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本を守ろうとする猫の話  夏川草介

4093864632

小学館
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本はもしかしたら“人を思う心”を教えてくれる?

えーっと。良く言えば、大人の童話。
でも正直ちょっと幼稚というか、子供っぽいというか・・・
ひとことで言うと、「残念」。うん。かなり。

意欲は伝わって来ます。
あと、本に対する愛情も。
だから、憎めないんだよなぁ。

私。以下に引用する主人公の言葉が好きです。
ここを読んだだけで、かなり満足。

「人を傷つけてはいけない。弱い者いじめはいけないし、困っている人がいれば手を貸してあげなければいけない。そんなことは当たり前じゃないかと言う人たちがいます。でも本当は当たり前じゃなくなっているんです。当たり前じゃないだけでなく、“なぜか”と問う人たちさえいるんです。なぜ人を傷つけてはいけないか、わからない人たちがたくさんいるんです。そういう人たちに説明するのは簡単じゃありません。理屈じゃないですから。でも本を読めばわかるんです。理屈で何かを語るよりずっと大切なこと、人はひとりで生きているわけじゃないってことが、簡単にわかるんです」

本の値打ちのうちの大事な側面を表しています。
もちろん、これが全てではないですけれど。

「理屈では説明できないものを語る」

そういうものが、私は本に限らず好きなのだと気付きました。
そういうものを生み出す仕事がしたいと願っています。

(2017.5.10)
本が好きな人には伝わってくるもののある物語です。
まっすぐで、ひたむき過ぎるのが恥ずかしくもありますが。
ええ・・・「うわぁぁぁ、やめて」と赤面したくなりますが。
うん。まぁ。甘いんだよなぁ。弱いんだよなぁ。青いんだよなぁ。
でも、それはそれで。いいんじゃないかとも思います。たまには。

永い言い訳  西川美和

4163902147

文藝春秋
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「踏み外したことのある人間にしか、言えないことばもあるでしょう。そういうことばにしか引き止められないところに立ってるやつも居るんです。」

真実が白日の下に晒されて、満ち足りた気持ちに浸るのは往々にして晒した当人だけである。一度ひらかれてしまえばふたたび裏には返せないのが「真実」だ。嘘つきと思われても、後で返す裏が残されているほうが、まだ未来があるのではないか。

 死は、残された物たちの人生に影をさしこませる。その死の成り立ちようが、痛ましければ痛ましいほど、人々は深く傷つき、自らを責め、生きる意欲を奪われ、その苦しみは、また別の死の呼び水にもなり得る。

映画、「ゆれる」がすごく良かったなぁって。あの作品も自身でノベライズされてるんですね・・・ちょっと気になる。後味の悪さというか、怖さというか、ああどうしようもないっていう感じが魅力なのは本作も、かな。

わーヤラれた、って思う。映像でも文章でも、この人の作風は、かなり、あざとい。そこのとこがイヤじゃない。一方でこのあざとさに拒否反応を起こす人は少なくないだろうな、と感じる。私は楽しんじゃう。

ダメ人間の哀しみがリアル過ぎて泣けてしまった。淡白な印象の鋭さというか、あっさりとしたクドさというのか。さらさらとギトギトしている。この感じ、受け付けない人には「下手」に見えるのかもしれない。上手に乗っかっちゃうと、妙な迫力に飲まれるのだけれど。

さすがというべきか、映像喚起力に優れている。あと著者が「愚かさ」に向き合うエネルギーの大きさ。「善」に逃げない強さが好き。わかりやすい言い訳ではないところも。

(2016.1.11)
日記に、この本の感想を書いているのを見つけたので一部、転記します。

西川美和「永い言い訳」。
ボロボロと泣きながら読んでいた。主人公の幸夫のロクでもなさには悔しいほど同調させられた。久しぶりに。一度も本を閉じることなく一気に読み切っていた。

何がこんなに心を鷲掴みにしたのだろう。幸夫は「書く」人間で。それ故の根本的なズルさ、を持ち続けている。私は書く人間であろう、ありたい、と。奇しくもこの本を読み始める前に考えていたのだ。

書くことがもし出来なくても、せめて自分の頭で考える人間に戻りたい。近年失った自分の思考というものを取り戻したい。私の中の、最も私である部分を。

神戸の残り香  成田一徹

4343003469

神戸新聞総合出版センター
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この本の続篇『新・神戸の残り香』を先に読んじゃっていました。優劣をつけるのも辺ですが、「新」よりこちらが好きです。なんでだろうな。

行ってみたくなるお店や場所も勿論、載っていますが。ただ眺めているので充分な感じ。神戸という街の「香り」を味わっているという気分になるのです。

残念なのは、ここは行ってみたい!と惹かれた場所に限って、閉店してしまっていること・・・。本当に「残り香」なんだなぁ、消えかかっているものたちなのだなぁと実感します。

幾つか、気になったものたち。

・永田良介商店・・・神戸の洋家具の老舗
・静香園・・・神戸市内の茶園
・日本真珠会館
・ヒラノカメラ・・・敷居の高くないクラシックカメラ店
・SAVOY ・・・オーセンティック・バー
・コウベグロサーズ・・・世界各国の食材

(2016.3.31)
本書の中で「茶房JAVA」という喫茶店を紹介した文章の中に見つけた「パリの四月」という曲をYoutubeで探して、流しながらこの記事を書きました。ちょうど今も四月で。しっくり来ます。

新・神戸の残り香  成田一徹

4343007456

神戸新聞総合出版センター
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ああ。いいなぁ。神戸。
成田さんの切り絵が素敵で。
気になる人やお店や景色やビル。

まさに「残り香」とタイトルにあるとおり。
いつか消えてしまいそうな、儚さがある。
実際にすでに無くなってしまったものも。

まだ残っているうちに訪れておきたい、
そんな場所や味の数々・・・


(2016.3.12)
行かなくて眺めているだけでも楽しい。

know  野崎まど

4150311218ハヤカワ文庫JA
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ひとことで言うと・・・「残念」。
途中までは、かなり面白かったんだけどなぁ。
実は私、こういう近未来ものとか好きなんです。

表紙から危ぶまれたんですが、作風はラノベチックです。
ていうか、これはもはやラノベ(ライトノベル)・・・?

ラノベを馬鹿してるように聞こえたら、すみません。
昔は読みましたし、中には読み応えのあるものがあるのは
十分に承知してはいるのですが・・・

何かをやめないと、何でもかんでもは読めませんので。
現在、基本的にラノベは読まないことにしています。

どんな分野にも「お約束ごと」がある気がするんですが、
私はまぁそれはあっても良いんじゃないかと思うんですね。

SFでも、時代小説でも、ミステリでも。
それがないと世界が成り立たない暗黙の了解の領域。

ライトノベルの場合。
必ずしも絶対というわけではありませんが。
記号的な存在として「少女」が登場することが多い気がします。

私はですね、この「少女」が苦手なんですよ。
これも心理学的に分析すると秘められたトラウマとか、
抑圧されたナンチャラとかがあるのかもしれませんが。

まぁ・・・そういうのは、さておいといて。
興味が持てないんです、そういう少女のキャラクターに。

なので、本書も「いかにもソレ系」な少女が出てきて、
途端に興ざめてしまいました。

こういう社会が実現するかも!?と思って読んでいた前半は、
わくわくと楽しかったので、良しとします。

(2013.9.24)
結末も、私は納得できませんでした。
この手の終わり方って、どうしても好きになれません。
  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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