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今夜、すべてのバーで  中島らも

4061856278
講談社文庫
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わかっていたのに。
綾瀬少年の死は完璧に予測していたのに。
泣いてしまった。涙がとまらなかった。

アル中というものが、遠くなく理解できるのは、
私も常に何らかの依存症にかかっているからなのだろう。
理性を超えて、人をクスリに、アルコールに、過食に、
走らせるものは、いったい何なのだろう。

「読む」対象を選ばない濫読を誇る私が、
何故か長年、無意識に避けてきた、中島らも。
正直、こんなに共感できてしまうとは夢にも思わなかった。

これは・・・たいした才能だ、と思う。
まず文句なしに面白い。そしてウソ臭さがない。

似たような小説は、私はだいたい大キライなのに。
上っ面の笑いの底に、偽善的な人生論が見え隠れして・・・。
でも、この本は、それらとは、違う。

自ら堕ちていく病を語って、説得力がある。
生きること、死ぬことの選択肢の中に存在しえる、病。
生死すら賭けたギリギリの縁に、在る病。

私はアル中にはならないだろう。そう言い切ってしまえるが、
それでもその病は、近しく、親しい。
・・・愛しいとさえ感じるほどに。

(2006.5.29)
私と中島らもの出会いの1冊。
この後、しばらく「らもブーム」だったことが懐かしいです。
また、読みたいな・・・。


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アマニタ・パンセリナ  中島らも

4087741745
集英社
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解説で山崎幹夫という人が最後に、こう書いている。

この本を読むと、らもさんの本を何から何まで読んでみたくなる。
この本は、まさにらもさんの不思議な世界そのものである。

そう。私も今、中島らもをどんどん読んでみたい気分。

とても負の引力が強いようでいて、捨て鉢に生きているようでいて、
常人を遥かに上回る活力を持って生きていた人。
愛すべき人だ、という感じがする。憎めない。
・・・そのハチャメチャな常識ハズレの行状にも、
あっさり共感してしまいそうになる。

一方で、ガツン、とアタマを殴られるような衝撃がある。
非合法であること、自らを傷つけることは、「罪」だろうか。
人間らしく生きる、ことのなかに、ドラッグをやって自分を
ボロボロにすることすら含まれるのだろうか。

どっちみち人生は短く不条理なものだ。
・・・小市民的な道徳の概念が、吹っ飛んでいく。

ほんとうに不思議な才能の持ち主だ。

(2006.10.12)
らもさんの実体験に基く、ドラッグがひしめく世界。
ある意味、とても危険な本。読んで怒りを感じる方もあるでしょう。
でも。私は、らもさんの優しさと真摯さと、それを包む、
他にどこにもないようなユーモアに惹かれます。
クスリでなくても、アルコールでなくても、
人間は、何かにきっと依存している。せずにはいられない。
哀しくて、でもどこかスコーンと抜けた、不思議な魅力。


何がおかしい  中島らも

4861911869
白夜書房
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らもさんの優しさが伝わってくる。

「笑い」について真剣に書かれたこの本の文章は、
読む者を笑わせてくれる一方で、少し、悲しくさせる。

(2007.6.2)
  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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