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読まず嫌い  千野帽子

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角川書店
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タイトルと著者名(帽子さん?)から、もっと軽い読み物と予想していた。
意外にも、文章のタッチこそポップだけど、内容はかなり骨のある文学論で、
しかも面白くて、読みやすい。・・・すごく、トクした気分。

ありきたりのいまの小説に飽きた私たちにとって、ほんとうに新鮮なものとはなにか。それはジャンルとか「空気」といったものがまだないところで書かれた古い作品、不滅の名作や忘れられた名作なのではないか。

「本を読むことなんて、いいことばかりではない。夢中になると、ほかのことが手につかなくなる。読めば読むほど、私のような碌でもない役立たずになってしまうかもしれない。なにが碌でもないと言って、自分の碌でもなさをすべて本のせいにしてしまっているのが碌でもない。

随所に共感できるところがあったのも良かった。
上記2か所は、とくに、うんうん、と首を縦に振りながら読んだ。
帽子さんは学生時代、授業中に机の下で読書したそうで、私と同じ!

本書で登場する名作たちも、ほぼ読了済みだし、
私も結構、へんてこな隠れた名作を読んでると自負しているけど、
著者も言う通り、普通に読書していると、
一生かかっても文学全集は読み切れない計算になる。

そろそろ、本当に読みたい本が何かを真剣に自らに問わないと、
イマイチな本ばかり読んでるうちに人生が終わってしまうよなぁ。
文学は独特の、一段違う満足感を与えてくれるんだよね、やっぱり。

名作なんて、と思ってる人に是非、読んでもらいたい本。
きっと、名作を読みたくなるはず。

ちなみに、帽子氏も何度か登場させている、「文学全集を立ちあげる」
(丸谷才一、三浦雅士、鹿島茂)は数年前に読んだけど、これ、最高。
架空の文学全集を編集する3人の会議の記録なんだけど、
それぞれの文学論や読書の思い出が織り込まれてて。楽しいです。

文学そのものより、文学とは何か、を考えることの方が
実は、面白かったりするのだ。
勿論そのためには、「文学」を語れるくらいの幅広い読書量と、
高い知性と教養が必要なんだけどね。
私?ええ、すみません、語る資格はございません・・・

文学全集を立ちあげる (文春文庫)文学全集を立ちあげる
文春文庫

(2010.3.31)
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時々、写真や雑記も。

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  • 読まず嫌い  千野帽子
  • 2010年04月01日 (木)

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