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誠実な詐欺師   トーベ・ヤンソン

Posted by 彩月氷香 on 26.2014 トーベ・ヤンソン   0 comments   0 trackback
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筑摩書房
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トーベ・ヤンソン「誠実な詐欺師」読了。読み終えてまず思ったのは「タイトルが秀逸過ぎ」。そして内容は、正直・・・し、しんど・・・と呻きたくなるような。主人公の二人の女性の気質が。どちらも強烈な自我の持ち主で。少しずつ、どちらの気持ちもわかるけれど、わかりたくもないような。

そして、ふと思うのだけれど。「誠実」ということにあまり価値を見出さない・・・か、もしくは求めていないのか。「誠実」という言葉が頭に浮かんだことも書いたこともない気がする。うん、たぶん「誠実さ」というものを信じていないところがある。「正直」ではあれても「誠実」は無理と諦めている。

「正直」というのも、それゆえに良い結果は呼ばないこともあるもので。それ以上に「誠実」というのは、私にとっては「無意味」にすら思えてしまうものなのだろう。「誠実」というのは案外、周囲を幸せにしないもののように感じている。それは言い過ぎなのだけど。うん・・・やはり求めていない要素。

どこかには「誠実」というものは存在していて、いや存在していなくてはならなくて。でも、自分には関わりのないもののように感じる。たぶん、「誠実」と表現されるものをすごく疑うな・・・私。そういう意味で、この本、本当に面白かった。そして「何なんだろう、誠実って」という思いが強まった気も。

読後にツイッターにつぶやいた内容を転記しました。
ひとこと言えるのは、「一筋縄では行かない」ってこと。
独特の「毒」がありますね・・・しかも、かなり濃い。

なので。うっ、と息詰まる瞬間がありますが。
このしんどさが妙にクセになります。好きです。

(2014.5.16)
「トーベ・ヤンソン・コレクション」として刊行されている中の一冊。
このシリーズ、揃えたいなぁ。古本屋で見つからないかなぁ。

クララからの手紙   トーベ・ヤンソン

Posted by 彩月氷香 on 10.2012 トーベ・ヤンソン   0 comments   0 trackback
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筑摩書房
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一見、素っ気ないような言葉の中に。
閉じ込められた、幾つかの小さな物語。

曖昧なのか、明解なのかよくわからぬ輪郭。
どこか釈然としなくて、でもすっきりと喉元を過ぎる。

透明感のある、不明瞭。
不思議な感覚。空気は乾いている。

訪れたことはないのだけれど。
著者が住まう北欧の、自然の中にある精気のようなものが
作品中を漂っているように感じる。

この湿り気のなさが、妙に新鮮で心地よい。

(2012.3.25)

軽い手荷物の旅   トーベ・ヤンソン

Posted by 彩月氷香 on 12.2012 トーベ・ヤンソン   0 comments   0 trackback
4480770119
筑摩書房
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読み終わるのが勿体なくなって、しばらく中断して。
その幸せな気持ちの余韻とともに過ごした。

読んでいる時間をはみだして、心を満たしてくれた。

孤独と、疎外感。そして不安。
登場人物の誰もが、それらに悩まされながら。
克服しようというのではなく、それらと共に生きている。

諦めているのではない。目をそらしてもいない。

絡まった糸を解きほぐさぬままに、じっと見つめるように。
糸が描く模様をそのまま、景色として味わうように。

(2012.1.7)
著者は「ムーミン」で有名なフィンランドの児童文学作家。
大人のための小説も書いていて。シリーズで翻訳されています。
これは、その第一巻。まだ読めると思うと嬉しくなります。

内容についての補足。表題作を含め12篇の短編集です。
以下、特に心に残った作品の簡単な感想を。

「植物園」という作品の中で描かれる、友情が好き。
「往復書簡」にて語られる、孤独の姿が心に沁みとおる。
「夏の子ども」が幼い頃の自分に似ていて、苦笑い。
「軽い手荷物の旅」の主人公、少し私に似ているような。


  

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Author:彩月氷香

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