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超したたか勉強術  佐藤 優

Posted by 彩月氷香 on 30.2016 佐藤 優   0 comments   0 trackback
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朝日新書
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 私は、「いくつかの基本的な思考パターン」のことを、「思考の鋳型」と呼んでいる。(中略)鍛えた「思考の鋳型」で、物事を自分なりに考え、解釈する訓練を重ねていると、やがて、他人には「見えないものが見える」ようになるだろうこれが私の考える「したたかさ」の基本になるのだ。

自分なりの「型」を持つことの必要性は私も近頃強く感じている。
本書は「思考の鋳型」の鍛え方を書いた本で、
まさにうってつけの見本かつ、練習問題となっている。

・・・のですけれどもね。ちょっと高度過ぎるのですね(笑)
ま、それでも概要をまとめてみますと。

イギリスの歴史の教科書「帝国の衝撃」を使って、
実践的な「型」の用い方の手順が丁寧に紹介されています。

思考のポイント1
アナロジーで考える(アナロジー=類推、類比)

思考のポイント2
敷衍して論を発展させる(敷衍=押し広げる)
同じ事柄を別の言葉や例で説明する

思考のポイント3
正反対の人物をイメージする
一つの物事を自分の考えや立場と対極の人になったつもりで考える

コラム
デジタルデトックスで表現力と読解力を向上させる。

1 スマホやタブレット端末でのスケジュール管理をやめる
  手帳とボールペンで書く
2 フェイスブックやツイッターを直ちにやめる
3 プレゼンではパワーポイントを使わず、
  まとまりのある文章として紙に書いたものを読み上げる

簡潔で体言止めが多用された文章(ネット)。これでは時制や結論が曖昧になる。係り結びが単純で、一文で完結するような文章ばかり書いたり読んだりしていると、表現力ばかりか、読解力も低下する。

読解力が低下すれば、そこから得られる情報が少なくなってくる。

 人はいったん、誰かを信頼してしまうと、信頼を裏切られる行為があってもそれを認めることができない。なぜならそういう人を信頼した自分が惨めになるからだ。しかし、裏切られたという感情が閾値を超えて高まると、決して信頼は回復しない。

 間違いないと確信している自分の考えに固執するのではなく、必要なときには自分の力でその確信を否定出来るだけの知性を身につける。


(2015.8.12)
 イスラム国に殺害された後藤健二さんのことにも触れられている。
私はなぜ彼が湯川さんを助けに行ったかに、初めて合点がいった。
彼は「神を試さなかった」のだ。

功利主義者の読書術  佐藤 優

Posted by 彩月氷香 on 29.2012 佐藤 優   2 comments   0 trackback
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新潮社
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著作を読むたび、佐藤氏の知力には圧倒されます。
読書家としても憧れを通り越して、神々しい存在。

「功利主義者」という枕詞にギョッとした方もあるかもしれませんが。
彼の理論によると、「功利主義者の読書術」が意味するところは、
「神が人間に何を呼びかけているかを知るための技法」となります。

そうなんですよね。この明晰で洞察力に優れた頭脳に、
「キリスト」が住んでいるというのは不思議な感じがします。
一方で、彼の書物を読むとそのことが強みになっているとも思う。

取り上げる本も、かなり意表をついてきます。

マルクス「資本論」、チャペック「山椒魚戦争」、「新約聖書」、
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、小林多喜二「蟹工船」、
・・・この辺は、わかりますけれども。

綿矢りさ「夢を与える」、石原真理子「ふぞろいな秘密」、
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」「ロング・グッドバイ」
酒井順子「負け犬の遠吠え」
・・・ここらになると、んんん???

読む対象に関わらず、そこに自分の問題を見出すというのが
私の読書の常に変わらない基本姿勢なのですが。
佐藤氏はそれを遥かに高度な次元で実践なさっています。

あ。「長いお別れ」と「ロング・グッドバイ」は同じ!と思った人?
確かにそうなんですけど、翻訳者が違います。
前者が清水俊二、後者が村上春樹です。

私、村上春樹の翻訳がやや苦手で、清水氏の方を読んだのですが。
本書を読んで、村上春樹訳も読まなきゃ・・・と思いました。

本の紹介ではなく、「読書術」の指南なわけでして。
紹介されている本を読む必要は特にないと思われます。

また、佐藤氏と同じ読み方をする必要もまったくないし、
彼一流の見事な読み解きに賛同しなくたって構いません。

自分の中に常に「問題意識」を持ち、それと対峙している人は、
どんな本からも学び、思索を深めることができる。
全く関係のないようなものを並べても、類似性を見出せる。

その書物が(著者が)何を語りたいかを探索するのでなく、
その書物から、自分なりの理解や思想をつかむ・・・いや、
そこから生み出して、構築することができる。

ある意味、書物をとことん、利用する・・・自分のために。

私は、こういう読書が好きです。
佐藤氏が示しているような、読書の姿勢に強く共感します。

書物に内包される思想を蔑ろにしてるかのような表現に
なってしまいましたが、決してそうではありません。

ただ、時によっては「彼によって読まれた」対象が、
それによって価値を増したと錯覚するような現象はおきています。

また彼のパーソナリティーゆえに、その読書の色は社会性が濃く、
その意味では難しい話になっている部分もあります。

取り上げられた本のうち5冊は私も読んでいましたが。
まぁ・・・佐藤氏と比べると百分の一も、
「読めた」とは言えないですよねぇ・・・。はぁぁ・・・。

それでも自らの知力を精一杯に動員して読書をしたいものです。

(2012.8.13)
佐藤優氏の本は、とにかく知的興奮をかき立てます。
紹介されてる本を読まなくてもいいと申しましたが、
しっかり登場した本を読みたくなりました。再読も含めて。

読むきっかけを失して現在に至っている綿矢りささんの本と、
亀山郁夫氏の翻訳の「カラマーゾフの兄弟」をまず読みたい。
(「カラマーゾフの兄弟」は昔、他の人の翻訳で読みました)

本書に貼った付箋の数・・・20枚。


獄中記  佐藤 優   

Posted by 彩月氷香 on 31.2010 佐藤 優   0 comments   0 trackback
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岩波書店
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感心するばかり。
佐藤氏の知性に圧倒される。
私も、こんな風に頭が良くなりたい!と思った。

文章の明晰さも魅力的。
勉強が楽しい、ってこういうことなんだろうなぁ、
かっこいい!

512日間の拘留生活で62冊ものノートを使ったって!
ドイツ語とチェコ語を勉強した、って!
読む本がまた、凄いのだ。

そんな彼が自分は凡人と言い切る。
溜息をつきながら読んだ。

哲学、神学、政治学。
・・・私が今から勉強しても身につかないだろうし、
懸命に勉強して多少理解できるようになったところで
何の役にたつやら、さっぱり疑問。

しかし、読んでいて、楽しかった。
頭をもっと使って生きたいと思った。
物を考えることは人間にとって最大の娯楽なのではないか?

勉強したくてたまらなくなってくるという、魔法のような本。
うっかり、獄中生活に憧れてしまいそうなぐらい、
著者の、獄中生活のなかで営まれる思索と学びの深さが神々しい。

私が彼と同じ本を読んでも、そこから汲み取れるものは、
彼の100分の1くらいかも・・・と絶望に襲われたりしつつ。

(2007.3.11)
近年(っていっても3年前だけど)読んだ本の中でも、
読後の興奮度の高さはナンバー1じゃないかと思う本。
読了後1週間くらい、ずっと脳内が異様に活性化していた。
思索のレベルが高すぎて、私の頭でついていけない部分もあるけれど、
とにかく、痺れます。


  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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