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午後の恐竜    星 新一

2014.07.05 星 新一   comments 0
4101098115
新潮文庫
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星新一は中学生の時によく読んだけれど。
今の方が凄みを感じる。余韻が濃い。

若い頃は星新一の良さをわかっていなかった。
不遜なことに、軽い読み物だと思っていた。

大人になってから読みなおして、本当に良かった。

(2014.3.15)

祖父・小金井良精の記(下)  星 新一

2011.03.27 星 新一   comments 0
4309407153
河出文庫
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著者が小学二年生の時の日記が引用されてて、私、これが気に入りました。
いやぁ~、おぼっちゃまだわぁ~という言葉遣いがツボ。
敬語をちゃんと使いこなしてるんですよねぇ・・・素晴らしい。

「小さな迷い猫が、にゃごにゃご泣いて、そこらを歩きます。」
うーん、小学二年生にして、猫の鳴き声を「にゃごにゃご」と表現。
後のショートショートの名手、星新一の萌芽がすでに感じられる。

全体に、めちゃくちゃ簡潔な日記なんですけど。センスがあるんです。

小金井氏は、地味に魅力ある人物ですが、どうも私は森家の面々が、
気になって気になって・・・なんでもない小話が興味深くて。

あと、脇役ながら強い存在感を放つ、星氏の父。どういう人か知りたい。
そうそう、著者は父についても本をお書きでしたよね。
「人民は弱し 官吏は強し」という傑作の呼び声高いノンフィクション。

よし、今度、それ、読もう。

(2011.3.11)
小金井氏は、面白味には欠けるきらいのある人物ですが、
こういう生き方は、つくづく羨ましいな、と思います。
死ぬ直前まで、大学へ通い(名誉教授として)、
好きな研究を一心に続けた。その仕事ぶりの謹厳なこと!
一方、孫の著者のことは、とても可愛がっていたのですね。
それが窺えるエピソードの数々が微笑ましいです。
星新一が誰よりも祖父が好き、と言ったのもむべなるかな。


祖父・小金井良精の記(上)  星 新一

2011.03.26 星 新一   comments 2
4309407145
河出文庫
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祖父から老醜という印象を受けたことがない。年齢に不相応な欲望がどこかに残っていると、それが老醜となる。祖父にはそれがなかった。歳月の流れとともに、精神的にも肉体的にも、調和のとれた老いかたをしていた。

星新一が、祖父「小金井良精」を評した一節。
本書の最初の方に出てくるこの文章が、とても印象深くて。
私は、「どういう生き方をしたらそういう老い方ができるだろう?」と。
それが知りたさに、この大作を読んだような気がする・・・。

小金井良精と言う人は、越後長岡藩士として生まれ、
東大医学部の前身に入学、苦学の末、解剖学の草創期を築いた学者。
妻は、なんと森鴎外の妹であり、他にも姻戚関係には有名人がごろごろ。

つまり・・・星新一って、はっきり言って、めっちゃセレブ。
小金井良精さんに、興味がなかろうとも、周辺にキラ星のごとく、
あんな人やら、こんな人やらが登場し、退屈する間もない。
歴史上の人物が身近に見えてくるという余禄もある。

ショートショートのイメージの強い星新一氏、
祖父の伝記を書いても、その持ち味で文体がすっきりしてる。
正直、さして盛り上がりがないのに、淡々と面白いです。

(2011.3.10)
森鴎外に興味がある人は、これは必読かもしれません。
かの「エリス」もちょこっとですが登場します。

ほしのはじまり  星 新一

2011.01.29 星 新一   comments 4
4048738305
角川書店
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これ、贅沢な本ですねぇ。
新井素子が編集した、「決定版 星新一ショートショート」
ある意味、「網羅!」を目指してみました、と素子さんの言うとおり。
代表作やら、異色作をぎっしりと詰め込んである。

しかも、星さんのエッセイ(これも貴重)も収録されてて。
これが、彼の創作秘話なんかで、たいへん興味深い。

7つの章から成り立ってるんだけど、その章のタイトルが。
なんとも素敵に、新井素子チック。

♯1 スタイリッシュ
♯2 スラップスティック!?
♯3 たいへんなお仕事
♯4 神様のニガワライ
♯5 平熱の叙情
♯6 よい結末を!
♯7 終わりなき日常を生きる

新井素子と最相葉月の対談も付いてます。

それにしても。
星新一、なんで、こんなにスゴイんだろ。
昔読んだときには、良さをわかってなかったな。
今になってしみじみと、このクオリティにため息が出る。

古びないものを書く、ことに、こだわったらしたのだって。
それ、しっかりと伝わってきますね。
今でも、新しい。ほんと、ほんと。びっくり。

十代の頃の私は、もっとどっしりした小説が好きで。
星新一って、軽過ぎて、スタイリッシュ過ぎると感じてた。
その奥にあるものが、全然、見えてなかった・・・。

のっぺらぼうみたいに、没個性に描かれた登場人物の、
その普遍性・・・ちゃんと「人間」は濃密に存在している。

滑稽と笑うには痛々しいほど、ズッコケてる人間の、
悲劇というには笑うしかないほど、救いのない愚かさ・・・
なんか、妙に愛おしくもあり。情けなくもあり。

合間に、素子さんの語る、他愛もないような呟きにも癒される。
変わってないなぁ・・・この人。いや、ほんと、美味しい本だなぁ。

この本、欲しいなぁ~

(2011.1.20)
やっぱり、ボッコちゃんは、名作です。
ショートショート?うそ?長すぎるだろ~、な「殿さまの日」もいい。
これも、「すぐ読めて、満足感あり」、な本本読み人Mさまのおススメ。
「ボッコちゃん」を推薦して下さったのですが手に入らず代わりにこの本に。
本来の薄い文庫本に対し、厚い単行本で。すぐ読める、の趣旨に反しますが。
この本を読めたのは、M様のおかげです。うん大満足です。
いや、星新一、また読み返したいなぁ。まだまだ名作はあるものね!
すぐ読めるのが良い方は文庫の「ボッコちゃん」をどうぞ。


ボッコちゃん (新潮文庫)
星 新一
4101098018


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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