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002 少女たちの履歴書 14人の画家

Posted by 彩月氷香 on 23.2012 額の中の絵   2 comments   0 trackback
当ブログのお部屋に飾られている絵の、簡単な紹介です。
(額の中の絵は、8秒単位でスライドする設定になっています)

この小さな額に、自分の好きな絵を収めることは私の楽しみの一つ。
1シリーズ14枚というルールを定めてチョイスし、気分によって変えています。

ただいま展示中の14枚は、以下のとおり。
今回は画家のプロフィールをざっと、まとめてみました。

girl-1.jpg フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
 1632-1675 | オランダ | オランダ絵画黄金期

 調和のとれた明瞭な色調
 簡素かつ静謐でありながら綿密に計算された空間構成
 光の反射を明るい絵具の点で表現(ポワンティエ)
 ラピスラズリを原料とするウルトラマリンブルーを多用
 真作とされる総作品数は33~36点と寡作の画家


girl-2.jpg グイド・レーニ「薔薇を持つ少女」
 1575-1642 | イタリア | バロック・ボローニャ派

 考え抜かれた構図、優雅な人物表現、柔和な色彩
 生前から「ラファエロの再来」と呼ばれ
 ゲーテによって「神のごとき天才」と激賞される
 古典主義的絵画の人気が下落した20世紀以降、評価も下落
 近年アカデミスム絵画と共に再評価されるようになった


girl_3.jpg コロー「真珠の女」
 1796-1875 | フランス | 写実主義・バルビゾン派

 銀灰色の靄に包まれたような独特の色調の風景画を描く
 繊細な写実性の中に抒情性を感じさせる風景表現は
 絶大な人気を博し、印象派の画家たちに多大な影響を与えた
 風景画が主だが、人物画や神話も優れた作品を残している


girl-4.jpg ルノアール「イレーヌ・カーン・ダンヴェルス嬢の肖像」
 1841-1919 | フランス | 印象派

 印象派の中でも名が知られ、人気のある巨匠
 時に女性的と直喩される流動的かつ奔放な筆勢
 明瞭で多様な色彩、豊潤で官能的な裸婦の表現
 揺らめく木漏れ日による人物や風景への効果など
 特徴的な表現で数多くの作品を制作


girlred.jpg エンネル「Study of A Woman In Red」
 1829-1905 | フランス |アカデミズム 

 アカデミズムの最後の大物画家の一人
 ローマ大賞、レジオン・ドヌール勲章を授与され
 お抱え画家として名声を欲しいままにする
 歴史的テーマの扱い方や荒々しい大胆な筆跡など
 アカデミズムらしからぬ近代的な要素を含んでいる


anker1301.jpg アルベルト・アンカー
 1831-1910 | スイス | 印象派

 写実主義や印象派が台頭する時代をパリで過ごす
 フランドル絵画のような落着いた色彩で日常風俗を描く
 30年間パリに住んでいたにも関わらずパリの絵は一枚もなく
 題材にしたのは故郷アネの村人 市井の人々が主である
 スイスの国民的画家だが 日本ではあまり知られていない


girl7.jpg ミレイ「アリス・グレイの肖像」
 1829-1896 | イギリス | ラファエル前派

 ラファエル前派の創始者
 歴史的・文学的主題を明るい色調と細密な手法で描く
 ハムレットを題材に制作した『オフィーリア』が有名
 (夏目漱石の『草枕』にこの絵に言及した箇所がある)


girl8.jpg ハラモフ・アレクセイビッチ『Contemplation』
 1840~1925 | ロシア | アカデミズム
 
 農奴生まれのロシア画家
 ペテルブルク帝国アカデミーで学ぶ
 名声を得て ロシアの著名人の肖像を数多く手がける
 甘美で可憐な少女たちの絵を好んで描いた


girl9.jpg ブグロー『Head Of A Young Girl』
 1825-1905 | フランス | アカデミズム

 アカデミズム絵画を代表する画家
 神話や天使、少女を題材とした絵画を数多く描いた
 甘美で耽美的な画風で 生前は高い人気と地位を得る
 モダニズムの台頭とともに忘れ去られた存在となるが
 20世紀末になって再評価されるようになる


girl-10.jpg ソフィ・アンダーソン「キジバト」
 1823-1903 | フランス・パリ | ラファエル前派

 フランス人の父とイギリス人の母の間に生まれる
 フランス2月革命の際、一家はアメリカに亡命
 その後イギリス→アメリカ→再びイギリスと移住
 田園風景を背景にした子供と女性の絵を専門とした


girla.jpg ミレー「犬を抱いた少女」
 1814-1875 | フランス | バルビゾン派

 写実主義の農民画家
 代表作のひとつである『種まく人』は
 岩波書店のシンボルマークに採用されている
 晩年には印象派に近いパステルや水彩画も制作した


americangirl.jpg フィッシャー「HER EYES WERE MADE TO WORSHIP」
 1877-1934 | アメリカ | イラスト

 魅力的な女性を描き人気を得たイラストレーター
 「千人の少女たちの父」の異名で知られる
 長年雑誌「コスモポリタン」の表紙を飾る
 本の挿絵なども手がけている


girlb.jpg ジョージ・ロムニー「麦わら帽のハミルトン夫人」
 1734-1802 | イギリス | 肖像画家

 ロンドンで肖像画家として成功を収める
 ジョシュア・レノルズとの長きに渡る確執も有名
 総長をジョシュア・レノルズが務めていたために
 生涯ロイヤル・アカデミーの展覧会に出品しなかった


girlbbb.jpg フランク・カドガン・クーパー「虚栄」
 1877-1958 | イギリス | ラファエル前派

 ノーサンプトンシャー生まれ
 1897年ロイヤル・アカデミー美術学校に入学
 (当時の会長はジョン・エヴァレット・ミレイ)
 ラファエル前派最後の継承者とみなされている




001 ジャン・ジャンセン(Jean Jansem)

Posted by 彩月氷香 on 18.2012 額の中の絵   4 comments   0 trackback
当ブログのお部屋に飾られている絵の、簡単な紹介です。
(額の中の絵は、8秒単位でスライドする設定になっています)

この小さな額に、自分の好きな絵を収めることは私の楽しみの一つ。
1シリーズ14枚というルールを定めてチョイスし、気分によって変えています。
何故14枚なのかということを知りたい方は、過去記事をご覧ください。
「オードリーと、14の意味」
(とてもつまらない理由ですので・・・読んでお怒りなきよう願います)

はい、では。ただいま展示中の14枚は、以下のとおり。

jansem-1.jpgjansem-2.jpgjansem-3.jpgjansem-4.jpgjansem5.jpgjansem-6.jpgjansem-7.jpgjansem-8.jpgjansem09.jpgjansem37.jpgjansem-11.jpgjansem-12.jpgjansem-13.jpgjansem-14.jpg

ジャン・ジャンセン(Jean Jansem,1920年 - )

アルメニア人の父とトルコ人の母の間に誕生。
戦渦を逃れてギリシャに渡り、少年時代を過ごす。
11歳、一家でフランスに移住。
怪我で入院していた3年間に、画家になる決心をする。
卓越したデッサン力により様々なコンクールで受賞を重ね、現在に至る。
1993年、安曇野に世界初の彼の美術館「安曇野ジャンセン美術館」が開館。
アルメニア大虐殺のシリーズを描いた後に画家としての功績が認められ、
フランスのレジオンドヌール勲章と故国アルメニアの国家勲章を受章。


私の好きな芸術家は大抵、ひと昔前に亡くなっているのですが。
ジャン・ジャンセン氏は数少ない例外。

繊細な線の、どこか痛々しいほどに脆そうな印象と。
それを打ち消すような秘めたる力強さを湛えた、孤独の影。
あっさりとした彩色の感じも、とても好きです。

額の中に並んでいるのは、彼の代表的なシリーズ、
「バレリーナ」からのものが多いと思います。
一枚一枚の絵のタイトルは・・・ごめんなさい、省略します。

ジャンセンの思い出について書いた過去記事はこちら
「ジャン・ジャンセン」
大した内容ではありませんが、彼の絵の大きめの画像が見られます。

原画を観たのは十代の頃のこと。いつか安曇野の美術館に訪れたいな・・・
(世界で唯一の「ジャン・ジャンセン美術館」があるのです)

*額に上手く収める為、上下左右の余白がカットされている場合があります。
 本来の絵の印象を変えないよう心掛けていますが、ご了承くださいませ。
 

ジャン・ジャンセン

Posted by 彩月氷香 on 18.2011 額の中の絵   4 comments   0 trackback
jansem_yokotawarushojo.jpg

私、この人のリトグラフを買いそうになったことがあります。
それが、笑えることに、無職の時代のことでした。
画廊で、あまりにじーっと見入っていた為、売りつけられそうになって(笑)
でも、思い切って何かの間違いで買っちゃってたら、人生が変わったかも?

ブログトップの額の中の絵が、ジャンセン特集になってます。
御覧のとおり、この画家さん、女性の後ろ姿ばかりを描く人です。
正面や横顔は、数えるほどしかない。

哀しげな背中。主に少女。さらにバレリーナがメイン。
ただ、偶然にも私が買いそうになったのはセピア色の夫人の後ろ姿でした。

色の淋しさ、線のかぼそさも好きです。
静物画や、ほんとはスケッチが特徴的で面白かったと記憶してますが、
見つかりませんでした・・・。

冒頭の絵。「横たわる少女」という題。
少女では、もはやありませんがなんか、気持ちがわかる気がする。
こうやって丸くなって・・・やり過ごす、やりきれなさ。

アカデミズム絵画について

Posted by 彩月氷香 on 30.2010 額の中の絵   4 comments   0 trackback
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はじめに、お断りを幾つか。

①この記事は、私の以前の記事にお寄せ頂いた小泉宗次さん(素敵なブログを運営しておいでで、よくお邪魔させて頂いてます)のコメントへの、返事となっております。こちら→「消えた美少女たち」を読んでからお読みいただけると幸いです。

②ご本人に許可を頂いて、その質問を以下に転載させていただきます。
 詳しくありませんが、
アカデミック美術って真実の美を追求するのではなく(美は遍在し得る)、美が真実である(絶対的な美のみ在り得る)と観念論的に考えているのでしょうか? 描かれるものは全て理想的、観想的であり、主体性や具体性を著しく排除する傾向があると考えていいんでしょうか? よくわからないです。写実主義的ではないとすると、画の中の少女はつまるところユートピア的な存在なのでしょうか? 質問ばかりで申し訳ないです。

③私の絵画の知識は中途半端ですので、必ずしも正確とは限りません。間違いにお気づきでしたら、ご遠慮なくご指摘いただけると嬉しいです。

④絵画に興味のない方には退屈かもしれません。その上、とんでもなく長いです。

では、覚悟の出来た方はどうぞ。
*****************************************************************

当時(19世紀)のフランスには、アカデミーという国立の美術学校がありました。そこでは、宗教画、歴史画が重んじられ、アカデミーの支柱は「理想美」でした。彼らの信望する「美」とは、伝統意識にのっとった絵。つまり、正確なデッサン、写実的に表現する技術、細部までこだわり抜いた精緻さ、迫力ある画面を作りだす構成力。授業は相当厳しく、規律で定められていたといいます。

その中で超一流と認められた画家の技術水準は、やはり素晴らしいものだと思います。題材が限定されるために、表現の幅が狭いことと、技術の完璧を目指すことでどうしてか、精神性が薄い印象を見る者に与えるのは不幸なことです。実際、甘美さを追求しすぎて、どうも薄っぺらくなっている部分は見受けられます。

ともかく、当時はルイ14世やナポレオン3世などに庇護され、世の中にももてはやされ、アカデミー会員といえば芸術家のエリートでした。彼らは徹底的に印象派の絵画を否定しました。

19世紀末に印象派を含む革新的な絵画が脚光を浴びるようになると、形成は一気に逆転します。
アカデミズム絵画は、時代遅れで保守的、進歩もなく、体制的・・・と嫌悪され、美術史の中でも忘れ去られていきます。20世紀末になって、再評価されはじめたのですが、印象派の人気には及ぶべくもありませんね。反印象派というイメージの悪さも祟って作品の価値も不当に低く、行方不明になった作品も多いそうです。

絵画史をちょこっと齧った程度の私は、アカデミズム絵画のなんたるかは朧に記憶していましたが、その代表的画家といっても名前が浮かばなかったくらいです。偶然に、美少女の絵を探していて、ブクローに出会い、彼がアカデミズムの巨匠と知った次第。他にはカバネル、この人は名前は聞いたことありますね。確認してみたところ、やはり、ブグロー同様の甘美な画風です。

写実性を求めつつ、非現実的な理想の美に走っている、というのが面白いところです。構図や明暗、質感に完璧を求めながら、美しくない(と彼らが思ったもの)は徹底して切り捨てた、その姿勢は或る意味、とても潔くも感じます。

精緻な技術、安定感のある構図、万人が愛らしいと思う美しい顔立ち。これだけ揃うと、なんだか少女漫画めいた通俗性を帯びてしまうのですよね。実物を観ていないので、はっきりとしたことは言えませんが、画面はとても滑らかだそうです。筆使いを消し、つるつるとした印象だとのこと。だとしたら、なお一層、綺麗なだけの絵、に見えてしまうのでしょうか。

質問の答えにはなっていないかもしれませんが。私が語れるアカデミズム絵画の知識はこれくらいです。正確を期すならば新古典主義とのかかわりにも触れなくてはなりませんが、長くなりますし、私の怪しげな知識も馬脚を現しそうなので、割愛させていただきます。

以下、私の独断と感傷に満ちた長文が続きます・・・


  

プロフィール

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時々、写真や雑記も。

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