FC2ブログ
Loading…
 

オリーヴ・キタリッジの生活  エリザベス・ストラウト

4152091622
早川書房
Amazon

連作短編集です。
中心に「オリーヴ・キタリッジ」という女性が据えられてはいますが。
いわば、アメリカ北西部の小さな港町クロズビーの住民たちの物語。

アンダーソンの名作『ワインズバーグ・オハイオ』を想像してもらうと近い。
短篇が重なり、関連し合いながら、長編を作り上げている印象。
人を描きながら、街を描いている・・・という、あの雰囲気。

すこぶる上手い。好きなタイプの小説ではないけれど。

そもそも。オリーヴは、あまり好かれない女性だろうと思う。
そこが・・・そんな女性を中心に描いたことが、この小説の肝なのだ。

感じが良いとは言えない、どちらかと言うとマイナス寄りの平凡。
そこに宿るリアリティは、お世辞にも美しくなく、夢もなく。
愛だって、ある・・・?怪しい。誇りとも諦観とも、どちらとも離れた日常。

現実の泥がたっぷりと降りかかってくるので・・・
ちょっと、顔を洗いたくなってくる、そんな印象。

毒がある。けれど、人生への優しさもある。
救いはないけれど。小さな潤いはある。
いや、生きることは、このように滑稽な残酷さに占められているものだ・・・

(2011.9.3)
週間ブックレビュー(NHKBS)で紹介されていた本です。

そうそう。先日私が号泣した「最後の冒険家」の著者、
石川直樹氏も、この回のゲストで。
この本について、「読むのがしんどかった」と言っていました。

ふふふ。そうだろうなぁ。彼には全然、似合わない本だ。
私以上に。いや。私も歳をとったから、まだわかるけど・・・
若い人には、わかりたくもないような、そんな要素のある作品だ。

だけど。それだけに。読み終えて得体の知れない満足感が。
なかなか、こういうものは書けないと思います。素直に感嘆させらる。
お若い人よりは、ある一定の年齢以上の方にオススメな本かな。



ワインズバーグ・オハイオ (講談社文芸文庫)ワインズバーグ・オハイオ
(講談社文芸文庫)
シャーウッド・アンダソン
私は新潮文庫で読みましたが、絶版のようです。
すきっとした物語が好きな人には歯がゆさがあると思いますが。
じわじわと沁みてくる滋味のある、味わい深い小説です。

実は高校時代に読んだ際は、良さがあまり理解できませんでした。
この本を勧めてくれた同級生は私より大人だったんだなぁ・・・


関連記事

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.10.03 21:36 | | # [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.10.03 22:25 | | # [edit]


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://raffiner.blog70.fc2.com/tb.php/1154-d3c5f005

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています。

表示中の記事

  • オリーヴ・キタリッジの生活  エリザベス・ストラウト
  • 2011年10月03日 (月)

カテゴリ

カテゴリー 月別アーカイブ

 

***