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はるひのの、はる  加納朋子

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幻冬舎文庫
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過去を修正した、その結果。

あ、しまった。シリーズ三部作の最後を先に読んでしまった。
1 ささらさや
2 てるてるあした

こんど、読んでみます。この本単体でも十分読めましたけれど。

まぁ・・・なんだろう。
哀しいし、優しいし、辛いし、ほっとする。

単純に。
過去は変えないのがいいと思うけど。
変えられるなら変えたい場合はあるでしょう。

変えてしまったら何が起こるのか。
いいことも、悪いこともある。
それは変えなくてもそうだったとも言える。

やさしさはいつも。
ほんのり哀しいということ。
温かいけれど、ちょっと痛いということ。

そして。
案外、わがままなものだということ。

主人公の母親が素敵なんです。その描写。

いつだって母は日々を味わうように、そして楽しくてならないというように、嬉しげに生きていた。


あと。
これはそうかもしれないな、と感じたところ。

「人はね、ほんの時々、落とし穴みたいにして悪いことをしてしまうことがあるの。色々な辛い出来事が重なって、それが限界を超えているようなときに、ふっと悪い道にさまよい込んでしまったりするの。魔が差すなんて言い方もするけれど・・・時と、場所と、人との全部が出会い頭にぶつかるようにして、一番悪いタイミングで揃ってしまうことがあって・・・それでも、悪いことをする人が絶対に悪いんだけれども、でもその人は、そのとき色んな条件が揃いさえしなければ、一生、そんなことをせずに済んでいたかもしれないの・・・わかる?」


(2018.3.19)
ふんわりと哀しくて。
なにか、やっぱり私にはとても哀しくて。

モノレールねこ  加納朋子

4167673037
文春文庫
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さりげなく、あたり前のような日常のなかに、事件は起こる。

人はずうっと、長く長く、心にその傷と痛みを抱えて、
でも、何でもないというふりを表向きは装いながら、生きている。

失くしたものは、何だろう?
見えていて、目を逸らしているもの、
見えていなかったことに、ある時ふいに気付かされるもの。

・・・どちらにしても、それは見つめる勇気を持った時に、
思いがけなく、ゆるやかに姿を表し、光を取り戻す。

ズキン、と胸が痛くなる、でもほんのりと甘い切なさと、
ふんわりと背中から、そうっとかけられる優しい思いやりと。

笑い泣きしたくなる、ちょっと痛い愛おしさに満ちた8編。
ああ、いいなぁ・・・。描写の端っこに漂うユーモアも。

表題作「モノレールねこ」も、もちろん、いいし。
「マイ・フーリッシュ・アンクル」も、いい。
「シンデレラのお城」も「ポトスの樹」も。それから、それから・・・

ようするに、全部、いい。

だけど。一つを選ぶなら、間違いなくこれ、「バルタン最後の日」。
こんなに、とある生き物(ナイショ)を愛おしく思えるとは・・・

泣きました。加納さん、この涙の責任をとってください。
私、まさか、***(ヒミツ)のために泣く日が来るとは、
思ってもみませんでしたよ・・・。

私のお気に入り短篇のランキングを作るとしたら(考えただけで頭痛がするけど)
絶対に、かなり上位に入ります。

人間の弱さを否定せず、かといってかばおうともせず、
まぁるく包みこんでくれ、寄り添ってくれる。
黙って、立ち上がるのを見届けてくれる・・・そんな印象。

著者の人柄が表れているのだろうなぁ、この優しさは。
何気ない日常をみつめる眼差しの温かな人なのだなぁ。

(2010.11.1)
この本も「すぐ読めて満足感あり」のシリーズの1冊です。
紹介者の奇堂さん、ありがとうございます。最後の一編、私も大好きです。
「ななつのこ」も読み返したいですね。続編を読むために。



  

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とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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