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月と菓子パン  石田 千

2017.11.21 石田 千   comments 0
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新潮社
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なぜか、ピンと来ない。

好きな人は、すごい好きだと思う。
文章も、たぶん上手いのだろう。
少なくとも下手ではない。

でも。
相性なのか。
どうも私にはピンと来ないのだった。

「しろい虹」を最初に読んで。
その時の感想は絶賛と言っていいくらいで。

世界観も文章も。
その物足りないほどの静けさ、何気なさに好感を持ち。
淡々とした暮らしぶりに憧れと共感を抱き。

うーん。でも。なんか。なんか、違うんだな。

すごく気になって。
石田千が「あわない」という人を探した。

「いい」「日本語がきれい」「クセになる」「大好き」
「ほっこりする」「心地よい文章」・・・ほめてる読者ばかり。

それでも諦めずに探すと、「相性が悪い」という人がチラホラと。
なかでも、秀逸だったのが、この表現。
「米粉のパンのよう」

あ。それだ! このピンと来ない感じは。
世の中にはなんて言葉のセンスがある人がいるんだろう!

私は。米粉のパンがまずいとは思わない。
工夫に工夫を重ねて作られていて、実際おいしい。
でも。私は、小麦粉のパンが食べたいの!
 
「納豆トースト」に例えてもいいかな。
「納豆」も好き、「トースト」も好き。
「納豆トースト」もまぁ。それなりに食べられる。
でも。あえて食べたいとは思わない。

だけど。苺大福は好きで。
新しい組み合わせが全てダメってわけじゃない。

だから・・・単純に好みの問題。
私には彼女の文章のスタイルが合わない。
対象への目線も、何だか居心地が悪い。
ううん。退屈。読むのに苦労する。

ひらがなの多さも、私はやはり苦手なのだろう。
生理的なものなので、そこが良さと言われても困る。

「薄さ」「淡さ」「弱さ」

ああ、そうだ。
書く「内容」よりも遥かに「文体」に力を注いでいる。
そういう文章が私はどうしても好きになれない。

心地よく、美しいリズムを刻んでいても。
心に響いてくる「熱」がない。

でも。それが値打ちという価値観も当然ある。

それに。彼女の描くものが胸を打つという人もいる。
仕方ない。仕方ない。良いとか悪いとかの問題でもない。

なぜだろう、と考え続けてしまうけれど。
「なぜだか、ピンと来ない」これに尽きる。

(2017.6.12)
私の苦手な文章というのは。
かなり傾向がはっきりしているようだ。
「きれいな日本語」と言われる文章に妙に違和感を持つ。
ひらがなが多く、句読点が多用(特に読点)されている。
もしくは句読点が意識的に排除されている。
そういう、「作った」跡が見える文章に拒絶反応を起こす。
もっとも石田千は、ぼんやりと悪くはないなと思える。
たぶん。この先長いとはいえない人生の長さを考えると。
苦手があることも自分の持ち味と開き直った方がいいだろう。


役たたず、   石田 千

2014.05.26 石田 千   comments 0
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光文社新書
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感想を書くのを忘れて長期間放置していました・・・。
もう思い出せないので、読後のツイッターでのつぶやきを転載。

片づけが一段落して、石田千「役たたず、」を読んだ。あれ?あれれ?だいぶ以前に「しろい虹」を読んだだけではあるのだけれど、自分の中に漠然とあった著者像とズレている。びっくりするくらいに共感できない。いや、最終的に「なるほど」と腑には落ちるのだが。心地よく心に納まる感じではない。

面白いのだし、言葉選びが上手だし。でも何だろう著者の感覚に違和感というのではなくて・・・ちょっと自分の守備範囲から外れていた。そして気づく。私は常に自分の好きなものを選び取っているのだな、と。自覚している以上に偏っているのだな、と。いい加減なつもりで「きちんと」志向なのだな、と。

簡単に言えば「浮世離れしている」のだけれど。その傾向が・・・うーん。うーん。要するに私には到底かなわないということで。かと言って憧れを抱くという感じでもなくて。「あ、いいな。こういう人もいるといいな」と思う瞬間と、「え、ダメじゃん!」と思ってしまう瞬間と。やはり親しみを感じない。

身辺雑記的なエッセイにすべからく共感しなくてもいいのだし、出来る方がおかしいのだし。だけど何か読んでいるうちに勝手に親しみをおぼえるような、目出たい人間なはずなのだ、私は。だけど、どうにもモゾモゾ・イガイガした。この場合、同類嫌悪というのが考えられるけど、そうでもない気がする。

自分では、ぼんやり・ぼけーっと人間なつもりでいたけれど。悪い意味でそうではないことに気づかされたというか。別に頑張らないところで頑張っちゃってる人間なのだなという気がすごくした。それにしても、本は付箋で膨れ上がった。まだらに、やはり共感はしている。馴染めないのはトーンなのか。

あけっぴろげなようでいて、でも。作為を感じる。ところどころ好きだけど、やはり全体的には何か好きになれないところがある。「しろい虹」はとても良いと思ったから。また次は小説を読んでみよう。たぶん、小説のイメージで読んだから違和感があっただけかもしれない。


(2013.12.29)
あの・・・すみません。「しろい虹」もエッセイなんですよね。
エッセイ風小説だとばかり思い込んでおりました。
だとすると、あのやわらかな雰囲気は何処へ行っちゃったの?
「しろい虹」の時より、苦い感じです。まぁ仕方ないかなぁ。
私自身を振り返っても、歳を重ねるってそういうことかもしれない。

しろい虹  石田 千

2010.05.28 石田 千   comments 0
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淡々と、ゆっくり流れる時間。
こういう、暮らし方、理想かも。
優しく、静かな語り口。
しかし、時折、きらりと鋭く光る切り口が見える。

・・・心地よい淋しさに酔いながら、うっとりと読む。

何事も起きない日常を描く作家は、近年、とみに増えたと思う。
恋もなきゃ、事件もなきゃ、大仕事もない、天変地異もない。

いちおうは仕事して、ちょっとは友達づきあいもあって、
親兄弟とのささやかなしがらみくらいはあって。

難しくない、でも美味しそうな料理を作り、お酒を飲む。
散歩やら、小さな旅をし、お買い物に行く。
本を読んだり、音楽を聴く。

・・・ってさ。
まさに、私の日々の暮らしじゃないか!
そう感じる読者が、きっと案外たくさんいるんだろうな。
それにしても、この平坦さは、拍手したいくらい。

何気なく、力の抜けた、さらりとした文章。
一見、誰でも書けそうなんだけど、
確かに、これは著者のスタイルとして確立してる。
ありそうで、ない感じの、穏やかな新鮮さ。

読み終わったら、すっと、消えてしまう。
少し、弱いな、と正直思ったりはする。
しかし、読んでいる間に過ごすひとときが、
自分への小さな贈り物のような、そんな、本。

(2010.5.22)

  

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Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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2017年11月21日 (火)
月と菓子パン  石田 千
2014年05月26日 (月)
役たたず、   石田 千
2010年05月28日 (金)
しろい虹  石田 千

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