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濁った激流にかかる橋  伊井直行

4062102595
講談社
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大きな川に分断された町。
たった一つの橋が繋ぐ左岸と右岸。
そこで生きる人々に容赦なく襲いかかる運命。

いじましくも逞しく、哀しく可笑しい生の営み。

キテレツな話なのにリアリティがあり、とにかく読ませる。
出勤の為、登場人物が橋を渡る場面から始まりますが。これが凄い。
命をかけて通行しなきゃならないような、殺人的な混乱状態。

いや。でも、これ、わかるなぁ。
私も自転車漕いでると人相変わるくらい、必死です。
人と車と自転車の合間を縫って走りつつ、信号のタイミングを逃さない。

そして。隔てる川、というわかりやすい境界線はなくても。
住む地域で分けられている階級というものも、明らかに存在している。

文章による戯画、という印象ですが。
街に暮らすこと、行政のアホさ、人間の哀しいほどの滑稽さが
生き生きと、テンポ良く、多角的に描かれています。

(2012.3.17)

ポケットの中のレワニワ  伊井直行

4062154153
講談社
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上下本。案外、すんなり読めた。
主人公に魅力が足りない気がするし、ヒロイン?に共感もしないし。
コヒビトが案外、すっごくいいキャラなんじゃないのか。
彼は、にゃんにゃん喋るひきこもりのオタクなんだけど。

いい感じの脱力感が持ち味な作家、と遠い昔に何作か読んだ私は
井伊直行のことを記憶していて、今回、思ったより普通じゃん、と思った。

ていうか、これ青春もの? 純愛もの? 
ファンタジー色とはいかずとも、もちょっと異世界観が漂ってると期待していた。

声高でない、現代風刺、的なとこも、ちょっとあるよね。
不条理、の中でボチボチと生きている、
どちらかというと日本社会の底辺に生息している登場人物たち。

でも、レワニワの設定はなかなかいい。
                                                   (2010.1.6)
  

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Author:彩月氷香

とにかく本が好き
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時々、写真や雑記も。

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