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百鬼園随筆  内田百

Posted by 彩月氷香 on 16.2010 内田百   6 comments   0 trackback
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新潮文庫
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本を読むのが段段面倒くさくなったから、なるべく読まないようにする。読書と云うことを、大変立派な事のように考えていたけれど、一字ずつ字を拾って、行を追って、頁をめくって行くのは、他人のおしゃべりを、自分の目で聞いている様なもので、うるさい。目はそんなものを見るための物ではなさそうな気がする。

ここを読んで、笑ってしまった。
無類の読書好きで、年間平均200冊、多い年は300冊読むという彩月ですが。
だからこそ、というべきか、この百先生の独白わかるなぁ~。

でね、この後、ちょっとエピソードをはさんで、今度はこのように書かれる。
人の書いたものを読まないようにして、自分が人に読ませる原稿を書いているなども、因果な話である。人間の手は、字を書くのに使うものではなさそうな気がする。

おかしいですね。何でしょうね、この人を食ったような独特なユーモア。
これも、日々というか、一日中何かを書いている人種である彩月、
なんか、やっぱりスゴクわかるなぁ・・・。

「なさそうな気がする」・・・ここがポイントですよね。

あと、もうひとつ、私が感心したところ。
私は四十七士がきらいだから、その寺もきらいである。東京へ来てから十年の間、一瞥をも与えなかったものを、偶然の機会で見たのは忌ま忌ましかった。

こんなこと書けちゃうって、すごいな。
忠臣蔵に感動しないなんて、日本人じゃない!くらいな風潮があるのに。
私も忠臣蔵、実は興味がなくて・・・あの美学に共感できなくて。
だから、日本人失格?と秘かに悩んでいたのだけど・・・。
この一節を読んだら、気持ちが晴れ晴れした!

あ、忠臣蔵好きな人ごめんなさい。
そのお気持ちを否定する気持ちは、毛頭ありません。

感動して当たり前のようになってることに、
感動しない自由もあるだろう、そういう感性も認めて欲しいな、って。
感動できる感性も、私は素敵だと思っています。

しかし、偶然、四十七士のお墓のある寺を通りかかっただけで、
「忌ま忌ましい」とは。キッパリしすぎ・・・何か羨ましい。

さて。ともかく、言えることは。

百先生、生き方の達人です。
こんなに堂々とした貧乏、って見たこと無いです。
とにかく、あっぱれ! ちょっと威張り過ぎてておかしい。
愛すべき人ですねぇ。こんな風に生きられたらいいな。

それにしても、なんなのだ、この突拍子もない屁理屈の羅列。
そして、その「は?」と聞き返したくなる常識外れさが、
至極まっとうに思えてくる、妙な説得力。

このお方にかかれば、原稿なんぞ書くより、いやな顔をされても、
方々からお金を借りる方が風流、ということになるのだ。

頭がカチカチになった時に読むと、ほぐれますよ~。

(2010.11.7)
 「すぐ読めて満足感あり」の中の一冊。
紹介して下さった、はーちゃん様、ありがとうございます。
「ノラや」と「阿房列車」は読んでいたのですけれど。
また、ひとあじ違った面白さでした。
ていうか、これを読まずして、百は語れませんね。
ただ、短篇随筆なので一つ一つは「すぐ読める」のですが、
全部読むとなると、かなり時間はかかります・・・。
一気読みするより、ちびりちびりと読むのがオススメ。


  

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  • 内田百
2010年11月16日 (火)
百鬼園随筆  内田百

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