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マルドゥック・ヴェロシティ3  冲方 丁

2010.10.31 冲方 丁   comments 0
4150308713
ハヤカワ文庫JA
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残虐シーンの数々に震えながら読み続けてきたこのシリーズも、
とうとう、最終巻。さぁ~よぉ~し。読むぞぉ~~っ!

かなり、身構えて読み始めました。
期待は裏切られず、しょっぱなから、ひぇ~、ぎゃ~な場面。
私の恐怖心のメーターがブチ切れて無感動になったくらいな、凄まじさ。

1、2と読んできて、ずーっと思ってた。
どうして、ここまで、やるの?って。

意思のある武器として生まれて、哲学的に自らの「有用性」を
考え続けるネズミと、虚無と破壊に惹かれ続ける男のコンビ。

彼らの活躍の舞台であるシティも、その他の登場人物も、
やや異色なヒーローもの、カッコ良く感動的なSFの要素を、
とても魅力的かつバランスよく備えている。

この異常な暴力と残虐さえなければ、抜群に楽しい娯楽小説なのに。
しかも、哲学の要素すら盛り込んで、作品の深みも充分に出せるのに。

恐怖や残虐を、絶妙なスパイスとして巧みに使いこなすことくらい、
著者になら、いとも簡単にできるはず・・・。
読者離れさえ引き起こしそうな、この病的な、醜悪と残虐を、
執念深く描き続ける・・・そこに、どんな意図が潜んでいるのか。

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マルドゥック・ヴェロシティ2  冲方 丁

2010.08.13 冲方 丁   comments 0
4150308705
ハヤカワ文庫JA
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前作を読んだ際「精神状態のいい時に続きを読みたい」と感想を書いた。
それから、まもなく、決して精神状態はいいとは言えないのに読んだ。

・・・ああ。疲れた。
凄絶、とか血も凍る、と表現できるような血腥さなら、或る意味慣れっこだ。
しかし、本書でそのようなシーンに遭遇するたびに私が思い浮かべる言葉は、
「えげつない」である。いや、「えげつなさ過ぎる」。

主人公をはじめ、こちら側の人間は、
とてつもない改造を施された肉体の持ち主であるとはいえ、正気である。
一方、敵は、やることなすことの残虐さは勿論のこと、
まず彼らの見た目が狂気そのもののグロテスクさ。

「化け物たちのサーカスだ」と、
そいつと戦う羽目になった一人が叫んだのも無理はない。
「かんべんしてくれ」そりゃ、そう言いたくもなる。
まったく、私も泣きそうになりながら、そう唱えた。

作中に「血の匂いがする」という文章を見つけると、
肩に力が入り、「来るぞ、来るぞ、来るぞ」と身構える。
そりゃ、疲れるよ。
私、なんで、こんな思いして読んでるんだろうと疑問も湧くよ。

眠ることも一切必要がなく、重力からも自由な体を持つ主人公、ボイルド。
その彼から片時も離れることのない、知能を持つネズミ、ウフコック。
ウフコックは、何にでも、一瞬で変身することができる。
普段はボイルドの手袋の姿、心許した人の前では衣服を着たネズミ、
そして、闘いの時はボイルドと一体化した、最強の武器。

強靭すぎる肉体に潜む「狂気」と葛藤しつづけるボイルドの心の闇と、
武器である自らの存在に苦悩するウフコックの繊細な心優しさ。
その二人の互いを思いやる気持ちの深さ。

そう。私は彼らが好きなので。
他にもたくさん、愛すべき人々が登場するので。
だから、続きが気になって・・・怯えながら読んでいる。
アンダーグラウンドの闇がどんどん、深まっていくことに。
物語の行方のどうしても光明の見えないことに。

ここから少し脱線しますが、私の「恐怖と想像力についての考察」、
などにご興味のある方は、続きをどうぞ・・・。
けっこう長いので、ご注意を。




マルドゥック・ヴェロシティ  冲方 丁

2010.08.01 冲方 丁   comments 0
4150308691
ハヤカワ文庫JA
Amazon

読み始めて、「しまった」と思う(・・・て、何度目だよ、まったく)。
出たぁ~。戦闘派SF、しかも文体がメタSF調。
ま、表紙とタイトル見れば、予測はつくんだけどさ・・・。
あまりに、お約束な展開なんでため息が出た。

著者の本屋大賞受賞作「天地明察」が、いたくお気に召した私、
危険を覚悟で図書館で借りたんですが・・・。
しょっぱなから、及び腰。すっごく不安。
ハヤカワJAだもんなぁ、読んだけどねぇ、昔は、ずいぶん。

武器に改造された人間たち。研究所に閉じ込められて暮らしている。
戦争が終わり、必要がなくなったからと廃棄処分されそうになる。
要は、殺されるってこと・・・。
当然、闘いまして、生き残りまして、街へ出て行きまして。
そこでは、すごーく簡単に言うと、悪と闘う側になる。
裏社会の一大勢力と、その裏に渦巻く陰謀と。

キャラの出来がとても良いし、
武器に改造された人間には、たいがい慣れてる私も、
そこそこびっくりな強烈な改造ぶりで、読んでてワクワクする。
主人公ボイルドを始め、生半可じゃない過去の持ち主ばかりで、
そのジクジクと傷のうずく味わいも、悪くない。

主人公の相棒が、人工衛星四基分の予算をつぎ込んで作られた特別なネズミ、
っていうのが、私は何より、気に入った。
そのネズミ、ウフコックがどう特別か知りたい人は、まぁ読んでみて。

ただ、問題は。文体に、かなり、クセがある。
しばらく辛抱すれば慣れると思うけど・・・最初、戸惑う。
さらに、かなりの暴力シーン、残虐シーンが、頻繁に登場するので、
ハンパじゃなく、血腥い。吐きそうになるくらい凄まじい。
万人には、おすすめ出来ないなぁ・・・

傑作、だとは思うんだけど、かなり好きなんだけど、続き読むにしても、
精神状態の良い時に読みたいよね・・・。
若い時だったら、シリーズ一気に読んだかなぁって思うけど。
・・・私も、歳をとったってことだろね。

残虐なシーンだけじゃなく、心理描写もハードなんだよね。
そこが当然、魅力なわけだけど、 読むとぐったり。
破壊と暴走と突き刺さるような追憶に耐えられる方で、
ハードボイルド調SFがお好みな方にはオススメ。

(2010.7.30)
これ、「マルドゥック・スクランブル」っていうのが前作なのね。
知らなかった。でも物語の内容としては、こちらが先。えーつまり。
映画「スターウォーズ」における「エピソード1」に位置するのが本書。



天地明察  冲方 丁

2010.07.09 冲方 丁   comments 0
404874013X
角川書店
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話題の本をスルーしがちな私。
珍しくタイムリーに今年度の本屋大賞を読んでみました。
実は苦手とする時代小説ということもあり、
読もうという気もなかったのですが、
母が図書館から借りていたので、ま、読んでみるか、と。

まぁ。なんと読後感の爽やかなこと。
主人公の渋川春海の生き方、憧れです。
ひとつのことに打ち込んで生きる、
・・・真摯なのだけど、どこか飄々としてもいて。
この人物造型、好きですね。

江戸時代の暦作り、という物語の主軸に、
当時の囲碁の世界、算術の歴史、武士の社会が絡んで、
世界観に程良い広がりが感じられます。

印象に強く残る、魅力的な人々もたくさん登場して、
飽きることなく、しかも快く読めます。
なんとも精神の健やかさに満ちた小説です。
そこを疵ととる人もいるかもしれないような、
最近見かけなくなったような健全さ、を感じます。

天文学・暦学の知識に関しては著者に批判の声もあるそうで、
ええ、勉強不足な部分があるのかなと思いますが。
それで、この作品の価値が減るものでもないでしょう。

読んで良かったと心から思える本です。

(2010.7.3)
著者の作風に好感を持ち、もっと読んでみたいと調べてみたのですが、
他はヤング向けなSFとかファンタジーばかりなのですね。
どちらも私の得意分野(かつての)のはずですが、
バリバリにアニメ風な表紙が恥ずかしい感じです。
正直、角川スニーカー文庫は、さすがに手が伸びません。
ハヤカワ文庫JAで、まずはトライだな・・・




  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
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時々、写真や雑記も。

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