灰 夜 大沢在昌
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最新刊の「絆回廊」が良かったので。
シリーズを遡って、読み落としていた作品を読んでみた。
やっぱ、いいわぁ・・・鮫島さん。
まぁ何か語るのも野暮ってもんです。
作品世界の凄さ、カッコ良さは説明し難い。
警察の世界の、どうにもならない歯がみしたくなる「しがらみ」のなかで、
「国家機密」を抱えた爆弾のような存在として、孤立して生きていく。
へこたれて、絶望して、挫けて当然の環境を、生き抜く強さ。
悔しさ、怒り、哀しみに身を焦がしながら・・・。
どう考えても、過酷過ぎる人生なんだけど。羨ましい。
「警察官」という身分に縛られて。道は選べないはずなのに。
彼は自分の理想を体現すべく、闘いの日々を生きている。
脇役たちにも、いつも魅了されます。
それが「悪者」であり、根源的な「弱さ」を象徴する人間の姿であっても。
(2012.1.25)
「絆回廊」ほぼ日で連載してたんですね・・・知らなかった。
それに関連して、ちょっと面白い記事を見つけました。
「新宿鮫」が好き過ぎる俳優の勝村正信さんのインタビュー。
こちら

本作のなかで私がかっこいいと思った科白を引用してみます。
もちろん、しゃぶを売って兵器の部品にかえた奴らや、それにたかってカスリをとろうとした警官にも腹が立つ。だが何よりも腹が立つのは、今この瞬間、誰を本当に信用できるか、誰が一番、法の執行に対して正直なのか、それがわからない現状に対してだ。あなたがいったように、警察が一番安全だ、そう信じられない状況に対して、何よりも怒りを感じる。
鮫島は、いつもアイリッシュウイスキー「ジェイムスン」を飲むのですが。
ジョンジェイムソンっていうのしか検索しても見つからず・・・
これって、同じもの?ウイスキーに詳しい方いらしたら教えてください!