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小さき者へ  重松 清

2010.10.05 重松 清   comments 4
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新潮文庫
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表題作を含む、6編。様々なカタチの、親子の物語。

◆「海まで」
兄弟のいる人は、きっと共感できる・・・。
親や祖父母の愛情が「平等ではない」と感じる時の痛み。
明るく、いわゆる「愛されキャラ」な弟に並ぶと、
要領の悪さと大人しさが「可愛げなく」映ってしまう兄。
なんだか、昔の私を見てるようで、とてもイタかった。
生々しいほど、リアルに甦る記憶が、ヒリヒリと胸に沁みた。
でも、大丈夫。うん、大丈夫だよ。ちゃんと、乗り越えられるよ。

◆「フイッチのイッチ」
親の離婚。子供ながらに、まっすぐ受け止めようとする思いが、
明るく、健気に、空回りする・・・。
片親であることは、ハンデだろうか?
そうでないと言ったらキレイごとになる。
でも、そのマイナスをプラスに変えることができるとしたら。
それは人より苦労することによって強くなる、というものではなく。
意思による離別という、ある意味、死別よりも残酷な、
子供には難しい「別れ」を自分なりに消化しようとすることで、
思いやりの心を深く育むことができるということなのかもしれない。

◆「小さき者へ」
ビートルズのレコードの思い出に乗せて、父の、息子への愛情が、
そして、そこに秘められた、父の父への悔恨が語られる。
どうか息子にメッセージが届きますように、と祈りたくなる。
きっと、親の思いに気がつくのは、ずっと、ずっと先のことなのだ。
それでも、いい。遅すぎても、いい。
その愛情の存在を、実感できる時が来たら、それでいい。
親は。ちゃんと、わかっているのだ。
子供に理解されていない、この先も長く理解されない、と。
でも、いつかは伝わるものだと信じ続けることができるのだ。
見返りを求めぬ愛情は、その見果てぬ長さにも耐えうる、
・・・そのことに、ひっそりと、涙した。

◆「団旗はためくもとに」
挨拶は、おじさんになった今も、「押忍」。
なんとも、思春期の娘には、たまらない濃いキャラの父。
見た目、まんまヤクザな、バリバリの応援団長。
笑えるけど、実際、こんなお父さんだと泣けるだろうね。
でも、好きだ。娘の美奈子も、もちろん、父を大好きなのだ。
ただ、どうにも人目に恥ずかしいだけ(笑)。
読者にも、お父さんからのエールが届く気がする、いい話。

◆「青あざのトナカイ」
お商売、大変なんだよね。うん。ああ、これも実感。
脱サラで店を持った男の挫折。
かっこ悪い「父」の姿を子供に見せたくない、親心。
それがゆえに、一時的な一家離散まで生じて。
そんな、男の周辺で、さりげなく描かれる他の家族たち。
親に幻滅するのと、親の存在が大きすぎて、
自分が小さくしぼむのと、どちらが辛いだろう?
・・・たぶん。どちらでもなくて。
親から子へ、伝わっていくものは、大きさや輝きに関係なく、
間違いなく、かけがえなく、貴いものなのだ。
送る側と、受ける側の、気持ちが、どこかで繋がってさえいればいい。
消え入りそうに細くても、その糸が切れずに存在している、
そのことが大切なんだと・・・
勝手に、そんな風なことを思った。

◆「三月行進曲」
少年野球の監督という趣味(?)にすっかり入れ込んで、
娘にも、妻にも、愛想をつかされてる、父。
うーん。これは。一番、私には、わかりにくい。
きっと、男の人の方が共感できるのかも。
監督の思いも、少年たちの思いも、私とリンクするとこが、
まったくといっていいほど、ない。
でも、描かれる景色が爽やかです。
私も父(野球大好き)に連れられて、まだ幼い頃に、
甲子園球場へ高校野球を観に行ったなぁ。
高校野球に正直、興味なんてなくて。
大好きなお父さんと二人で遠くにお出かけするのが、
当時の私には、ぴょんぴょん飛び跳ねるほど、嬉しかったっけ。

(2010.9.23)
この作品も「すぐ読めて満足感あり」シリーズの中の一冊です。
本書を薦めてくださった速読おやじ様は、なんと他に9冊も、
この難しいお題にエントリーしてくださいました。
少しずつ、楽しみながら読んでいこうと思います~
この本も、一見、分厚いですが、すぐ読めます。
あ、速読おやじ様は、私のお題をちょっとアレンジして、
「すぐ泣けて満足感あり」としてコメント下さってました。
確かに!確かに、泣けますよ、速読おやじ様。
では、また近々、泣きながら読書する日を楽しみに(笑)。


きみの友だち  重松 清

2010.05.01 重松 清   comments 0
4101349223
新潮文庫
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泣ける。
反則やろーというぐらいの泣かせテクだ。
私の大の苦手の子供の学校生活を、ここまでリアルに描いて、
かつ夢中で読ませる力量。素晴らしい。

私は最期の一篇はナシの方がいいと思う。
ちょっと、きれいにまとめ過ぎ。惜しいな。

こういう本は多くの子供、若者に読んで欲しい。

(2006.4.28)
  

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Author:彩月氷香

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