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苦役列車  西村賢太

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新潮社
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中卒だし。父親は性犯罪者だし。働く気はないし。モテないし。
金もなければ、向上心もない。ないない尽くしの主人公(=著者)。
潔く、開き直っているわけでなく。中途半端なプライドもある。

ただ、だから負けずに頑張るとかいうんじゃ、全くない。
とりあえず、かつかつ食べて。ねぐらがあって。
時々女が買えれば、まぁ良しとする。

シンプルだ。これはある意味、清貧な生活(あ、違うか)。
煩悩だけは有り余っていてもモノがなく、友もなく、しがらみが無い。
大きな声では言えないが、ちょっぴり羨望すら湧くのである。

とにかく自虐の嵐。なんとも粘り強く、下卑た自虐。
しかし、えげつないような描写も多々あるのに、妙に端正だ。
韜晦と自己弁護を延々と聴かされたなら、うんざりしそうなものなのに。
これが読ませる・・・惹きつけられて、頁から目が離れない。

何だろう。「ここに私がいる」。

何不自由ない、普通の家庭に育ち。
汚いものは、「見なかったことにしよう」と思う部類の綺麗好き。
努力でなんとかなるなら、努力で浄化しますともさ!

ダメな自分も、閉じ込めて蓋しちゃえ!
うわべを美しく繕うことなんて、簡単、簡単。処世術の初歩ってもんだ。

でも。でも。駄目な自分から抜け出せなくなり。抜け出す気もなくなり。
親のせい、社会のせい、生まれ持った性分のせいにして、
開き直ったふりをしつつ、自分をネチネチ責め続ける・・・。

暗がりの穴倉に閉じこもったきり、光なんて見たくもないし。
だんだん、自分をいじめることに歪んだ喜びすら生まれてくる。

慣れる、とか、開き直るとか、そんな甘っちょろいもんじゃなく。
やがて腐って爛れて、悪臭が漂ってくるような・・・
そんな日々は、私じゃなくても経験ございませんでしょうか?

さらに進めば、精神の腐敗も発酵して美酒に化けるのかもしれない。
本書を読んでいて、ふと、そんな突拍子もないことを思う。
私は、そこへは行きつけない。多くの人は行きつかない。幸か不幸か。

どこで、こんな絶妙な呼吸を習得したのやら。
苦くもどこか清涼な滑稽味。自虐の隙間の自己観察力。鋭い客観性。
思いもかけぬ方角から、攻め込まれた!やられた!という感じ。

(2011.5.28)
「瘡瘢旅行」の方が、うわぁ~嫌だ~と鼻をつまみたくなる迫力があります。
それとくらべれば、大人しいとも言える。文体のアクもあっちのが強い。
本作を読んで、懲りなかった人はぜひチャレンジしてもらいたい怪作です。
ただ、覚悟は持って挑んで下さい。何とも表現し難い味わいです。

「何もない」と申しましたが、彼には「文学的野心」があります。
併録の「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」に見えるそれも見どころ。


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つい先日、「バッドエンドな本はあんまり好きじゃない」と言ったけど、この本は「ちょっと」興味があります(どっちよ??)以前この本テレビで紹介されていたのを見たことがあります。そうそう、主人公が著者の人、ご本人なんですよね。彩月さんの記事も読ませてもらったけど、最後の最後までまったく光が見えてこないですね(笑)

ただ、読んでいないのに感想言うのも変だけど、この本からは狙っていないバッドエンドな感じが伝わってきました(彩月さんの記事からも)肩肘張らずに自然にバッドエンドというような…(笑)

積極的に自分が読みたい本じゃないけど、今度見かけたらパラパラ手に取ってみるつもりです。ただ、単純にブクログに登録するのはやめました。ほんとに図書館&本屋で探してみます♪


2011.06.13 00:59 | URL | だいすけ #JyN/eAqk [edit]
「バッドエンド」というより「バッドライフ」?
始まりも終わりもなく、これからも続く・・・とはいえ。
芥川賞を取って、彼の生活も変わったのかなぁ?
そこも少し興味あります。今後も追っかけるつもり。

正直、私も全然読みたいタイプの小説ではないです。
でも、なんか圧倒されつつ、共感もあります。
・・・というと人格疑われそうなくらいですが(笑)

「ぜひ、読んでみて下さい!」というノリの小説ではないし、
合わない人には最悪な印象かなぁと思いつつ。
この本が似合わない(これ褒めてます、心から)だいすけさんが、
どんな感想を持つのか知りたい気持ちもあります。

もしも読んだら、正直な感想、教えてくださいね~♪
2011.06.13 08:32 | URL | 彩月氷香 #b98C2Btc [edit]


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時々、写真や雑記も。

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  • 苦役列車  西村賢太
  • 2011年06月13日 (月)

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