさを保てるかという質問に
「私は骨で立っているからです!」と言っていたそう。

洋服と和服の違いの捉え方も興味深い。
「人に合わせるか」「服に合わせるか」の違いだと著者は言う。

服(の型)を完成させることで、着用の技術を必要としないのが洋服。
和服は着る人間がその様式に相応しい技術を持つことが必要で、
言わば「人間依存」の服。

(2016.10.10)
もっと色々あるんですが・・・忘れちゃいました(笑)
  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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