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近代文化人にみる書の素顔  疋田寛吉


二玄社
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(本の画像はありません)


紹介された書の中から、私の目に留まったものの、
ごくごく簡単かつ、私的な感想。

夏目漱石・・・良寛風。さっぱりして気取りがない。なかなか良い。

森鴎外・・・品格あり。冷ややかに端正。すっきり。

幸田露伴・・・おっとり感じる。整っているが丸みあり。

田山花袋・・・いい。割と好き。

有島武朗・・・力量を感じる。上手い。実力がある。

永井荷風・・・瀟洒。きれいで古風。

芥川龍之介・・・龍之介らしい。なぜか気持ちのよい金釘流。

正岡子規・・・好きだな。

河東碧梧桐・・・味があって、何か好き。面白い。

斉藤茂吉・・・なんかパラパラ感が良い(連綿していない)

横山大観・・・物静かで力強くて、かなり好き。

吉川霊華・・・幻の画家。私、知らない人。でも書は凄く良い。
       この本に載ってる中でダントツ。

書にもいろいろあるものだ。
筆で日常の文字を書いていた頃、をふと思ってみる。

それは、私は知らない時代・・・文字はきっと、もっと、
美しかっただろうなぁ。

(2008.11.23)
作品としての「書」よりも、日常の「文字」、
いわゆる「筆跡」に興味があります。
私が書を習ったのも普段、きれいな字を書きたかったから。

そのため、作品作りに熱が入りません。
床の間に飾る掛け軸なんて、別に書きたくないのです。
(現在、恥ずかしいことに私の力作が玄関に飾ってありますが)

とはいえ、ペン習字ではダメ。小手先でない、ホントの字が書きたい。
ペンと筆の違いは、やはり筆の方が身体の感覚が必要だからこそ、
いっそう心の有様が反映されると言う点だと、勝手に私は思っておりますが・・・。
(筆の字が、日常の文字にも変化を起こすのです。徐々に、ですが)

う~ん、いまだ。「私の字」と言えるところに到達しません。


ほしのはじまり  星 新一

2011.01.29 星 新一   comments 4
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角川書店
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これ、贅沢な本ですねぇ。
新井素子が編集した、「決定版 星新一ショートショート」
ある意味、「網羅!」を目指してみました、と素子さんの言うとおり。
代表作やら、異色作をぎっしりと詰め込んである。

しかも、星さんのエッセイ(これも貴重)も収録されてて。
これが、彼の創作秘話なんかで、たいへん興味深い。

7つの章から成り立ってるんだけど、その章のタイトルが。
なんとも素敵に、新井素子チック。

♯1 スタイリッシュ
♯2 スラップスティック!?
♯3 たいへんなお仕事
♯4 神様のニガワライ
♯5 平熱の叙情
♯6 よい結末を!
♯7 終わりなき日常を生きる

新井素子と最相葉月の対談も付いてます。

それにしても。
星新一、なんで、こんなにスゴイんだろ。
昔読んだときには、良さをわかってなかったな。
今になってしみじみと、このクオリティにため息が出る。

古びないものを書く、ことに、こだわったらしたのだって。
それ、しっかりと伝わってきますね。
今でも、新しい。ほんと、ほんと。びっくり。

十代の頃の私は、もっとどっしりした小説が好きで。
星新一って、軽過ぎて、スタイリッシュ過ぎると感じてた。
その奥にあるものが、全然、見えてなかった・・・。

のっぺらぼうみたいに、没個性に描かれた登場人物の、
その普遍性・・・ちゃんと「人間」は濃密に存在している。

滑稽と笑うには痛々しいほど、ズッコケてる人間の、
悲劇というには笑うしかないほど、救いのない愚かさ・・・
なんか、妙に愛おしくもあり。情けなくもあり。

合間に、素子さんの語る、他愛もないような呟きにも癒される。
変わってないなぁ・・・この人。いや、ほんと、美味しい本だなぁ。

この本、欲しいなぁ~

(2011.1.20)
やっぱり、ボッコちゃんは、名作です。
ショートショート?うそ?長すぎるだろ~、な「殿さまの日」もいい。
これも、「すぐ読めて、満足感あり」、な本本読み人Mさまのおススメ。
「ボッコちゃん」を推薦して下さったのですが手に入らず代わりにこの本に。
本来の薄い文庫本に対し、厚い単行本で。すぐ読める、の趣旨に反しますが。
この本を読めたのは、M様のおかげです。うん大満足です。
いや、星新一、また読み返したいなぁ。まだまだ名作はあるものね!
すぐ読めるのが良い方は文庫の「ボッコちゃん」をどうぞ。


ボッコちゃん (新潮文庫)
星 新一
4101098018


小さいおうち  中島京子

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文藝春秋
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愛らしい小説、と思っていたら。
だんだんと、淋しくなってきた。
まぁるい、痛み。ふんわり、哀しい。

平面に見えていたものが、いつしか、
見事な立体になっている・・・そんな驚き。

完全で不完全で。
永遠で、有限で。
果てしなくて、儚くて。

叶わない夢を見続けて生きることは、
決して、不幸せではない。
淋しさは、不幸ではない。

失われた美しいもの。
それを支えに生き続ける・・・美しくはない、何か。
でもやはり、鈍い光を放っているもの・・・その輝きの名残り。

心細さが、妙に伸びやかに発色する、
そんな不思議に鮮やかな絵画のように。
どことなく、調子はずれに朗らかに、しんみりと。

決して、小さくは無いトゲが、ずっと残る。
刺された痛みが、うっとりと心地よい酔いを生じさせる。
消えないもの・・・修正された記憶の残酷な可憐さ。

(2011.1.22)
最終章、静かに息を呑む。
独奏に耳を傾けていたら、急に、響き合う和音に包まれたような。
その音色の広がりの中に、幾つもの囁きを耳にする・・・


心の整骨  008 other

2011.01.27 other   comments 0
なつかしさとは、いとおしいペットのような自己の記憶なのだ。時に人はそれに足をとられ、しかし時にそれは解毒剤のように何かを溶かし慰撫してくれるものでもある。

                 福岡伸一「ルリボシカミキリの青」


ふん、芥川賞なんて!

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ごめんなさい、正直な気持ちなのですよ。
もう、何年前だか、十年前からだか・・・。
どうにも、個人的に「フン!」な人が受賞なさるので。
近頃、ちぃぃ~っとも、興味も持ってなかった。

で、今頃、驚いた!今年は、西村賢太さん、なんですかぁ~!?

珍しく、私が読んだことのある作家だぞ!
何かの間違い?みたいな読み方ではありましたが。
その時、クソミソに貶しつつ、「また読もう」って書いてるよ。
うん、厭さが、後を引くのだ・・・なんか、スゴイのだ。
インパクト、めっちゃ、あったのだ。で。これは、認めるぞ、私。

あなたはぁ、芥川賞、取ってもいいよぉ~!

って、ナニ様なのだ、私!?
いやいやいや、あのイヤ~な気分、またちょっと味わってみたい。

友達なんていない、と言い切る、小太りな男性。
うん、いいけど、似合うしね!しかも想像以上にヘビーなお育ちで・・・。
(実父が強盗強姦で刑務所入り、自分も前科あり、中卒、日雇労働生活)
思ったより、優しそうな顔してるのが、なんか残念だわ(!)

で、ダブル受賞なんでしたね、あ、そんなこと言ってたね。
ちっとも、画面を見てなかったよ・・・。TVの音だけ聞いてた。

芥川賞のもう一人、朝吹真理子さんて・・・
父は詩人で仏文学者の朝吹亮二さん、
大叔母はフランソワーズ・サガンの翻訳で知られる朝吹登水子さん、
シャンソン歌手の石井好子さんも大叔母。

サラブレット過ぎるでしょ~。いいけど、別に。
読みたいかっていうと、どうでしょ。ま、例年のパターンだと読まない。

でも、西村賢太は、受賞作じゃないかもだけど、何か読もう。近々。
ちなみに、私が読んだのは、「瘡瘢旅行」(リンクで感想に飛びます)

写真は、しつこく寒々しい景色シリーズ。カーブミラーの、後ろ姿。

  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

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  • 2011年01月

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