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雪沼とその周辺  堀江敏幸  

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新潮文庫
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読み終えたら、雪のようにふわっと溶けて消えてしまった。
いいな・・・この儚い風情。

優しくて。物悲しくて。淋しくて。懐かしくて。

毒がなさ過ぎるから、読んでいる間しか残らない。
そう、それが良くも悪くも個性なのかもしれないな。

静かで美しいけれど。
一匙の毒が私はもしかしたら欲しいのかもしれない。
いや。あるかな。毒っていうか、さりげない棘。

ゆっくり読む方がいい本です。できる限り、ゆっくり。

(2016.5.15)
「雪沼」という架空が舞台。連作小説です。
しかし、堀江氏の小説は何かが足りない気がする。
「足りない感じ」が持ち味になってるかもしれないとも思いつつ。

なずな  堀江敏幸

4087713776
集英社
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「なずな」という名前の赤ちゃんを預かった、中年男の日常。
子育ても男目線だと、何だかとても新鮮で。
日々成長する命への愛おしさが静かに心に満ちてくる。

牧歌的な毎日とはいかず、育児やつれの激しい主人公に。
幾つもの、温かな救いの手が差し伸べられる。

赤ちゃんは天使で。周囲を幸せにするなんて幻想だと。
そう思える世の中に、こういう心温まる物語があってもいい。

赤ちゃんと暮らすことで、書く文章にまで違いが現れる。
(男は、地方新聞の記者なのである)
そのくらい、気付かされること、学ぶことがある。知らず知らずに。

たぶん、男と赤ん坊の距離が程良いのかもしれない。

感情的にならず、先入観もなく、「大切な預かり物」として。
無心に、精一杯に、見守り育てる男の誠意と愛情は、きっと。
まだ物言えぬなずなちゃんにも、伝わっているのでしょう。

彼の子育てをサポートする人々も魅力的で。
その人間模様も、心に潤いを与えてくれます。

生まれてたった三カ月で、両親と離れるという不運が
預かった者にとって、かけがえのない美しい時間の贈り物になった・・・

夢のような話かもしれないけれど。

「私は守っているのではなく、守られているのだ、この子に」
この言葉に共感できる時間を持った人もたくさん、いらっしゃるでしょう。

(2011.11.13)
現代は、子供を育てることに不安を抱く人が増えていると思います。

確かに考え出したらキリがないほど、不安材料がありますし、
不幸な事件の情報も大量に溢れていて、嫌でも耳に飛び込んできます。

そんな時、この本を読むと赤ちゃんを迎えること、育てることが、
「楽しみ」に感じられるのではないかしら・・・。
(子供を持ったことのない私が偉そう言えることでありませんが)


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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