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錆びる心    桐野夏生   

Posted by 彩月氷香 on 14.2010 桐野夏生   0 comments   0 trackback
4167602032
文春文庫
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表題作を含む6篇を収録した短編集。

◆「虫卵の配列」
作中の一節がこの一篇の要約になっている。
それにしても、何という精緻で魅力的な妄想だったのだろう。

◆「羊歯の庭」
自らがナイーブだと信じている人間ほど、おそろしく利己的である・・・。

◆「月下の楽園」
荒れ果てた庭に病的な執着心を抱く男・・・。
人が何を好むか、って不思議なものだ。

◆「ネオン」
ヤクザってハタ迷惑だけど、物悲しく滑稽で面白い。

◆「錆びる心」
タイトルがいい。生活について考えさせられる。
10年がかりで準備した復讐が描かれるのだが、奇しくもそれは、
自分自身を10年がかりで腐敗させる結果を生み出しているように思う。
相手よりも、自分を多く、損なうものだと・・・。
主人公の絹子の夫への復讐よりも、彼女の意地が生み出した、
完璧な主婦ぶりが私には強く印象に残った。

妄想、妄執、憎しみ、歪んだ愛・・・。
人間の心の奥底に潜むものは、怖くて、醜くて、そして、妙に魅力的。

(1999.1.17)


光源  桐野夏生

Posted by 彩月氷香 on 04.2010 桐野夏生   0 comments   0 trackback
4167602059
文春文庫
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面白かった。

シンプルで力強い印象。
どうして、と思うほど色濃くくっきり描き出される登場人物。
人間って勝手なものだなというのが一番感じたこと。
他にもっと上手く生きる道がありそうなものなのに、自らを苦しめる道を選んでいる。

与えられた立場や役割のなかで生き切ることと、自分自身の感情とは相いれない。

仕方のないことだ。当然のことだ。

妻子ある人を愛することも、妹を愛することも、自分を守るため人を傷つけることも。

ただ、その結果生じる因果は背負わねばならない。
しかし、その覚悟もなく思いに任せて行動し、後悔する者も少なくない。

一体生きるために人が求めているものは何だろう?
失っては生きていけないと思う大切な絆も、命をかけたと思う仕事も、
実際は無いなら無いなりに生きていけてしまう。

傷は深く、残りはするけれども。

(2002.6.26)

  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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  • 桐野夏生
2010年03月04日 (木)
光源  桐野夏生

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