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白夜行  東野圭吾

4087474399
集英社文庫
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ええっと。ずっと読みたいなぁと思った本なんです。
知り合い何人かにも勧められました(だいぶ前)

ただ、図書館で予約して借りてみたら。
潔癖症ではない私でも触れないほど汚い本が来て。
うーん。我慢して読もうとしたけど無理でした。

買って読みたい・・・ほどでもなく。
まぁでも古本で見つけたら買おうと思い。
そうこうして数年があっという間に過ぎてました。

めでたく(?)状態のいい古本を見つけて。
やっとこさ読むことが出来ました。いや感慨深い。

さてと。長い前置きになりましたが、ここから感想。

難しいですよねぇ・・・まず主人公に共感しません。
いや、しなくてもいいように書かれていると思います。
主人公の内面を描写しないという手法は面白いです。

結局、描かれていない主人公たちの心情を
どう理解するかっていうことなんでしょうね。

どんな過去があったとしても。
その後の生き方の言い訳にはしたくないので。
私はうーん。雪穂はやはり好きではないな。

好き嫌いを超えて凄みのある女性と感じられるなら
違う方向で肯定できてしまいそうだけど・・・
それも少し違うような気がするんです。
いや、そうすることを著者が拒んでしまったというのか。

私、ドラマも映画も見てないんですけど。
小説で描かれていない心理描写はどう補ったんでしょう。
下手すると雪穂と亮司の純愛みたいになるんでしょうか。

この二人は結局、出会わなかった方が幸せだった気がします。
心の支えであるというより、最悪な形の相互依存だと思う。
共に持っていた因子と境遇とが悪に向かって増幅し、
どんどん加速していくような、巡り合わせだったんじゃないかと。

自らは日陰しか歩めないと決めたことで。
その覚悟によって選んだ、確信犯的な悪の道だと感じます。
「このようにしか生きられなかった」という部分に共感しない。
やはりこれは当人たちが選んだ道なのだと私は思います。

幼い時に二人とも、お互い以外の人間を全く信用しなくなった。
その根深すぎる人間不信を覆してくれる人に出会えなかった。
というよりも、たぶん出会っても気づくことが出来なかった。

他人を決して信じない人間のみが持てる行動力が怖いな。
暴走していく連続犯罪の裏には、どれほど強い劣等感を抱えていても、
それゆえにこそ強固な、揺るがない自己肯定があるだろうと思う。

そういうものを人間が持てることが、やはり私は恐ろしいのです。
歪んでいるからこそ、強くまっすぐな背骨が育つということが。

(2013.8.2)
すみません。わけのわかんない変な感想で。
互いに支え合うことなく、折れてしまったほうが、
この二人はその後、幸せになるチャンスがあった気がして。
弱い方が助けられる・・・そういう面が人生にはあるな、と。
けれど、その強さが雪穂の魅力でもあったのでしょう。

悪意  東野圭吾

4062730170
講談社文庫
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あれ、あっさり犯人、割れたぞい。まだまだ、頁残ってるけど?
うん、するするっと、さらさらっと話が進むけど・・・。
妙だ。ひっかかる。あれやら、これやら、不自然な。

その「不自然」の実態が徐々に明らかになる。
二転三転しながら、「事実」がじわじわと見えてくる。

ああ、「悪意」。そうでしたか。そうですね。
こういうドス黒いもの、あるかもしれません、私にも。

憎しみって、油断するとニョキニョキ育ちます。
ほんの些細なことが養分になるから・・・怖いほどにスクスクと。
愛情や善意も、このくらいに力強く伸び伸び育つといいのにね。

「悪意」は、芽が小さいうちに摘んでしまうべきなのですが。
摘んでも摘んでも、毎朝、新しく芽が出てくる、なんてことも。
そんな畑を眺めながら、自らの心の闇に対峙する・・・あの絶望。

たまたま、今は遠ざかっているけれど。

抜け出したくても、抜け出せなかった時のことを思い出し。
この先もう出会わぬもの、生まれぬものとも言いきれぬと、
そう感じて、心底ぞっとさせられた。

一番、恐ろしいことは。
自分の胸の中に、制御できぬ魔物を飼うこと。
そいつをいつしか愛で育て、ついには自らが喰い殺されること。

この先、そんなことが、起こらないとは言えない。

(2011.6.19)
桐野夏生さんの解説。お見事です。ちょっと引用。

本書『悪意』を読んで、人間とは記録する生き物なのだ、と改めて妙な感慨に耽った。
出来事や感情、思惟、時間の流れ。それらを留め、残そうと人は「記録」する。フィクションもまた「記録」のひとつに違いないのだとしたら、本書は「記録」そのものを主題にしようと企んだ壮大なミステリである。

桐野女史は「悪意」を川と表現する。目に見えぬ深みに流れる黒い川、と。
私が例える「畑」よりも、「川」の方が一般的なイメージだろうか?

ただ、私にとって悪意は流れないものなので。
じーっと一つところに留まって根を生やす、しぶといものなので。
ふふ、そういうイメージの抱き方にも個性だか性格が出るのかも。

淡々として、あっさりと。肝腎なところは克明に描かれていないけど。
だからこそ、その裏に渦巻いているものに静かな恐怖が湧く。

ひらりひらりと身をかわされる、その掴みがたさに魅了される、
多層構造を持つ、読みやすいのに複雑なミステリー。堪能しました。


十字屋敷のピエロ  東野圭吾

4061850458
講談社文庫
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ああ。素直に騙されてしまいました。
お屋敷の中で殺人事件が起こり、内部に犯人がいる~。
という王道なミステリ。

こういうの、やっぱり好きですね。
とか言いつつ、ピエロの人形の視点があったりして。
新しさもありつつ。違和感もなく。

血族の間の複雑な事情とか、お約束ではありますが。
登場人物も、いい具合にクセがあります。

(2011.2.5)
私、東野圭吾氏の小説は殆ど読んでません。
著作が大量過ぎて、ナニから読んでいいかわからず。
オススメされる本を図書館で借りたら、ことごとくボロボロな本で。
あまりにも汚くて潔癖症ではない私も、読めなかった・・・

でも、何度も読みたい名作以外、定価では絶対に買わない主義なので。
古本屋で100円だったら買おうと探しても、人気作家のものは無く・・・。
なので、東野圭吾は読めない(笑)。今回、珍しく古本で見つけたので。
ほんとは「白夜」とか読みたいんですけど・・・
(以前、予約したら触るだけで病気になりそうなくらい汚い本が来た)

過去、自分の家で取ってる新聞に、「手紙」が連載されてたんだけど、
私、連載で読むことが性格的に不可能。連載で読むとキライになっちゃう。
その時、無理して読んだため、東野さん苦手になってしまったと思う。

「連載を読むと何故、キライになるか?」は掘り下げると深い・・・気が。
なにせ、連載中大キライだった本を、単行本で読んだら大好きだった、
ということすらある・・・なんで!?


名探偵の掟  東野圭吾

4062074001

講談社
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ミステリにおける、あまりにもあり得なさそうな舞台、トリック、
ワンパターン、をおちょくっている。

全くねぇ。密室ってバカみたいだし。
何でそうご都合主義なの?というポイントをバッサバサ切ってくれる。
笑える・・・ミステリファンの端くれとして思い当たるフシがあり過ぎて。

本格ミステリ界では「お約束」として黙認されているヘンなコト、は
数えだせばこんなにあるものなんだ・・・。
ついそれとなく見逃しているけれど、常に違和感を覚えていたのだと思う。

痛快!

(1999.11.30)
発表当時、かなり話題になったと記憶しています。
このミス(このミステリーがすごい)でも上位だったはず。
これ、本格推理小説ファンにしか、面白さがわからない本だよね。
連作短編となっており、コメディ仕立ての12編。
普通の推理小説を期待した人は怒ると思う・・・。
私は、笑いっぱなしでしたけど。
「名探偵の呪縛」という続編が出てますが、読んでません。
賛否両論ぽいけど、読むか読むまいか悩むなぁ。



  

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  • 東野圭吾
2013年11月03日 (日)
白夜行  東野圭吾
2011年06月20日 (月)
悪意  東野圭吾
2010年07月02日 (金)
名探偵の掟  東野圭吾

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