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スキン・コレクター  ジェフリー・ディーヴァー

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マンネリも才能だ!

シリーズ物って。
どれも結局、第一作が面白いんですよね。

あとは時々、佳作か優秀作があり。
時に駄作、残念作が混じり。

それでも、その世界観を愛するファンに支持され・・・

まぁ。マンネリって言われちゃうのも仕方ない。
期待されてる型から外れるわけにもいかないし。

頑張って作風を変えてみようもんなら、
それはそれで「らしくない!」って叩かれるんです。

シリーズを通して、毎作「さすが!」と唸らせるなんて。
所詮無理だし・・・いいのよ、別に。

好きな人は読み続けるし。
がっかりしたなら、読むのやめればいいだけの話。

でも。初作が良いとねぇ。あと中盤にも良作があるとねぇ。
もしかしたら次は! 今度こそは!・・・と期待して。
しつこくしつこく読み続けてしまうのです。

本作も。
「さすがジェフリー・ディーヴァー」と言う人と、
「なんだよ、これ、がっかり」と言う人と。

うーん。私はどっちかな?
敢えて言うなら、どっちでもないなぁ。

ええ。マンネリですよ。
だってさ・・・だってさ・・・仕方ないじゃん。
殺人犯の性格も、殺人スタイルも、工夫してるけど、
そりゃ、そこそこパターン化して来ますよ。

ヒネリ過ぎれば、あざといと言われ。
ストレートで勝負すれば、単純だと言われ。
程々にしとけば、平凡って言われるんだよ。

犯人、今回、私、わかっちゃいました。
それでも、面白かったです。

マンネリの何が悪いんだ!
したくてもマンネリできない作家も多いんだぞ!
作風が確立してるからこそ、マンネリ出来るんです。

とか言いつつ、「何かが惜しいぜ・・・」感は確かにある。

作者が試行錯誤してるなぁってひしひしと感じます。
サービス精神が旺盛な人なんだなぁ、きっと。
エンターテイメントに徹してて、その姿勢が好きです。

「ディーヴァーらしさ」っていうのが「どんでん返し」ですから。
マンネリしない「どんでん返し」って厳しいよね・・・

私としては「どんでん返し」なしでも、
もしくは「どんでん返し」をしくじってても、
それ以外の部分に漂う「ディーヴァーらしさ」を楽しんでいます。

(2016.7.24)
とにかく、登場人物に愛着あるから私はまだ読むのだ。

ゴースト・スナイパー  ジェフリー・ディーヴァー

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しかし、一人きりの退屈より、誰かといて感じる退屈のほうがよほど始末に悪いと、あるとき気がついた。

 コーヒーは熱く、苦みもほどよかった。トーストは厚切りで、バターを塗ってから焼いてある。その順番が唯一の正解だ。それにオムレツ。出来がよいなどというレベルではない。超一級品だ。

シリーズ物は水準を保つのが難しい、とよく言われます。ジェフリー・ディーヴァーも作品によって「さすが!」と言われたり、「やり過ぎ」と言われたり「物足りない」と言われたり、「あるまじき凡作」とまで言う人もいたり・・・

ファンとはなんとも残酷に高望みをするもので。逆にファンゆえキズがあろうとも許すという向きもあるわけですが。

本作は確かに地味。そして、ちょっと変化を感じますね、登場人物の描き方に。特にライムが変わりつつあるかな? 主人公周辺の人間模様が私は楽しかった。別にいつもジェットコースタームービー風でなくても良いと思う。うん、なんかほのぼの感があるのが新鮮。

毎度毎度、超異常犯罪者を描いていても不思議に殺伐としないのは、殺人者側、追う側、双方の暮らしぶりを丁寧に描いているからと思う。ストーリーの本筋に関係ないところの細々した描写が私は好き。インテリアやお料理や登場人物のコンプレックスや、悩みや・・・どれほど異常な殺人事件の最中にあろうとも、紡がれている日常生活の色合いは褪せていなくて。

私がイギリスの古いミステリーが好きなのは、その時代のイギリスの風俗を味わうのに何よりも適しているから。犯罪は正直どうでもいいくらい。同様にライムシリーズは、ライムとアメリア、そして毎回登場する犯罪者の暮らしを覗くことが楽しい。

シリーズ初期作品の圧倒的な面白さを忘れられずにいると、「凡作」という台詞が出て来てしまうのもわからないでもないけれど。そこまで欲張らずに、のんびり楽しく読み続けたい。今のところ、がっかりさせられたことはないので、それで充分です。

(2016.6.23)
自分自身と闘っている人がたくさん登場するのも、このシリーズの、というかジェフリー・ディーヴァーの書く小説の特徴のような気がする。がむしゃらでもなく、じめじめでもなく、ドライでクールだけど、格好良すぎない頑張り具合。そしてなかなか敵(自分自身の弱点)が手強過ぎて倒せないまま物語が進行する辺りが、読んでいて気持ちが良い。それも好きな理由。

バーニング・ワイヤー  ジェフリー・ディーヴァー

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文藝春秋
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シリーズ物は近頃、本当に読まなくなりました。
っていうか・・・前も同じ台詞を発した記憶が。

3作くらい読むと飽きる、もしくは忘れる(笑)

リンカーン・ライムシリーズはそれでも読み続けています。
まぁ・・・忘れてるんですけれど、時々思い出して。

シリーズものの新刊を心待ちにしていた時代とか、
そういえば私にもあったんだけどなぁ。

なので。今更?な感じの遅れ具合です。
この後、二作くらい出てますよね。

で。本作はと言いますと。
やっぱり好きだし、やっぱり面白い。
ケチをつけることは簡単ですが。それはしたくない。

ジェフリー・ディーバーの作品と言えば。
どんでん返しのやり過ぎで不評を買ったり。
逆に物足りないと言われたり。
まぁでも。娯楽の王道なサービス精神に溢れてて。

シリーズの水準を保つのは難しいと言われるなか、
ほんとに良く頑張っているなぁ・・・と感心します。

初期の頃のように、なんだこの面白さは!
という驚きはありませんけれど、楽しく読めます。

電気がモチーフなんですよね。
前職が電気関係の仕事だったので親しみを感じました。
でも・・・電気ってコワい・・・かも(笑)

(2015.10.26)

12番目のカード  ジェフリー・ディーヴァー

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リンカーン・ライムシリーズ大好きなんですよ。
作を重ねるごとに、あざとさが増して、
「やり過ぎ!」などんでん返しに呆れつつも・・・

で。今ごろ気がついたのですが。
シリーズの途中を読み落としていました。
あまり評判の良くない作品なので、もういいか・・・と思いましたが。

やっぱり、ライムとサックスに会いたい!ので。
今さら感満載ながらに読んでみました。

うん。楽しかったですよ。
この世界観というか、ディーヴァーのお約束感、大好き。
過大な期待はもう、してませんし・・・

犯人像が小粒かもしれませんけれど。
今回の主役(?)の被害者の女の子、良かったな。

解説に、ジェフリー・ディーヴァーの好きな小説が挙げられていて。

「007/ロシアから愛をこめて」
「パナマの仕立屋」
「羊たちの沈黙」
「バスカヴィル家の犬」

・・・でした。(他にもあったかもですが)
好きな作家は以下の通りだそうです。

マイクル・コナリー
ジェイムズ・パタースン
デニス・ヘレイン
イアン・ランキン
ヴァル・マクダーミド

なんか。かなり納得の顔ぶれですね。

「羊たちの沈黙」とヴァル・マクダーミドは私も好き。
あとは・・・読んだっけ? 読んでないっけ???

余談ですが。私、カタカナの固有名詞に弱くて。
「バスカヴィル家」のことを、ずーっと、
「バスヴィカル家」だと思っておりました。

こういう、途中で入れ替わって記憶しちゃうの多いんです(涙)
いちばんヒドかったのは、
「ドストエフスキー」が「ドエトフスキー」になってたことで。
これなんて、一文字抜け落ちちゃってるし・・・(汗)

あとは。
「アンリ・シャルパンティエ」が
「アンリ・シャンパルティエ」だったりとか・・・

うううぅ・・・。

以下、作中から何となく書き抜いていた言葉。

“大きなものであれ小さなものであれ、何かを作るときは、いつも持てる限りの技術を注ぎこまなくてはいけないよ。ものの大小は問題ではない。どこに基準点を置くかの問題だ”父親はよくそう言っていた。

(「基準点を置くか」のところに傍点がふってありました。ちなみに犯人の父親の言葉。)

時間さえ惜しまなければ、不可能なことなどない。

自信喪失というとげは、魂そのものに毒を注入して冒す。サックスはそのことを身をもって知っている。彼女自身もそのとげと絶えず闘っているからだ。


(2015.3.6)

ロードサイド・クロス  ジェフリー・ディーヴァー

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いつ何を読んでも、さすが!と唸る・・・ジェフリー・ディーヴァー。

てんこ盛り過ぎるとか、どんでん返しがくどいとか、
難癖をつけたくなることも、そりゃ、あるけれど。

紛うことなくエンターテイメントの鑑。
上手い。面白い。人物造型の才能が並外れてる。

ヒロインがキネシクスに精通した捜査官なわけです。
キネシクスというのは、えー、ちなみに。
「言葉を使わずに意思を伝達する身振りについての研究。動作」

つまり、動作で感情を読む。
結果、被疑者が嘘をついてるかどうかが、ほぼわかる。

嘘つきにもタイプがあるわけで。
それが判断出来れば、どう言葉で追いつめるとボロが出るかも掴める。

ダンス捜査官だったら、私の嘘も見破れるのだろうか?
(自慢にはならないけど、私、嘘は上手いですよ。対決してみたいな)

主題としては、コンピューター社会、情報化社会に潜む危険。
なかなかね・・・他人事ではない感じです。
自分の身にも迫りうる危機を、幾つか認知させられました。

で。しっかり、騙されました、今回。

ディーヴァーといえば派手などんでん返しがトレードマークなのに。
「今回は地味めなんだなぁ」と呑気にかまえて読んでおりました。

そーんなワケがないっ! やられた~!
(後味の良い騙され方だったのが救いです)

正直、これだけの筆力があるのだから、読者サービスをセーブして、
要素を削ぎ落した方が、むしろ読み応えある作品になるのでは?と思う。

まぁでも・・・そんなもの書かれた日には。
「どうしたんだ、ジェフリー・ディーヴァー!!」と叫んじゃうだろうな。

(2012.3.28)
青少年の異常犯罪というものに、私は弱い。
社会的弱者が仮想世界へ逃避することと、
そこから実際に凶悪犯罪に走ることとの間には、
さほどの大きな間隙がないように感じてしまって。
私が犯罪者じゃないのは、運が良かったのだと思えて。
ディーヴァーを好きなのは、彼が描く主人公が犯罪を追う側でありながら、
犯罪者の心理に寄りそうことが出来るからなのです。


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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