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『なずな』堀江敏幸

4087713776
集英社
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「なずな」という名前の赤ちゃんを預かった、中年男の日常。
子育ても男目線だと、何だかとても新鮮で。
日々成長する命への愛おしさが静かに心に満ちてくる。

牧歌的な毎日とはいかず、育児やつれの激しい主人公に。
幾つもの、温かな救いの手が差し伸べられる。

赤ちゃんは天使で。周囲を幸せにするなんて幻想だと。
そう思える世の中に、こういう心温まる物語があってもいい。

赤ちゃんと暮らすことで、書く文章にまで違いが現れる。
(男は、地方新聞の記者なのである)
そのくらい、気付かされること、学ぶことがある。知らず知らずに。

たぶん、男と赤ん坊の距離が程良いのかもしれない。

感情的にならず、先入観もなく、「大切な預かり物」として。
無心に、精一杯に、見守り育てる男の誠意と愛情は、きっと。
まだ物言えぬなずなちゃんにも、伝わっているのでしょう。

彼の子育てをサポートする人々も魅力的で。
その人間模様も、心に潤いを与えてくれます。

生まれてたった三カ月で、両親と離れるという不運が
預かった者にとって、かけがえのない美しい時間の贈り物になった・・・

夢のような話かもしれないけれど。

「私は守っているのではなく、守られているのだ、この子に」
この言葉に共感できる時間を持った人もたくさん、いらっしゃるでしょう。

(2011.11.13)
現代は、子供を育てることに不安を抱く人が増えていると思います。

確かに考え出したらキリがないほど、不安材料がありますし、
不幸な事件の情報も大量に溢れていて、嫌でも耳に飛び込んできます。

そんな時、この本を読むと赤ちゃんを迎えること、育てることが、
「楽しみ」に感じられるのではないかしら・・・。
(子供を持ったことのない私が偉そう言えることでありませんが)


関連記事

読んでみたいです。

堀江さんは大好きで、いつか王子駅でや雪沼とその周辺、正弦曲線などを読みました。

特に雪沼は傑作だと思います。日本語が美しいですよね。
2012.09.25 21:57 | URL | トトラ #- [edit]
堀江さんの文章は、読んでいて心が落ち着きますね。
雪沼、実はまだ読めていないんですよ。
ゆっくり時間のある時に味読したいなと思って。

大切に眠らせています。ふふ・・・いつ読もうかな。
2012.09.27 10:39 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 『なずな』堀江敏幸
  • 2011年11月22日 (火)

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