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渇きの海  アーサー・C・クラーク      

Posted by 彩月氷香 on 30.2010 SF   0 comments   0 trackback
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ハヤカワ文庫 SF
ハヤカワ名作セレクション

月を舞台にした技術派SF。
ファンタジー風SFと違って骨格がしっかりしている。

静止した塵の海を航海するセレーネ号の姿は
想像するだけで、うっとりする眺めである。
塵に沈んでからの、救助する側とされる側のドラマ進行にも
退屈させられない。

人物も背景も鮮やかだし、緊迫感もあるし、科学的にも優れている。
SFを見直させてくれる秀作だ。

堀 晃の「月SFはいかに作られるか」という巻末の解説も楽しめた。
彼の言うところの「月SF三原則」
(①月に大気はない②月の重力は地球の1/3③月の裏側は地球から見えない)
をおさえた作品が幾つか紹介されていたので参考に写しておく。

光瀬龍「晴の海一九七九」
チャールズ・E・メイスン「大真空」
ジョン・W・キャンベルJr「月は地獄だ!」
アルジズ・バドリス「無頼の月」

月をテーマにしたSFの読み比べなんていうのもなかなか面白そうだ。

(1993.10.28)
SF、今、いちばん読んでいないジャンルかも。
私のSFブーム、いつのことだったろう。
少し、また読みたい気持ちもある。
ちまちましてない、壮大な設定の物語が好き。
科学要素が強くなると頭がついていかなくなるんで、
本格SFの方が好きと言いつつ、あまり向いてない気も・・・。
ふと疑問に思い、検索してみると、上記の月SFは全て絶版のような?
SFって何故かマイナーなんだよね、不当に冷遇されてる気がする。
でも、若い頃、そんなとこが好きだったりもした。
読んだものの大半が絶版になっているような気がするけど。
・・・一度、調べてみよう。
よし、これからも読むぞ、ということで、SFカテゴリ作ろっと。

帰りたかった家  青木 玉

Posted by 彩月氷香 on 29.2010 その他あ行の作家   0 comments   0 trackback
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講談社
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読む本(未読の本)を切らしてしまい、母の本棚より拝借。
不覚にも、泣いてしまった。
母娘の葛藤。私にも身に覚えがある。

私は幸田文の文章がとてもとても好きだけど、
その娘には、興味なんて正直これっぽっちもなかった。

幸田文の才能に、やはり著者は遠く及ばない。
でも、ただ親の名を利用しただけ、とは言い難い、確かな思いが
文章に込められていて、それが伝わってきた。

私は、幸田文のような母親は持ちたくなかったろうと思った。
痛いように、玉の気持ちがわかる気がした。

しばらく、読み終わった後、
頭の中に過去の景色がぐるぐると廻っていた。
 
(2005.12.26)

ローマ人への20の質問  塩野七生

Posted by 彩月氷香 on 28.2010 塩野七生   0 comments   0 trackback
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文春新書
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面白かった。
何より読みやすくてわかりやすい。

それにしても、自分の歴史の知識の乏しさを実感した。
ギリシアとローマの関係すら理解していなかったのだ。

著者がローマに肩入れしすぎの感は否めないけれど、
歴史への素朴な興味を甦らせてくれた、貴重な本。
ギリシア・ローマの時代の歴史、勉強してみても楽しそう、
とそんな気持ちが湧いてくる。

キリスト教世界より、ギリシア・ローマの多神教の世界の方が好きかも。
悪の根絶でなく、節度を「徳」とした、っていう辺りが気に入った。

酒を飲まなかったのではない、酔っ払わなかっただけだ、って。
・・・私もそういう姿勢で生きていきたい。

(2001.7.27)
最近、塩野さんのローマの本を読み始めています。
うん、やっぱり興味深い。ローマは気になる。
私は、祖母がクリスチャンであったり、自身もミッションスクール卒で、
家に仏壇も無かった・・・などなどの理由で、仏教よりキリスト教に
理解と愛着があるのですが、その弊害も感じていて、
いっそキリスト以前、の時代に惹かれたりします。
実はローマよりギリシャの方が私は好きかもと思うんだけど。
塩野女史はローマフリークな人だから。
ギリシャ愛好家の本も読んでみなきゃ不公平よね。何読んだらいいんだろ?


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フォークランド館の殺人  ケイト・ロス

Posted by 彩月氷香 on 27.2010 ケイト・ロス   0 comments   0 trackback
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講談社文庫
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英国情緒たっぷりのミステリ。
意外にも、著者は米国人だったりする。

すっかり、騙された。
幾つかの謎は解いたものの・・・。

探偵のジュリアンもいいんだけど、
私は容疑者のひとり、クレアに魅了された。

内気で知性の溢れた青年で、
思慮深く、感受性と先見の明に富んだ態度が手紙の文面にすら表れる。
ひとかたならぬ読書家で、広範な知識と情け深い心の持ち主。
かくありたい、という理想の人だわ。

「ベニスの商人だ!」というジュリアンのひらめき。
私もシェイクスピアは、ひととおり読んだのだけど・・・。
なんだか、悔しい。

(1999.5.31)
あ、しまった、これシリーズ第2弾だった。
「ベルガード館の殺人」ってのが前作で、当然これも面白い。
最終作の「マルヴェッツィ館の殺人」も!
私、この人の新作をずっと楽しみに待ってました。
まさか、41歳でお亡くなりになってたとは・・・。


ノーサンガー・アベイ    ジェーン・オースティン

Posted by 彩月氷香 on 26.2010 ジェーン・オースティン   0 comments   0 trackback
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キネマ旬報社
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この本、もしかして、過去に読んだかも。
読んだ気もするし、読んでない気もするし・・・どっちだろう?

ジェーン・オースティンの書くものは、おおむね似ている。
ものすごく乱暴に要約するとですね、
イギリス貴族、もしくは中流家庭の「婚活」を描いたものなのです。

恋愛もあるけど、その隣に常に結婚の条件、がチラつく。
現代とある意味、変わらない。
勘違いやら、おせっかい、策略もあり、友情もあり、裏切りも・・・。
シニカルな味付けの、若い女の子の成長物語といったところ。

ヒロインは世間知らずなお嬢さんなワケで、
普通、イライラさせられそうな、結構オメデタイ性格だったりするけど、
その、悪気のない空回りっぷりが、爽快に思えるから不思議。

幾分、くだくだしい描写も、私は好き。
登場人物の描き方に毒っけがたっぷりあって、なのに、後味の悪さがない。
軽い調子の語り口だが、その観察眼と描写力は恐ろしく鋭い。

「高慢と偏見」「エマ」「分別と多感」なんかと比べると、
残念ながら、作品の完成度は劣るように思う。
当時の「流行小説」のパロディであるという、成り立ちのせいかな。

上記三冊を読んで面白かった人は、この本も楽しめるでしょう。
あ。どうやら、この本は、過去には読んでいなかったもよう。
(実は、100%の自信は無いのですが・・・)

(2010.6.16)

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