『カラダはすごい! 』久坂部 羊
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タイトルの軽さが勿体ないような
「モーツァルトとレクター博士の医学講座」
……と、副題にあります。
本書の内容については著者自身が、あとがきで書いています。
簡潔でわかりやすいので、引用します。
世間があまりに健康を求めるため、詐欺に近い情報や、商品が氾濫していることにも、私は疑問を感じます。だますほうも悪いですが、だまされるほうも悪いと思います。消費者が冷静な判断を下すようになれば、怪しげな売り物は淘汰されるでしょう。
医学の知識が、そのことにも役立つことを、願ってやみません。
医学の知識が、そのことにも役立つことを、願ってやみません。
本文も筆致は軽快ですが、中身は真面目。
著者の、この思いが全体に満ちています。
タイトルだけがムダに軽い。
帯に踊ってる言葉も三面記事風だ。
手に取りやすいように、という工夫のつもりなのでしょう。
私はむしろ、警戒するわ………
半ばトンデモ本と覚悟して読み始めたもの。
実は、トンデモ本も面白かったりするので。
きゃはは〜って笑いながら読めてしまうし。
それなら、それで、いいやと思って。
いやいやいや。
エンターテイメントの衣は被ってるけど。
身体の仕組みがどうなっているかがよくわかる本だ。
日頃なんとなく疑問だったことも、やさしく教えてくれる。
点滴って、やっぱりね。私、不審に思っていたのよ。
著者は、脱水症以外に使用することに異を唱えてます。
あと、ザクッと面白いと思ったところを。
動物にも血液型がある。
チンパンジー・・・A型とO型
ゴリラ・・・すべてB型
犬・・・13種類以上の型
チンパンジー・・・A型とO型
ゴリラ・・・すべてB型
犬・・・13種類以上の型
大便は毎日出す必要なし。自分のペースに合わせればよい。
毎日排便があると、むしろ肛門の耐用年数が短くなる。
毎日排便があると、むしろ肛門の耐用年数が短くなる。
同じ色を見ても他人が自分と同じ色を見ている保証はない
痛みを安易に止めることに疑問。
痛みは生存に必要な重要なサインだから。
例えば。
胃が痛い⇒食べるなという合図
腰痛・関節痛⇒動かすなという警告
(確かにね。痛みが取れたら食べるし、動くし)
痛みは生存に必要な重要なサインだから。
例えば。
胃が痛い⇒食べるなという合図
腰痛・関節痛⇒動かすなという警告
(確かにね。痛みが取れたら食べるし、動くし)
味覚が敏感なのも良し悪しで。鈍感でもいい。
味覚が敏感だと、
・食材の鮮度もわかる
・少し古いとおいしく感じられない
・化学調味料もすぐ見分けられる
↓
むしろ鈍かったり未熟な方が、
おいしく食べられるものが多くて幸せ
(ガーン。私、不幸な組に入る!)
味覚が敏感だと、
・食材の鮮度もわかる
・少し古いとおいしく感じられない
・化学調味料もすぐ見分けられる
↓
むしろ鈍かったり未熟な方が、
おいしく食べられるものが多くて幸せ
(ガーン。私、不幸な組に入る!)
これは絶対にそうというわけではなく、考え方次第?
・・・と思うところもありますけれど。
「検診を毎年受けるほうが短命」というところとかね。
これは性格にもよるのではないかしら。
それで安心する人にまで受けるなとは言いづらい。
ただ私は頑固な「受けない派」で。
その理由は、まさに著者の考えと一致します。
検診は「病気でないものも病気とする」ことがある。
「早期発見」の利を私は信じていません。
治療で苦しむ時間が増えるだけだという考え方。
著者がそう言ってるわけではないですが。
病気に気付くなら、手遅れになってからの方がいい。
そしたら、それまでは普通に生きていられるのだもの。
あとは。病気でもないのに。
検査入院でむしろ病気みたいになってしまった、という。
そういう例をたくさん知っているので。
「病気探し」をすると「病気になる」って思っています。
ま。実際に病気になったらなったで。
病院の方が病気を見つけてくれなかったりもするのです。
……とか言うと、ただの医者不信だなぁ。
興味半分で読んでも十分に面白く。
かつ参考になること、考えさせれることが多い本だと思います。
(2018.4.4)
私も家族も病弱なんですけれど。
体の異変に正直で、無理に頑張らない。
なので。実は一周回って健康なのかもしれません。