Loading…

シェルシーカーズ〈上〉  ロザムンド・ピルチャー

Posted by 彩月氷香 on 29.2015 ロザムンド・ピルチャー   0 comments   0 trackback
4931284086

朔北社
Amazon

それはどう考えてもワクワクすることが起こりそうにない生活だったが、エセル叔母さんは毎日をせいいっぱい楽しみ、いつも金づまりのはずなのに、それを心おどる、期待にあふれたものとしていた。

人はいつも老人の孤独について語る。しかしペネラピは自分に与えられた孤独を楽しんでいた。

父さん、よく言ってたわ。「人生は折り合いにつきる」って。

読むうちに言葉の一つ一つが溶けては消えていった。雨に洗われているガラス窓をとおして見た、さまざまな形のように。幸福を容易に見出す能力をもっていたソフィー。彼女は単に幸福を見出しただけではなかった。その全存在から幸福が輝き出ていた。

いつもながらごくありふれた素材から、ただ楽しい雰囲気をつくりだすだけでなく、目に快い風情をたくみに演出する母親の生まれながらの才能に感嘆せずにはいられなかった。

 独立自尊。それこそ、人生の大切なキーワード、運命が人に投げつける、どのような危機も乗り越えさせてくれる、ただ一つのものだ。自分自身でありつづけること。他に依存せずに独立独歩で生きること。あらゆる才能で才覚を働かせ、自分のことは自分で決めて行くこと。自分の余生についても、自分で決断をくだし、自分でその航路を定めて行くこと。

主人公のペネロピが、素敵過ぎます!
老いることに希望が湧いてくるような、魅力ある女性。

潔いんですね。そして精神が豊かで自由。
伸びやかな心の持ち主って、見ていて清々しい!

こちらの気持ちもぱぁぁっと晴れるようです。

それに比べて私と来たら・・・とグズグズ落ち込もうにも、
その代役のように、彼女の子供たちがダメダメぶりを発揮。

なぜ、この母にして、この子????
うん。それが作品として良い按配になっているんです。

(2015.2.23)
気にいったところを幾つか引用しましたが。
最後の一文、「航路」としているところがもしかすると、
まるで違う言葉かもしれません・・・
慌てて打ったせいか「コーウ」となっていて。
だとしたら「航路」?と推測したんですが。
うーんでも、何か違う気も・・・

ヴァイオリン職人の探求と推理   ポール・アダム

Posted by 彩月氷香 on 27.2015 その他 翻訳ミステリ   0 comments   0 trackback
4488178057
創元推理文庫
Amazon

「美しいものを作りだすことにこんなにも情熱を持つ— こんなにも才能のある人を—目にするのは気持ちがいいわ」

弾いているうちに、自分の思考が音楽の中に溶けて心がほとんど空白になるのがわかった。

音楽も。物作りも。
自分がやるのが好きというよりも。
それに関する才能のある人を見ているのが好き・・・かな。

羨ましいのは勿論、ありますが。
ただ単純に、なんだか見ていて嬉しいのです。
美しいものを生み出せる人が存在しているって、いいな。

そんな私にとって、心地よいミステリーです。
まぁ・・・物作りにも「お金」は絡んでくるわけで。

才能が不足している人間の妬みや勘違いから来る、
理不尽なる仕打ちというものも存在するわけで。

そういう現実の泥臭さも含めて、楽しい世界。

それにしても。
楽器ってどうして、こんなに魔物めいた魅力を持つのでしょう。

(2015.2.20)

コージー作家の秘密の原稿   G・M・マリエット

Posted by 彩月氷香 on 25.2015 G・M・マリエット   4 comments   0 trackback
4488221033
創元推理文庫
Amazon

アガサ賞受賞作品。
クリスティーの影響が感じられる作風です。

先にシリーズ第二弾を読んでしまいましたが。
別に順序が前後しても不都合はなかったようです。

フェアかアンフェアか、と問われそうな感じもしますが。
私のこういう風に騙されるのが好きです。

(2015.2.11)
関連記事

北風のうしろの国  ジョージ・マクドナルド アーサー・ヒューズ

Posted by 彩月氷香 on 23.2015 翻訳 ファンタジー   0 comments   0 trackback
4150203989
ハヤカワ文庫 FT
Amazon

かれがもしも北風のうしろの国に行ったことがなかったら、泣きべそをかいたかもしれない。しかし泣く代わりにかれは、なつかしい家具が一つ残らず新しい住まいに納まっているのは何よりだと考えた。そして環境の変化を嘆いて母親をいっそうみじめな思いに誘う代わりに、そこの長所を数えあげようとした。どんな場所にも長所はあるもので、短所より長所を探し出す方がいつだってどんなにいいか知れない。

 天才とはどういうことだろうと子どもの読者にきかれたら、なんとか説明しようとつとめるべきだろうか?それともはじめからあきらめてしまう方がいいか?わたしはただ一つ、たいへん簡潔な答をしようと思う。天才とは、誰に教えられないでも物事を理解できる人だと。神はそうした天才をおりおり創造され、かれを通じてほかの人間を教えようとなさるのだ。

何で書き抜いたのかが、わかるようなわからないような。
(ずいぶん以前の話なものですから・・・ごめんなさい)

心の美しさというものを。
どこか懐かしく感じるような。
キリスト教的な道徳観で描き出しています。

それが主題なわけではないとは思うのですが。
尊く、切なく、哀しく、報いられない。

あ。違う。キリスト教と限定することもないですね。
日本の(日本に限らず世界の)昔話、民話を思い出させる。

ファンタジーというけれど。
壮大な夢物語ではなくて。物悲しくて生活感がある。

神さまというのは。宗教の違いに関わらず。
幼きものに優しいようで、厳しいと感じます。
でも、それが魅力でもあり。真実でもある・・・と。

昔話って、たいてい、哀しくないですか?
私、あれがどうにも苦手で・・・
なのに、その哀しみを噛み締めるように
何度も何度も読むような子どもでしたっけ。

弱き者に厳しい世界を直視する。
幼いからこそ、恐ろしくてもそれが出来る。
それを悲嘆したり、恨んだりもせず。
ただ、まっすぐに受け止めることが出来る。

読み終えて、胸がしーんと静けさに包まれました。

(2015.2.11)
関連記事

ジョーカー・ゲーム  柳 広司

Posted by 彩月氷香 on 21.2015 柳 広司   0 comments   0 trackback
B00Q4K0E92
角川文庫
Amazon

陸軍中野学校がモデルで。
この学校の生みの親の秋草俊陸軍少尉をモデルにしているそう。
ただし、本書に出てくる結城中佐は作られたキャラクター。

映画化されましたよね、最近(見てませんけれど)。
うーんとね。何だろう、期待していたほど面白くなかった。

柳 広司さん、好きなんですけれどねぇ。
スパイっていうのも、私の好物要素ですし・・・

良くも悪くもシンプルで淡々としていて。
もともと、作風もそうだったけ?と思いながらも、
少々物足りなく感じてしまいました。

ていうか、著者の作品の中では出来が悪いですよね。
もしくは、今まで見落していたけれど、
この人の悪い癖が散見されるとでもいいましょうか。

悪い癖って何だよ、とか突っ込まないで下さい。
この感想を書いているのが読後から数ヶ月経っていて、
具体的に説明は出来ません・・・ただの印象です。

ひとことでザックリ言うと、看過できない不自然さ?
うーん。違うかも・・・
いや。ホント、なんだか申し訳ないです・・・
(曖昧な記憶でもって、作品を貶す私って。ううぅ)

それでも著者の作風を好きなことには変わりはないです。
続篇を読みたいかというと微妙ですが。

このシリーズ以外のを、読んでみようかな。

(2015.2.4)
この世界観が好きな人には魅力ある作品だと思います。
なんか、ただピンと来なかったのですよねぇ。

  

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

<別館のご案内>
Instagram
99%、花の写真です。

moleskine絵日記
ちいさな絵日記。

カテゴリ

最新コメント

データ取得中...

月別アーカイブ

***