偏愛文学館 倉橋由美子
![]() | 講談社文庫 Amazon |
これは、すてき。
「偏愛」とは上手く言ったもので、この偏ったチョイス、
そして愛情たっぷりの批評は、読んでいて楽しかった。
私、けっこう読んでるな。38作紹介されたうちの20作。
なかには大好きなものも、そうでないものも。
大好きなものは、イーヴリン・ウォーや川端康成、福山武彦、
ゴダードにトーマス・マン、ラヴゼイ、オースティン、サキ。
読んでみたいと思うものもある。
というか、全て読みたい気持ちにさせられる・・・けれど、
私がキライ、もしくは苦手なものが半数くらいだろうと
推測する・・・。
どうも苦手なタイプの小説の気配がプンプンするのだ。
それでも、倉橋さんのズバズバした語り口は大変に魅力的。
私も、こういう本、作りたいなぁ。
タイトルも「偏愛文学館」以外、考えつかない。
架空で、作ってみたら面白そう。
「山の音」と「ブライツヘッドふたたび」は私も選ぶかも。
この本自体も、欲しいな。
(2007.12.24)
アルゴールの城にて、コスモポリタンズ、シルトの岸辺、
ピンフォールドの試練、真夏の死。・・・読書ノートの余白にメモされている
この単語たちは、この本からピックアップした、読みたい本、なのだろうか?
なんだか、詩のように、きれいなタイトルが並んでる。