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新文章讀本  川端康成

4813321267
たちばな出版
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佇まいの美しさ。

数ある文章読本の中で、決して名高いとは言えない。
それも、そうかなぁと読んでみると思う。
つまり、地味なのだ。

文章読本というより、文芸評論として読んだ方がいいかも。
見識の高い、そして作家に対しての愛情の深い評論。

私はそういう目で見て、本書が好きだと思いました。

「よく読んでいる人」だ、と感心します。
やはり、その目はとても鋭い。

文章を知る、というよりも。
川端康成を知る、助けになる本だと感じます。

それは、川端康成に限らず、
三島由紀夫でも、谷崎潤一郎でも同じでしょう。

文章の書き方が書かれているわけではない。
彼らがどういう文章が理想と思うかが書かれている。

そして、文章について語る言葉に彼らの美学や、
才能や、性格や、得意不得意が見える。

まぁ・・・みな、天才ですけれども。

本書には川端康成という人の「勉強家」な一面が見えて。
でありながら、詩情が漂ってもいる。

川端康成という人は。
何といっても。私には「佇まいの美しい人」と見えます。
本作を読んで、その思いが強まりました。

(2016.9.8)
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名人   川端康成

4101001197
新潮文庫
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囲碁、若い頃に興味を持って、少しだけ勉強しました。もうすっかり忘れちゃいましたけれども・・・

大丈夫。囲碁に興味がなくても、囲碁のルールがわからなくても、胸が震える本です。川端康成の端正な文章で、淡々と描かれる棋士の姿が静かに凄まじい。

あまり読んではいないけれど。川端康成の文章は私はやはり、とても好き。独特の静けさがある。文章から静けさを感じ取ることは珍しいことというわけではないのだけれど。川端康成の静けさは何か特別なものです。

静けさは茫々と広がってはおらず、清新な、すぱっと美しい断面を見せているような、どこか鋭いとも言える静けさなのです。けれども痛いような刺さるような静けさというのでもなく、あたりの柔らかな、清涼感がある。

「山の音」が特にその静かさを湛えている作品で大好きなのですが。この作品も題材の故か、私の好きな静けさを味わえます。

(2016.5.23)
不思議と「雪国」や「伊豆の踊り子」など、女性を描いた作品にはあまり惹かれないのですよね・・・。いえ。もしかすると。あまりに幼い頃(小学生)に読んだのでわからなかったのかもしれない。じっくりとまた読み返していきたいです。

掌の小説  川端康成

4101001057
新潮文庫
Amazon

毎日、ちびりちびりと読みました。

昔から何でも一気に読みきる性分な私も。
この本は、少しずつ齧るように味わいたくて・・・

どこへ辿りつくでもない、儚くも、くっきりとした夢の足跡。
怖さも哀しさも苦さも醜さも、不思議と透きとおっている。

静かに眠るように氷った、小さな街を掌に載せて眺めるような。
しかし、耳を近付けると、魂を凍らせるような嵐の音がする。
目を凝らすと、背後の森の闇に吸い込まれそうになる。

時々、可愛い小鳥が飛んで、ふっと気持ちが和みます。

光さえ細く銀の糸のように煌めく、凝縮された蒼い世界。
精緻に紡がれた言葉が、あまりにも贅沢で溜息が零れます。

(2012.1.30)
短い小説が百篇以上、収められています。
川端康成の才能に圧倒されるような、言葉の芸術の宝庫。
あくまでも繊細で緻密で、しかし生々しい、描写。
体温や吐息を濃厚に伝えながら、決して濁らない世界観。

私は川端康成の、あまりいい読者ではなくて。
好きな作品と言ったら「山の音」一作きりなのです。
(あの作品は、ほんとうに素晴らしいと思います)
しかし。改めて他の作品も読みなおしてみたくなりますね・・・

川端康成という、崇高なまでに美を追求した文学者に、
新たに出会い直したい気持ちを呼び起こしてくれた一冊。


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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