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ある男  木内 昇

Posted by 彩月氷香 on 27.2013 木内 昇   0 comments   0 trackback
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文藝春秋
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しまった。明治時代? 苦手だ。
そもそも時代小説が苦手だけれど、明治時代って特に・・・

しかし、思えばいたくお気に召した『漂砂のうたう』も明治の話。
ま、先入観に捉われず、読みましょう!!

・・・と気合いを入れ直したものの。

一行ごとに発症する「明治アレルギー」。ああ辛い。
なんだか妙にイライラするぅ〜っ!

木内昇の作風自体、合わない人にはイラっとくるだろうな。
私は妙に、この人の人物や情景の描き方が気に入っていて。
ええ、それはね、本作を読んでてもいいなーと思う訳なんです。

しかしだね・・・ううぅーん。違う時代じゃ、いけません?

だけど。明治時代が苦手と言うのもよく考えるとおかしな話で。
三島由紀夫は明治時代をよく描いておりませんでしたっけ?
(若干文豪アレルギーがあるんですが、三島由紀夫は好きです)

あ。わかった政治的局面がイヤなんですね。たぶん。
男性目線の明治時代がちょっと苦手なんじゃないかと思う。

三島由紀夫は女性寄りの目線じゃないですか。
そう言うと、かなり雑なくくりになっちゃいますけど・・・
いや、違うな。やめよう、この話は。自分が把握できてない。

そういえば『漂砂のうたう』を読んだとき。
主人公のダメ男っぷりをえらく礼賛していた記憶があります。

やはり、本作もダメ男の描き方は抜群に上手い。
しかも短編集なので、ダメ男大全みたいな感じになっている。

作品としては、大したものだなぁと思うのです。うん。
ですが、どう頑張っても読んでいて楽しくなかった・・・

(2013.8.1)
著者は男性だとばかり思い込んでおり・・・じょ、女性!?
びっくりです・・・。まぁこの嫌らしさは女っぽいか。
こういう男性がいたら素敵だったのになぁ、残念です(え?)
蛇っぽい男性と思ってたのに、蛇っぽい女性だったのか・・・
でも一周して、こういう女性って格好いいなとも思います。


漂砂のうたう  木内 昇

Posted by 彩月氷香 on 15.2011 木内 昇   2 comments   0 trackback
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集英社
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なぜ、この本、借りてきたのだろうと読み始めて最初に思った。
・・・最近、こういうパターンが多い気がする。

時代小説なわけですよ(私の苦手ジャンルです)。
明治になったばかりの遊郭が舞台。
ますます、そういう自分の苦手そうな話をチョイスした理由が謎。

そんな疑問も、すぐ、吹き飛びました。

気がつくと、私は遊郭の客引きを生業とする主人公に、
あっという間に、すっかり、なり切っておりました。

これがまた。ダメダメ男の典型的なタイプ。
なぜに私は駄目な女より、駄目な男に感情移入するのだろう?

堕落していく女より、堕落している男の気持ちが理解できる。
極言すると、堕ちて行く女の気持ちは、わからない。

道を外れて行く人間は、ヤケだったり捨てバチだったりしますが。
女の方が、他者に心身ともに依存する傾向が強いと思う。
いや、そうでない女もいますが、そうでない女なら堕落はしない。

男の方は、そこに「理屈」がある。
他者には依存しない。

むしろどちらかというと、依存される側だったりする。
そして、そういう相手のことは適当にあしらう。

根っから冷たい人間というのでもないが。
自分で自分を冷酷な人間と理解しており。
しかし性質の悪いことに、表面に見えるのは人好きのする優しさ。

自虐もあるけど、自らを高く買っている面も持ち合わせている。
よって、環境や運の悪さを嘆く傾向が強い。
それが原因で、自らが落ちぶれているのでないことは承知のうえで。

自己愛は強い。極めて強い。だからこそ、自分を粗末にする。

あ~。ヤダねぇ。

さて、そんな男が出会った一人の女。
これが、親に売られて遊女の身に堕ちた花魁ながら。
気高くも見えるほどの、美しさと品と賢さを持つ女。

二人は恋に落ち・・・ません。
 
ここんとこが、いいな。男は憧れでもなく、むしろ嫉妬を抱くのだ。
その思いを、男ではなく、とある醜い遊女が代弁する。

「わちきはね、自分が苦界に沈んだことより、地獄の一丁目でしゃんと生きている奴に出会っちまったことのほうが辛い」

わかる・・・。残念ながら。まぁ人間とは浅ましきものかな。
しかし、ご心配なく。とても清々しいラストですから。

夢中で読める、面白さ。世界にぐっと引き込む、確かな筆力。
達者な情景描写と心理描写が、足元のしっかりした幻想を生み出す。

美しい、夢を見ました。

(2011.7.10)
  

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Author:彩月氷香

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  • 木内 昇
2013年09月27日 (金)
ある男  木内 昇
2011年07月15日 (金)
漂砂のうたう  木内 昇

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