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マルテの手記   リルケ

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新潮文庫
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この本を読んだのは、ベンシャーン展がきっかけ。
「マルテの手記」をテーマにした絵がとても印象的で。
その絵に添えられていた本の中の一節も、強く心に響いて。

それは以下の箇所になります。
展覧会のパネルでは、こんなに長く引用されてなかったのですが。

詩は人の考えるように感情ではない。詩がもし感情だったら、年少にしてすでにあり余るほど持っていなければならぬ。詩はほんとうは経験なのだ。一行の詩のためには、あまたの都市、あまたの人々、あまたの書物を見なければならぬ。あまたの禽獣を知らねばならぬ。空飛ぶ鳥の翼を感じなければならぬし、 朝開く小さな草花のうなだれた羞らいを究めねばならぬ。まだその意味がつかめずに残されている少年の日の思い出。(中略)しかも、こうした追憶を持つだけなら、一向なんの足しにもならぬのだ。追憶が多くなれば、次にはそれを忘却することができねばならぬだろう。そして、再び思い出が帰るのを待つ大きな忍耐がいるのだ。思い出だけならなんの足しにもなりはせぬ。追憶が僕らの地となり、目となり、表情となり、名まえのわからぬものとなり、もはや僕ら自身と区別することができなくなって、初めてふとした偶然に、一編の詩の最初の言葉は、それらの思い出の真ん中に思い出の陰からぽっかりと生まれてくるのだ。

あと、もう一箇所、引用しますね。
 
 僕はときどき、天国はどうしてできたか、死はどうしてできたかを考えてみる。それはきっと、僕たちがいちばん大きなものを天国や死のそばへ大切にしまっておいたからにほかならぬ。ほかに差しあたってしなければならぬ雑事が多かったし、大切なものをせわしい僕たちの身辺におくことは不安でならなかったのだ。それから思わず長い歳月が流れ過ぎた。僕たちは毎日つまらぬ雑事に追われていた。僕たちは自分のものをいつのまにか見忘れてしまった。そして、その想像もつかぬ大きさを今はただ恐怖するだけなのだ。と、こんなふうに「死」を考えることを、神よ、あなたは不憫な僕に許してくださるだろうか。

主人公がひたすらに書物を読み続けた時期を語る部分の描写が、
若い頃の自分を思い出させられて胸が痛むほどに懐かしかった・・・

(2014.1.19)
もっと若い頃に読みたかったと思う本に時々出会いますが。
本書もその典型的な例ですね。十代の頃に読みたかった。

つぶやき集 2014年3月(9)

ストレスで白髪が増えるって本当らしい。今年になってから目に見える勢いで髪が白くなっていってる。毎朝びっくりする。一晩で真っ白になったとかそういうんじゃないけど。昨日よりも今日増えた、明らかに分かるくらい。

ぐっと、堪えている・・・という日々。あまり今の自分は好きじゃない。非常時に弱いというよりも。やはりこういう時に地金が出てしまうのだ。自分で自分に少し、がっかりしたりもしつつ。平常時はなんだかんだ、自分で自分を買いかぶってるんだなと思い、面白く感じたりもする。

気持ちを狭めないようにしよう。辛いとき、なんかギュウギュウと自分で握りしめて押し固めてしまう気がするから。伸ばして、伸ばして。広げて、広げて。余白を作ろう。ゆとりを作ろう。皺だらけになってるかもしれないけれど。その皺を眺めて面白い模様だなと思えるくらいでいよう。

自己嫌悪の海に溺れなくても。自分のダメなとこに気付く機会が与えられたと思えば。うん。多少は人間力が向上するかもしれないし。へこたれ続けたり、卑屈になったりせず。自分で自分の気持ちを少しでも爽やかに保とう。とにかく、弱ってくると言い訳調の思考に満たされるのが、悪い癖だよなぁ。

昨日一日、ぐずっていたけれど。それも疲れちゃって、今日は落ち着いた・・・かな。うん。降りかかる重荷、と感じていたものも。ちょっと脇にどけて。私に出来ることはするけれど。心と感情は今の場所からは距離を置こう。ここに留まることはないのだから。新しく進む道のことを考えよう。

2013年12月に読んだ本

今月読んだ本・・・・・・13冊


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カラースケッチも3分 (光文社新書)「カラースケッチも3分」 山田雅夫
★★★★★


第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)「第81Q戦争」 コードウェイナー・スミス
★★★☆☆


とっておき手編みのブランケット―使い方は無限大∞心おどるハンドメイドニット「とっておき手編みのブランケット」 渡辺サト
★★★☆☆


ぷちイラストをもっとかわいく!すてきな字&デコ文字が書ける本 (コツがわかる本)「ぷちイラストをもっとかわいく!すてきな字&デコ文字が書ける本 」
★★★★☆


美しいこと「美しいこと」 赤木明登 小泉佳春
★★★★☆


あたらしい日用品 ~timeless,self-evident~「あたらしい日用品」 小林和人
★★★★☆


狼の帝国 (創元推理文庫)「狼の帝国」 ジャン・クリストフ・グランジェ
★★★★☆


インテリアのナチュラルリメイク: 小物アレンジ・テクニックブック「インテリアのナチュラルリメイク」
★★☆☆☆


「願いごと手帖」のつくり方 書くだけで運と幸せが集まる (PHP文庫)『「願いごと手帖」のつくり方 書くだけで運と幸せが集まる』 ももせ いづみ
★★★★☆


手帳活用パーフェクトBOOK「手帳活用パーフェクトBOOK」
★★★★☆


役たたず、 (光文社新書)「役たたず、」 石田 千
★★★★☆


かぎ針編みの湯たんぽカバー (生活実用シリーズ NHKおしゃれ工房)「かぎ針編みの湯たんぽカバー」
★★★★☆


接写のレシピ―江口愼一流クローズアップ撮影術 「接写のレシピ」 江口愼一
★★★★★



★★★★★ また読みたい本
★★★★☆ 堪能した本
★★★☆☆ まぁ満足した本
★★☆☆☆ どっちでもいい本
★☆☆☆☆ 時間のムダだった本

(あくまでも独断・偏見ですので悪しからず)


以下、今月の私のつぶやきです。

関連記事

つぶやき集 2014年3月(8)

怒ってるっていうより・・・やっと気持ちを落ち着かせたところで、もう一回蒸し返しになったので。気持ち糸が、プツン、と切れちゃった。理不尽で腹も立つけど・・・それよりも哀しい。「イライラ」と「モヤモヤ」と「ピリピリ」と「しょぼん」と「あ〜あぁ〜」がハモってる感じ。

ちょっと、グズグズ言って。そんな自分に嫌気がさして。ああ、みみっちい。もっと泰然自若としてたい・・・とか、キャラにもないことを考えて。と、そのうちに、ふっと。吹っ切れる(ただし一時的に)でも心の平和は長持ちしなくて。また次の衝撃が訪れるとグズリ出す・・・。そんな繰り返し。

さっきまでのあれ、何だったんだろう?っていうくらい心が軽くなっても。あっという間に、またズブズブと沈んでいく。浮き沈みが激しいつもりはないのだけれど。何しろ、この変動が疲れる。揺れで酔う。ずーっと落ち込み続けている方が実は楽だ。浮上しようという気合いだけは何故か今、溢れている。

ポジティブ過ぎると。大切なことを見落したまま、とりあえず前進してしまうだけな気がする。程々にネガティブな人の方が好き。どっしりと落ち込んだ方が良い場合も少なくないのだ。ネガティブを極め尽くした人は尊敬に値する。何しろ相当なエネルギーが要るもの。絶望できるのも才能だと思っている。

役たたず、   石田 千

2014.05.26 石田 千   comments 0
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光文社新書
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感想を書くのを忘れて長期間放置していました・・・。
もう思い出せないので、読後のツイッターでのつぶやきを転載。

片づけが一段落して、石田千「役たたず、」を読んだ。あれ?あれれ?だいぶ以前に「しろい虹」を読んだだけではあるのだけれど、自分の中に漠然とあった著者像とズレている。びっくりするくらいに共感できない。いや、最終的に「なるほど」と腑には落ちるのだが。心地よく心に納まる感じではない。

面白いのだし、言葉選びが上手だし。でも何だろう著者の感覚に違和感というのではなくて・・・ちょっと自分の守備範囲から外れていた。そして気づく。私は常に自分の好きなものを選び取っているのだな、と。自覚している以上に偏っているのだな、と。いい加減なつもりで「きちんと」志向なのだな、と。

簡単に言えば「浮世離れしている」のだけれど。その傾向が・・・うーん。うーん。要するに私には到底かなわないということで。かと言って憧れを抱くという感じでもなくて。「あ、いいな。こういう人もいるといいな」と思う瞬間と、「え、ダメじゃん!」と思ってしまう瞬間と。やはり親しみを感じない。

身辺雑記的なエッセイにすべからく共感しなくてもいいのだし、出来る方がおかしいのだし。だけど何か読んでいるうちに勝手に親しみをおぼえるような、目出たい人間なはずなのだ、私は。だけど、どうにもモゾモゾ・イガイガした。この場合、同類嫌悪というのが考えられるけど、そうでもない気がする。

自分では、ぼんやり・ぼけーっと人間なつもりでいたけれど。悪い意味でそうではないことに気づかされたというか。別に頑張らないところで頑張っちゃってる人間なのだなという気がすごくした。それにしても、本は付箋で膨れ上がった。まだらに、やはり共感はしている。馴染めないのはトーンなのか。

あけっぴろげなようでいて、でも。作為を感じる。ところどころ好きだけど、やはり全体的には何か好きになれないところがある。「しろい虹」はとても良いと思ったから。また次は小説を読んでみよう。たぶん、小説のイメージで読んだから違和感があっただけかもしれない。


(2013.12.29)
あの・・・すみません。「しろい虹」もエッセイなんですよね。
エッセイ風小説だとばかり思い込んでおりました。
だとすると、あのやわらかな雰囲気は何処へ行っちゃったの?
「しろい虹」の時より、苦い感じです。まぁ仕方ないかなぁ。
私自身を振り返っても、歳を重ねるってそういうことかもしれない。
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