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『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』中島らも

 集英社文庫
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おぼっちゃまだったんだなぁ・・・

ひたすら、お酒が好きだった。
というよりも。永遠に思春期だった。
言ってしまえばダメなヒト、だった。

けれど。面白くて。
妙に魅力があって。
物凄く繊細で。

らもさん、好きだったんですけれど。

本当に若い頃の思い出を読むと可笑しくて。
だけど、哀しいし、なんか、しんどくて。
自分の少女期を思い返しても、それはそうなんだけど。

とてもお金持ちで。
しかもとても賢かったんだね、らもさん。

ある意味、文学の王道みたいな生い立ちじゃないか。
えー。まるで太宰治じゃないか。
私、太宰が大嫌いなのに・・・

面白く。
共感もして。
でも結構、ついていけなくて。
感性の鋭さに唸りまくって。

なのに、ちょっと。
淋しく、やりきれなく。

普通の人は。
なんとか普通に生きていく。

そうできない、そうなれない人は。
生きるのが辛いよなぁ・・・

一方でなんか羨ましくもあり。
いや。こんな風に生きたいとか憧れないけど。

こういう人がいる、ってことも大事な気がする。
うん。いてくれなきゃダメなんだ、たぶん。

そうだなぁ。でも。
ちょっと。思ってしまった。わかってしまった。
らもさんって、意外とズルい人だった・・・と。

そのズルさが、ずっと引っかかっています。
だから、「好き」ではなく「好きだった」になる。
それでも一周回って、「憎めない」かな。

階段から転げ落ちて亡くなったとは知らなかった。
まだ、52歳だったって。
自らの予言通りの死に方だったし。
似合いすぎててどうしたらいいのかという気分になる。

そうだなぁ。
うっすら感知していつつも。
らもさんって、甘っタレだったなと。
それが悪いとか幻滅したとかでもないんだけど。

らもさんの魅力でもある「やり切れなさ」が。
いっそう濃く感じられるようになったな・・・

(2019. 4.15 読了)
私は酒や薬やセックスに溺れたいとちっとも思わないので。
らもさんの生き方が無駄にしんどそうで面倒臭そうなのだけど。
でも。社会一般の「普通の生き方」が全く合わない人間でもあって。
そこのところでの共感と羨望はやはり、強くある。
「自分全開」で生きたら、どうなるんだろうな、って。
とはいえ、らもさんでも隠していたことはあったようだけど。
そこがみみっちく思え、だけどだから愛しい。
なんだかんだ言って。育ちのいい人だった。
で。育ちのいい人が好きという弱点を自覚している私は。
妙に物哀しくなってしまったのです。
私は常々、太宰嫌いを公言していますが。
嫌いっていうより、嫌いでいたいのかもしれない。

『今夜、すべてのバーで』中島らも

4061856278
講談社文庫
Amazon

わかっていたのに。
綾瀬少年の死は完璧に予測していたのに。
泣いてしまった。涙がとまらなかった。

アル中というものが、遠くなく理解できるのは、
私も常に何らかの依存症にかかっているからなのだろう。
理性を超えて、人をクスリに、アルコールに、過食に、
走らせるものは、いったい何なのだろう。

「読む」対象を選ばない濫読を誇る私が、
何故か長年、無意識に避けてきた、中島らも。
正直、こんなに共感できてしまうとは夢にも思わなかった。

これは・・・たいした才能だ、と思う。
まず文句なしに面白い。そしてウソ臭さがない。

似たような小説は、私はだいたい大キライなのに。
上っ面の笑いの底に、偽善的な人生論が見え隠れして・・・。
でも、この本は、それらとは、違う。

自ら堕ちていく病を語って、説得力がある。
生きること、死ぬことの選択肢の中に存在しえる、病。
生死すら賭けたギリギリの縁に、在る病。

私はアル中にはならないだろう。そう言い切ってしまえるが、
それでもその病は、近しく、親しい。
・・・愛しいとさえ感じるほどに。

(2006.5.29)
私と中島らもの出会いの1冊。
この後、しばらく「らもブーム」だったことが懐かしいです。
また、読みたいな・・・。


『アマニタ・パンセリナ』中島らも

4087741745
集英社
Amazon

解説で山崎幹夫という人が最後に、こう書いている。

この本を読むと、らもさんの本を何から何まで読んでみたくなる。
この本は、まさにらもさんの不思議な世界そのものである。

そう。私も今、中島らもをどんどん読んでみたい気分。

とても負の引力が強いようでいて、捨て鉢に生きているようでいて、
常人を遥かに上回る活力を持って生きていた人。
愛すべき人だ、という感じがする。憎めない。
・・・そのハチャメチャな常識ハズレの行状にも、
あっさり共感してしまいそうになる。

一方で、ガツン、とアタマを殴られるような衝撃がある。
非合法であること、自らを傷つけることは、「罪」だろうか。
人間らしく生きる、ことのなかに、ドラッグをやって自分を
ボロボロにすることすら含まれるのだろうか。

どっちみち人生は短く不条理なものだ。
・・・小市民的な道徳の概念が、吹っ飛んでいく。

ほんとうに不思議な才能の持ち主だ。

(2006.10.12)
らもさんの実体験に基く、ドラッグがひしめく世界。
ある意味、とても危険な本。読んで怒りを感じる方もあるでしょう。
でも。私は、らもさんの優しさと真摯さと、それを包む、
他にどこにもないようなユーモアに惹かれます。
クスリでなくても、アルコールでなくても、
人間は、何かにきっと依存している。せずにはいられない。
哀しくて、でもどこかスコーンと抜けた、不思議な魅力。


『何がおかしい』中島らも

4861911869
白夜書房
Amazon

らもさんの優しさが伝わってくる。

「笑い」について真剣に書かれたこの本の文章は、
読む者を笑わせてくれる一方で、少し、悲しくさせる。

(2007.6.2)
  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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*ブログタイトルの由来

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