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マリアビートル  伊坂幸太郎

Posted by 彩月氷香 on 21.2012 伊坂幸太郎   4 comments   1 trackback
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角川書店
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面白いと思えない本は無理して読むな、と言いますよね。
私が実際に途中で読む事を止める事は滅多にありません。
以前も申した気がしますが、どんな本も50頁までは読む主義です。

50頁の時点で、手応えを感じなかったら読書は中止。
まぁでも。50頁まで読めば何某かの興味は湧いてくるもので。
その先はズルズルと読み切ってしまうというのが常。

ですが。今回。100頁まで読んでも面白くならなかった。
殺し屋が大集合した新幹線、って豪華なストーリーなんですが。
何か・・・先が気にならないっていうか、どうでもいいっていうか。

筋立てが突飛過ぎるとか、そういうことではないんです。
そんなの伊坂幸太郎のトレードマークじゃないですか。
あり得ない状況だという事が読書欲を削ぐというのではない。

なんだろうなぁ。だけどなぁ。
読んでて、誰が死のうが勝とうが負けようが。それがナニ?
別にもう、どーでもいいじゃん、興味ないよって気分になった。

伊坂幸太郎ファンの方が読んでいたらごめんなさい。
いや、私も伊坂幸太郎ファンの末席に控えてるつもりなんですが。
ああ。これか。そうか。「伊坂幸太郎の面白さがわからない」って。
そう言う人の意見は「?」だったのですが、何だか理解出来た気が。

母も伊坂幸太郎を読んで、こう言ってました。
「なんか、段々面倒くさくなってきて・・・」
お母さん!今、あなたのおっしゃったことがわかりました。

ええとですね。「王子」という伊坂幸太郎作品に欠かせない悪の化身。
まぁ・・・この造型はよく出来ているんだとは思うんだけど。
道徳的にということではなしに、私としては認め難かったですね。

このタイプの悪を描くならば。魅力も感じさせてくれないと。
「ウザ」っていうので終わっちゃ駄目だな・・・。
人を無条件に魅了する何かがないとこの悪のリアリティは生まれない。

殺し屋たちのドタバタ劇は単純に楽しめますけれどね。
そこに絡む王子の存在が、私には余分だったな。
いや。殺し屋たちの人物像も全てが魅力的に描けてたとは言えない。
出て来なくても良かったような存在感の薄い人物も多かった。

面白くない、というとやはりそれでも嘘になりますよね。
伊坂幸太郎は、言ってしまえばクセになる作風です。
でも、何かねぇ。ちょっと疑問を感じ始めました。

面白さを求めていない時には読めないらしいな・・・と。
自ら面白さに向かって入り込んでいかないと駄目なんだな・・・と。
意外と。間口が狭い世界だな、と。それが良い悪いではなく。

著者の作品としては決して悪い出来ではなくて。
うーん。だから私としては。この失望感の由来は謎ですね。

正直ね。伊坂幸太郎の良さがわからない人は可哀想、と思ってたぐらいで。
問答無用の面白さがある、とずっと評価してきたんですけれど。

「何が面白いんだか、ちっともわからない」と感じる視点も。
それはそれで、至極まっとうなことに思えてきました・・・急に。

現代が舞台なようで。彼の作品はファンタジーで。
一見、自由奔放だけど骨組みがしっかりしていて。
シニカルなユーモアが横溢する中に、「絶対悪」が見え隠れする。
それに対してわかりやすい正義を対抗させないところが魅力。

なんだけれども・・・。

「底知れなさ」が作品から薄れて来ている気がする。
私如きが「なんかわかりやすくなって来た」って言うのは不遜だろうけど。

ドキドキハラハラが全くなかった。
こんなに生命の危険に溢れた狭い電車の中で。緊張感が湧かなかった。
何が起こってもおかしくない状態が当然になり過ぎた世界のマンネリ?

あと。作家が自らの世界観を確立できるようになると。
登場人物が「記号化」する現象がどうしても起きる気がします。
私は伊坂幸太郎に限らず、誰の場合でもそれが苦手なのです。

(2012.5.19)
娯楽作品としては充分に及第作だと思う。とにかく上手いです。
ただ、私には「狙った面白さ」のイヤミが感じられてしまい・・・
キャラクターも特徴はあるけど、血肉を欠いている。
さらに何か「はぐらかされた感じ」も濃厚な残り香を放っている。
ドタバタと喜劇の如く軽いタッチで人が死ぬことには、
私は特に抵抗があったりはしないのです・・・が。
そこに物語なりの必然性は感じ取りたい。それが無かった。
彼が描く「闇」も記号化しつつある印象を受けました。

罵倒してる感じですが・・・私はこれでも伊坂ファンのつもり・・・
本作は楽しんで読んだ人も多いと思うのに、こんな感想ですみません。
きっと。伊坂幸太郎に対する期待値が高すぎた故だと思います。


オーデュボンの祈り  伊坂幸太郎

Posted by 彩月氷香 on 29.2010 伊坂幸太郎   0 comments   0 trackback
4101250219
新潮文庫
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伊坂幸太郎という小説家をはじめて知った時の衝撃が甦った。

忘れ去られたまま秘かに存在し、独自の文化で100年も発展してきた島と、
島民たち、そして、その中心に神のごとき存在として立つ、喋るカカシ。
そのカカシは未来を知りつつもそれを語らない。
そんな島のなかでは人も出来事も、とことんおかしいが、
おかしいこと続きで、やがて何がおかしいかわからなくなってくる。
・・・リセットされるのだ、現代の常識から。

この独特な、異次元なリアリティ。
初めて読んだ時、なんだ何だナンナンだ、これは・・・と呟きながら、私を驚かせる「新しさ」を持つ小説家が存在していたことに狂喜したものだった。
「~風」と何を読んでも分類できてしまうくらい、ありとあらゆる小説を読んできた私にとって、この「新しい!!」という感動は何にも替え難い値打ちがあった。嬉しくて嬉しくて仕方なかった(「砂漠」を読んだ時のことである)。

しかし作品が片っ端から映画化される人気者になって以来、遠ざかっていた。
人気があり過ぎて図書館の書架に本が並ばない(常に予約で埋まってて)のだ。
でもそこまで惚れ込んだ作家なら、文庫でも買って読めばいいじゃないよね?

失望するのが怖かったんだろうな。
それと、特別な作家を読みつぶしてしまうのが・・・。
過去に私、何人かの作家を気に入ったあまりに全作品一気読みして、
消費しつくしてるから。それも狂乱の日々が明けてみると虚しいもので・・・

弟に勧めたら、読書習慣の全くない彼がハマり、
帰省の度に読み終えた本を持ってきてくれるようになったので、
年に一冊くらい読むことができた。これくらいが丁度いいペースな気がする。
ただ、弟君、短篇しか読まないんで(笑)、長篇は長いこと読んでなかった。

久々の長篇として、先日「ゴールデンスランバー」を読んだら、
あまりにも普通な面白さで、ちょっとガッカリしてしまった。
それは、私が期待してる「伊坂幸太郎」では、なかった。

じゃあ、一体ナニを私は期待していたのか?
それが満たされた本書その他、伊坂幸太郎の魅力は何か?
えー、大風呂敷を広げて収拾つかない恐れがありますが、続く・・・


ゴールデンスランバー  伊坂幸太郎      

Posted by 彩月氷香 on 22.2010 伊坂幸太郎   0 comments   0 trackback
4104596035
新潮社
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過去に伊坂幸太郎は何冊か、読んでいる。
思い出せる限りでは、「魔王」「砂漠」「チルドレン」「死神の精度」。 
初めて読んだ時、「おっ」と思ったのを覚えてる。新しいな、って。
その「新しさ」っていうのは、何に対してそう感じたのか・・・。
書いたはずなんだけどな、読書ノートに残ってない。

私、日記も長年つけていて。
近頃、気付いたんだけど、読んだ本の感想も、読書ノートでなく、
日記に書いていることが、たまにある。
それが、大方、勢いよく、激しく、感情的で、長い!という代物で。
・・・人様の前に出すには、相当の修正&加工が必要。
部分的には、おおっ鋭い!って箇所があったりはするけど。

うーん。日記読み返すのは大変・・・。
いつ頃に読んだか分かれば探せるかもだけど・・・。
あ、そういえば、エクセルで作った表があるんだわ。

読んだ本の年月日と題名・著者名・出版社名を
ひたすら打ち込んだ表。1988年からの分。
かなりな大仕事で、2006年までで、ストップしてる。
今、確認してみると、2559冊分のデータだね。

そもそも、検索機能を使って、
「あの本いつ読んだんだっけ?」
「この本、もしかして読んだことあったっけ?」
「この人の本、何冊読んだんだろう」
・・・てな疑問を解明しようと取り組んだというのにだね、
何故だか検索機能がイマイチ上手く働かないのだよ!

しまった、大幅に脱線した。
伊坂幸太郎と私の出会いは、運よく発見したら、今度。
で、この本の感想。

「伊坂幸太郎だなぁ~」
とっても伊坂幸太郎らしい、作品です。
首相が暗殺され、濡れ衣を着せられた男が逃げ回る、話。
面白いし、ラストのまとめ方、上手いなぁと感心した。

伊坂さんの書くものは、いつも「青春時代」「仲間」のイメージが。
一歩間違うと、私の大嫌いな熱血青春物になってしまいそうなのに、
いい具合に毒が効いてて、そうはならない。
「悪」の描き方にも、ちょっとした個性がある。
(ここは、深く掘り下げないと語れないので、やめとこう)

あと、ちょっとふざけた登場人物、必ず出てくるよね?
主人公の親友だか、同級生だか、腐れ縁の友達で。
おちゃらけた変人で、少々、アブナイ言動をする男。
考えてみると、毎回キャラ同じじゃない?(笑)
でも、ここが、伊坂ワールドの決め手のひとつだよね。

充分、楽しんだけど、伊坂作品としては、「普通」かな。
・・・と、思わせる伊坂幸太郎は、やっぱり凄いな。

おっ、検索にチャレンジしたら、出た!!
2006年の5月に「魔王」
2006年の6月に「砂漠」
2006年の9月に「終末のフール」
ふーん、あとの2冊はそれより後に読んでるってことね。
たぶん、弟に借りて読んだヤツだわ。

ちゃんと役にたつじゃん。
しょうがない、2007からの3年半分も頑張って入力しよう。
新たな仕事ができたぞっ。→ちっとも嬉しくない。

今、「読みたいと思って読み忘れてる本を重点的に読む」という
キャンペーンを実施中(参加者は私だけ)なので、
伊坂幸太郎も、読めるだけ読もうと思ってます。
・・・今年中に何冊、読めるかなぁ?

(2010.6.11)
  

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Author:彩月氷香

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