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君のいない食卓  川本三郎

4103776056
新潮社
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食に関するエッセイ、という体をなしてはいるが。
あまり、食べ物のことは印象に残らない。

それよりも、人。
食べ物の傍らにいた人物の思い出。

旅先で出会った人や、店の主人だったりするが。
陰の主役は著者の奥様である。

これが。なんとも優しい。柔らかい。
タイトルから想像して、もっと悲哀の色が濃いと予想したけれど。

そういうのではなくて。
日だまりの温もりが、陽が陰った後も残っているような。
人が座っていた座布団に、微かに残る体温のような。

それが少しずつ、冷めて行く・・・。

食卓を。このように振り返ることができるなんて羨ましい。
私も。「食べる」行為をもっと慈しみたいと思った。

それは美食、ということではない。
味だけでなく、食事の風景をも、じんわり身に沁み透らせるように、
心でしっかりと咀嚼して食べるということなのだ。

(2012.3.17)

都市の感受性  川本三郎

筑摩書房
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川本氏の感性がスキ。

村上春樹を語る文章がステキ。
いちばん、私の好きな村上春樹像が見えてくる。

『村上春樹は一頁でもその小説を読めば
「あっ、これは村上春樹の小説だ」とわかる強い文体を持っている』

強い文体、っていうフレーズに納得。

「私はこれが大好きだ」と大きな声で言えるものを持っている人は
幸福なのだとつくづく感じさせられる本だ。

1984年の作。著者は1944年生まれ。
40歳とは思えぬ若々しい感性。

島田雅彦の「優しいサヨクのための嬉遊曲」も取り上げられていて、
懐かしかった・・・私の十代が蘇る思い出の本だ。

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)

 

 (2007.3.25)
「都市の感受性」も「優しいサヨクのための嬉遊曲 」も絶版。
古いといえば古いし、古典になりうるほどでもないし、ってことかなぁ。
どちらも読者を選ぶとは思うけど・・・淋しい。

  

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Author:彩月氷香

とにかく本が好き
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時々、写真や雑記も。

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