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魔法のことば―星野道夫講演集   星野道夫

Posted by 彩月氷香 on 01.2012 星野道夫   0 comments   0 trackback
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スイッチパブリッシング
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ゆっくりと。少しずつ読んで欲しい本です。
講演で語った話なので、内容としては重複が多くて。

でも、それが。せがんで何度もねだる、お伽噺のようで。
同じだけれど、変容する。主題は同じまま、アレンジされる。

その繰り替えしによって、描き出される場面が厚みを増して行く。

一気に読んではいけません・・・この本は。
また?さっきもその話は聞いたよ、ってなことになってしまう。

そうではなくて。一つ読んで。しばらく寝かせておいて。次を読む。
大切なことは何度でも、何度でも彼は語る。
毎回、まるっきり同じではない。何だろう・・・この感じ。

やさしく心に沁み透る・・・霧雨みたいに。
彼が書く文章以上に、語られる言葉は平易でやさしい。

文章は繰り返しを嫌う。だけど語る言葉は違う。
だから、文章を読むという意識は捨てて、声を聞くように読もう。

誰に対してともなく、「ありがとう」という気持ちが湧いてきます。
星野さんの素朴で温かな言葉は、タイトルのとおり魔法のようです。

(2012.6.1)
語り伝える文化というのは、こういうものなのだろうなと感じました。
星野さんの生き方の根っことなるものが見えてくると同時に、
誰にとっても大切なはずの何かを呼び覚ましてくれるかのようです。


花の宇宙  星野道夫

Posted by 彩月氷香 on 24.2010 星野道夫   1 comments   0 trackback
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PHP文庫
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日々の暮らしに追われている時、
もうひとつの別の時間が流れている。
それを悠久の自然と言っても良いだろう。
そのことを知ることができたなら、
いや想像でも心の片隅に意識することができたなら、
それは生きてゆくうえで
ひとつの力になるような気がするのだ。

ここに、星野さんの想いが、よく表れていると思う。
彼は、その「悠久の自然」に想いを馳せるための、
写真と言葉を、自然とかけ離れたところで暮らしている私たちに、
たくさん、たくさん送り届けてくれた・・・その短すぎた命がつきるまで。

それは、自然を思い浮かべさせるというよりも、
すでに自然そのもの、大きな自然の中の、別の時間。

彼の写真と言葉は、広々と、心細さを誘うほど雄大で、
でも、とても、優しく、淋しく、繊細で、強い。

動物写真家のイメージの強い彼が、草花の写真も撮り始めたのは、
妻を迎えてからだったと、TVのドキュメンタリーで知った。

この本に収められているのは、その花たちの写真が中心。
いつもの厳しい優しさより、ちょっと甘さも感じる優しさ。

いつも、その文と写真に触れると思う。
この人の見ていたものは、広く大きく果てしなかった、と。
宇宙の規模で時間を過ごしていたような人だったと。
生涯、見ることはないであろう、アラスカの風景に、
なぜ、こんなに親しみを感じるのだろう・・・。

(2010.11.17)
写真と、文章が交互に収められています。
様々な写真集と、著作から編集されたもののようです。
文庫の小さな紙面に彼の写真は収まりきらないのでは、
と危惧していましたが、かなり上手く構成されています。
頁を開くだけで、心にひとすじの何か美しいものが流れる、
・・・そんな印象の、小さな宝物のような本です。
プレゼントなどにもいいと思います。



森と氷河と鯨   星野道夫

Posted by 彩月氷香 on 30.2010 星野道夫   0 comments   0 trackback
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世界文化社
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アラスカの雄大な自然と野生動物を一心に追い続けた写真家である著者。
この本は、ジャンルとしてはエッセイ写真集という体裁だが、
その文章は、よくある写真の添えものなんかとはまるで違う。

星野さんのことを何一つ知らないとき、一枚の写真を目にした。
彼の主要な題材である、ホッキョクグマの写真。
動物の写真に興味を持ったことなどないのに、一目で強く惹きつけられた。
説明のし難い、胸に迫ってくるものを感じ、心を奪われた。

それは、写真そのものに対してというよりも、
写真を通して訴えかけてくるカメラマンの「念」のようなものだと、
そのとき、何故か、はっきりと感じた。
それが、具体的にどういうものなのか、わからぬままに・・・。

星野道夫さんの本を読むと、その謎は一気に氷解する。
私は、幾たびも、著者の言葉に打たれ、涙ぐんだ。

飾らない、抑制の効いた、しかし、深く心に染みとおってくる文章。
読んでいると、月並みだけれど心が洗われるような、
ううん、そんなんでは足りない、生まれ変わるような気がする。

厳しい大自然のなかで、なにも構えることなく、
そこに溶け込んで立つ星野さんの姿。

「ワタリガラスの伝説を求めて」と副題にあるとおり、
彼はその伝説を追って、旅をする。
たくさんの消えゆくインディアンの種族に出会い、対話しながら。
魂を巡る旅。伝説のなかに息づく神秘。多くの絶望と救済。

彼は何万年という昔に軽々と思いを馳せる。
彼の「時」の観念は、地面をしっかりと踏みしめながらも
常に宇宙的な広がりで遥か遠くまでを見据えている。

こんな人がいる、と思うだけで私は涙が湧いてきてしまう。
こんな人がいた、と過去形で言わなければならないことが無念でならない。

ワタリガラスの伝説を追う旅の途中、シベリアの地で、
彼はクマに襲われて帰らぬ人となる。

この本は彼の未完の遺作。
彼はどのようにこの物語を終えるつもりだったのか、
巻末に添えられた彼の英語混じりの日記を読み、また涙ぐむ。

(2010.7.28)
彼の作品はどれも素晴らしいのですが、この本は最高傑作だと思う。
人間の、いいえ、生物の、いいえ、宇宙の、「たましい」のことを
感じとる力の貴さと、その力を衰退させ続けて生きている現代人
(自分も含む)の行く末について、考えさせられる。
・・・突きつけられるものは厳しいのに、限りなく、優しい。



ノーザンライツ  星野道夫

Posted by 彩月氷香 on 09.2010 星野道夫   0 comments   0 trackback
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新潮文庫
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この人の写真は、ほんの数枚であるが、何かで目にしたことがある。
その時、一目で強く惹かれた。
・・・文章も書いていたとは知らなかった。

穏やかで優しい。しかし力強い文章だ。
優しさと謙虚さ、自然に対する揺るぎのない想い。

登場する、全ての人の人生が、心を打つ。

アラスカ、一度は行ってみたい。

(2006.5.15)
その後、私は星野さんの著作をむさぼり読みました。
写真展にも行きました。彼を特集したNHKの番組も観ました。
知れば知るほど魅力のある人で、写真も文章も生き方も素敵で・・・。
彼の衝撃的な最期を思うと今も涙が浮かびますが、
ある意味、彼らしかった、とも思うのです。


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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