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赤い竪琴  津原泰水

4488469027
創元推理文庫
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ああああ。恋愛小説でしたか!
津原さんのイメージではなかった・・・。けれど職人を描いてもいて、そこのところが好きです。

恋愛小説としては。まぁこうなるよね。良いのですけれどね。単純に私が恋愛小説を読みたい気分ではなかっただけです。あと。津原さんらしさ(ある種の繊細さ)は堪能できるものの、異世界的な味付けのないのが淋しい。

再確認できたのは。やはり私、この作家さんは好きなんだなぁと。この人の目線が心地よく感じる。心理描写の繊細さと、それが女性らしさでも男性らしさでもない感じが。なぜか女性を主人公に描くことの多い男性作家を気に入る傾向があるみたい。

北村薫とかもそう。心理描写が繊細だけれど、女性特有のアクがない。そういう意味では女性を描き切れていないとか、美化しているという受け取り方もできるのかもしれないけれど。「女・女・女」っていうのが本当にどうしても苦手なのです。

結局。男性の方が優しいのかもしれない・・・と思ったりします。性別の問題ではないのでしょうけれど。同性の方が視線が厳しいですものね。かと言って優しさを通りすぎて甘い(わかってないな!)っていうのも困るのです。

女性に近い感性を持っている男性、もしくは男性に近い感性を持っている女性、が好きです。これは作家に限らず芸術家、もっと言うならば身近にいる人に対しても当てはまります。

(2016.4.)
性別に固定されていない感性を持っている人が好きなんですね。積極的に中性的、というわけでもなくて。「ザ・女」、「ザ・男」が繰り広げる世界とか感性も、もちろん面白いし、そちらの方が「業の深さ」みたいなものに圧倒されるわけですけれども。自分の生まれて来た「性」にそれほど執着やしがらみのない感覚の方が馴染むのです。
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たまさか人形堂それから  津原泰水

4163821007

文藝春秋
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前作を読んでから、そこそこ日が経ち。
設定をあまり覚えておらず・・・

たぶん、前作とあわせてセットで読む方が面白い。
もちろん、これだけで読んでも良いのですけれど。

細かな人物背景がしっかり頭に描けてる方が楽しいかな。
素敵なんです・・・とても。この人形堂の人々。

ただ、ほのぼのしているのとは違う。
日常的な、身近な、でもやはり芸の道独特のものもある、
「生きていく辛さ」がリアルでありつつ、しんみり優しい。

この風合いが、この按配が、好きです。とても。

続篇、書いて欲しいなぁ。
人形堂のみんなの今後をまだまだ見たいな。

人形の魅力と怖さも、たっぷり味わえます。
人形好きさんには特にぜひぜひ読んでもらいたい。

あ。前作「たまさか人形堂物語」からお読み下さいね。 

(2015.3.28)

たまさか人形堂物語   津原泰水

4167801442
文春文庫
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あとがきに「僕はこの作品をとても気に入っています」と。
そうだろうなぁと思える作者に愛されているのがわかる作品。

この人の作風が私、とても好きだな。
怖さと優しさが両立してて。ほんのりホラー風味のファンタジー?
変人ばかり登場するのですが。注がれる目線が温かい。

「こんな風に暮らしたい」とは貸してあげた母の感想。

人と濃密には交わってないような、でも日々出会いがあるような。
和気藹々とは全く違うんだけど、思いやりをかけあう仲間がいて。

いや・・・仲間とも意識していないのかな。
干渉し合わない、ちょっと冷たいくらいの距離感で。
うん。でも小さな日溜まりがね、心に確かにあるような。

(2013.2.10)
それにしても・・・人形って、怖くて美しい。

蘆屋家の崩壊  津原泰水

4087474259
集英社文庫
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いつもながら早とちりな私。ミステリと思い込んで読み始めた。
あら?あら?あらら〜?事件は確かに次々に発生しますが。
これは立派な怪談ではありませぬか。いや怪奇小説か?

いや、どっちでもいいけど・・・
タイトルが、もろ「アッシャー家の崩壊」のパロディじゃん。
あー何たること、即、ピンと来てしかるべきではないか!

「伯爵」の愛称を持つ小説家と、三十路を超えても定職のない男。
部類の豆腐好きというので意気投合して、しばしば揃って旅に出る。
(正確に言えば、伯爵の取材旅行に運転手として同行)

これが毎度毎度、珍道中な上に怪奇現象に襲われる。
飄々とした凸凹コンビの言動に笑わされつつも、しっかり怖い。
「ぎゃー出た〜!」系ではなく。ぞわぞわ〜っとした恐怖。

やだ〜っ。も〜ぉ。素敵過ぎる。

食べ物の描写が卓越していることも、本書の魅力のひとつ。
大半は地方の珍味の話(主に豆腐)なのですが。
銀座について語る箇所がありまして・・・ここ、最高!

私の好きな煉瓦亭とナイルレストランが登場するのですよね。
もう一つの「天國」という天ぷら屋さんは未訪問・・・行かねば!
読んでいると味も蘇るけど、何より銀座を歩いてる気分になる。

とにかく語り口が洗練されていて。
かといって、切り詰めたような、そぎ落としたような息苦しさがない。
小気味好いテンポで読み心地も良く・・・何だろ、上等の葡萄みたい?

一粒一粒は地味だけど粒が揃っていて、つややかで。
房の姿に視線を移すと、また違う風情で目を楽しませる。
近くで見るとさりげなく、一歩ひいて全体を見ると、どっしりと。

褒め過ぎかもしれませんが・・・

(2012.6.21)
いいです。これは。ほんとに。うん。思わず鼻歌が(歌わんでいい)。
全部で七編からなる短編集ですが、私のお気に入りは「埋葬虫」。
本書の中でも、ひときわ幻想的で気味の悪い話です・・・
もっと読みたいなぁと思ったら続編があるようで。しかし絶版!
と嘆き悲しんでいたら、翌日には「近日発売」に化けていた。
すわ怪事件!・・・ではなくて、目出たく再版ということらしい。
しかしタイミングが良過ぎて、ちょっとびっくりしました。



  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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