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私の大事な場所  ドナルド・キーン

Posted by 彩月氷香 on 20.2016 ドナルド・キーン   0 comments   0 trackback
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中央公論新社
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キーンさんの、ゆったりした人柄のままのエッセイ。率直だけれど、優しい言葉たちに、何と言うこともなく、ほっとします。

おっしゃることが全て正しいとか、感銘をうけるとか、共感するとか。そういうことはないのです。キーンさんの人柄ゆえの愛嬌のようなものが文章にもあって、それを私は味わっています。

日本人より日本人をわかっている人とよく言われますが、それは違うでしょう。キーンさんは日本人ではないからわかることがあるのです。このような人が日本の文芸、文化、そして国そのものを愛してくださったことを嬉しく思います。

(2016.5.20)
三島由紀夫と親しかったことも有名ですが、私はその三島由紀夫とのエピソードをキーン氏の著作から拾うことも楽しみの一つとしています。

日本語の美  ドナルド・ キーン

Posted by 彩月氷香 on 18.2011 ドナルド・キーン   2 comments   0 trackback
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中公文庫
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三島由紀夫や安部公房と、交流が深かった著者。
思い出話が、さりげなく華麗である。

安房公房は、
「グレン・グールドはたまたまピアノを専門にしていたが、
本物の天才であったので、何をやったとしても同じ成功を得られただろう」
とグレン・グールドを評したという。

キーン氏は、同じことを安部公房について言いたいと記している。

司馬遼太郎は、朝日新聞の編集局長に、いきなり言ったそうだ。
「明治時代の朝日もだめでしたが、夏目漱石を雇うことによっていい新聞に
なりました。いまドナルド・キーンを雇わなければ、朝日はよくなりません」
これで本当に、キーン氏は朝日新聞の社員になったのである。

まだまだあるが、エピソードに文豪たちの人柄が窺われて楽しい。
かつ、キーン氏が彼らに信頼されたのもむべなるかなと、しみじみと感じる。

洞察力が深く、好奇心に溢れ。美しいものを真っすぐに愛する。
率直で嘘も飾りもない語り口。
ユーモアと皮肉に彩られつつ、知性と純真さが常に顔をのぞかせる。

日本をこんなにも愛してくれた人が、日本の文学を翻訳し続けて。
しかも、その偉業を自ら楽しみ、慈しみ・・・。

キーンさん、あなたは。
日本人に生まれた私より、よほど日本人らしいかもしれません。
いいえ、自分のことだから私たちには見えないのかもしれない。

他者の目で見つめ続けながら、深く日本を知る努力を積み重ねて。
とうとう、この国を祖国となさり、骨を埋めると覚悟された・・・。

あなたのような人が愛して下さった国に生まれたことを、
誇らしく思えるような・・・、その豊かな愛情に感謝します。

(2011.7.10)
新聞のコラムなどでしか、氏の文章は読んだことがなく。
それでも私はキーンさんがずっと大好きでした。
いいお顔をされていて(私はいいお顔の人は無条件に信用するのです)。

「私は『日本』という女性と結婚した」と、
彼が日本に帰化する決意を語った言葉に打たれ、これはまず、
著作を読まねばと思い、本書を手にしました。

ご自身の過去を語る一章を『「逃亡」とも言える生き方』と名付けられ、
「逃亡」する生き方の先に、日本語があったと語られているのは、
非常に面白くも、興味深い。

「素晴らしい逃亡」とは、魅力的な言葉です(私も逃亡癖がある)。
逃亡生活が、素晴らしい人生になり得ることは輝かしい希望に思えますが。
逃亡も中途半端では、駄目なんだなぁ・・・きっと。


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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