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ラウィーニア     アーシュラ・K・ル=グウィン

Posted by 彩月氷香 on 13.2010 アーシュラ・K・ル=グウィン   0 comments   0 trackback
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河出書房新社
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ル・グィンの代表作といえば、「ゲド戦記」「闇の左手」「所有せざる人々」。
いずれも、遠い昔に読んで、内容はほとんど覚えていない。
それでも、打ちのめされた、としか表現しようのない圧倒的な読後感が
ずっと心に残っていて、ル・グィンの名を聞くだけで甦ってくる。

骨格のしっかりした物語に、輪郭の強い繊細な文章。見事な人物造型。
言葉は節約されていて無駄がない。淡々と語っているように見えるのに、
行間から鮮やかなイメージが浮かび上がってくる・・・。

ウェルギリウスの叙情詩「アエネーイス」を基にしたという本書は、
70歳を越しても全く衰えていないル・グィンの才気に溢れている。
詩を題材にし、言葉の響きを重視した結果なのか、
ル・グィンの作品特有の、ずしん、と重い印象は、
やや薄められているようにも思う。

全体に森の雰囲気が漂い、森が出てくる物語が何故だか異様に大好きな私は、
うっとりしながら読んだ。

彼女の作品は、読んでいると闇に潜っていく感覚があり、
まるで周囲が暗くなってくるようにさえ感じるが、
一方で強い光が自分の内側から生まれてくるような、
何かが目覚めて動き出すような、そんな気持ちになれる。

この作品が彼女の最高傑作、とまでは思わないけれど。さすが、と驚嘆した。

ル・グィンの本は再読しなくちゃ。読みそびれてる物も全部、読まなきゃ。

 

(2010.3.13)

  

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