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音楽と生活―兼常清佐随筆集  杉本秀太郎 編

Posted by 彩月氷香 on 23.2012 音楽   4 comments   0 trackback
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岩波文庫
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古い本です。友人に借りたもの。
感想は・・・難しい。面白いんですが、その面白さが複雑です。
音楽に関する評論、随筆を集めたものですけれど・・・

かなり挑発的な調子なので、最初びっくりします。
中でも「名人滅亡」という小文には、カルチャーショックを受けます。

タイトル通り、「名人」をぶった切る。演奏家の名人など不要。
ベートーベンのピアノソナタも、機械が弾けばいいのだ、と。

ここから展開されて行く著者の自説は、けっこう強烈です。
合理性ということを連呼なさるので、まったく私とは気が合わない。
で、反感たっぷりに読み進みつつ、気がつくと納得させられている。
いや・・・納得はしないのだけど、すごく真剣に考えさせられる。

そもそも・・・「音楽」ってナンナンだ?

柄にもなく、自分と音楽との関わりを振り返り、思い出を辿りつつ、
「音楽」を理性的に捉えようとすることの意義と可能性を考えてしまった。
時代と音楽・・・人間と音楽。生活と音楽。

言葉と文化と歴史と。
音楽は何と親しく、また何に縛られているのだろう?

音楽も自由ではない・・・というよりも。
音楽を作るのも、演奏するのも、聴くのも真の意味では自由ではない。
無意識に踏襲している作法だか、クセだかに囚われている。

うーん。音楽は私の得意分野ではないのですよ・・・実のところ。
私が音楽に関わるスタンスは、たぶんちょっと変わっています。

その訳を辿ると、また新たな自己の発見もあるような気配。
で、頭の中ではそれをほじくり返していたのですが。
到底、書ききれる分量ではないので、この場にて語ることはやめておきます。

もしも、機会があれば、また別の場所で。

(2012.2.18)
哲学に興味のある人には、こう説明するとわかりやすいかな。
カントの「純粋理性批判」的な意味で「純粋音楽批判」という趣向だ・・・と。
(私自身、カントをちゃんとわかってる訳ではないんですが^^;)
後半は著者のフィールドワークの日本音楽の源泉を辿る話になり、
正直、そちらはあまり私の興味は惹きませんでした。
「名人滅亡」「音楽の合理化」「音楽会の迷信」という最初の随筆が、
かなり、ワクワクさせてくれる知的な面白さでした。


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こんばんは。
『音楽と生活』。岩波だけあって、かなり重たそうな本ですね...
音楽、わたしもあまり得意じゃないんですよね。
いや、聞くには聞くし、クラシックも好きなのですが、それがただ好きというだけで、多少の歴史を勉強しても、いまいち理解がし切れないといいますか。
絵画をみるのと描くの。
小説を読むのと書くのとでは、また違う技術(?)だと感じますが、音楽ことさら別物のように思ってしまうのが原因なのかもしれません。
2012.02.24 02:16 | URL | #JyN/eAqk [edit]
はい。岩波っぽいですよ。でも、意外と重さは感じません。
古いのに新鮮、っていうのが一番、ぴったり来ると思います。

ええ。なんか音楽って。無駄に難しすぎません?
まさに私も「聞くには聞く」の世界です(笑)

歌うのもダメだし、演奏もダメだし、聴くのも得意じゃない。
邦楽には殆ど興味なく。洋楽少々、クラシックまぁまぁ、
ジャズとロックも、ボチボチ、パラパラ・・・。

好きなんだけど・・・「好き」と公言しきれぬ中途半端さです。
なんか、どこをどう広げてったらいいのか、
どこが聴きどころなのかが、よくわからなくて。
「好き」に確信というか、背景が生じないんですよね。
なので、なんか心細いっていうか・・・。
絵や書物には、こういう感覚、ないですよねぇ。なんでだろう。
 
あ。だとしたら。慧さまも、この本の最初の随筆なんかは、
すごく面白いと感じられると思いますよ。
2012.02.24 20:01 | URL | 彩月氷香 #b98C2Btc [edit]
私は、音楽をいろいろ聞きますが、
音楽に合理性ですか~。なんでしょうね。気になりますね~。
『岩波文庫』は翻訳のあたりハズレが大きいですけど、安いのでついつい購入してしまいます。

対比説明で、カントの『純粋~』が出てきたので、驚きました。
氷香さんの説明から想像すると、文面は、ショーペンハウアーの表現の仕方に似ているのかもしれませんね。
2012.02.28 00:19 | URL | kappamama #JyN/eAqk [edit]
私もジャンルは問わずに聴くのですが。
どうも、音楽は必要がない(なくても生きていける)タイプらしいです。
絵心以上に、歌心はない人間だと思っています。

合理性を突き詰めて、純粋な、厳密な意味での「音楽」に到達する。
・・・というようなことは、私はまぁ無理だろうと思うのですが。
可能性としては面白いし、何せ、ド古い本なのでね・・・
現代では、コンピューターの力で可能になっていることのようにも。

「カストラート」って映画で、人工的に作った声で歌手に歌わせてたのを、
そういえば、ふと思い出しました・・・
音楽好きの友人は、「鳥肌モノの美しさで涙が出る」って感想でしたが、
私は、「この声、気持ち悪くて吐きそう」って思ったのでしたっけ。
(まぁ、これはちょっと論点がズレてる話です)

ショーペンハウアーですか。うーん。忘れちゃった^^;
哲学も好きなのですが、なんとも生噛りなもので・・・
ゆっくり読みなおしたいなぁと、ずーっと考えているのですが。
読んで感想を書いたら、恥をかきまくることになりそうで怖いです。

ははは。岩波の翻訳!確かにキツイのもありますねぇ。
私は翻訳の悪い癖みたいなのに、鈍感らしく・・・
現代風な、こなれ過ぎた訳よりは、ややギクシャクしてるくらいが
読みやすく感じるという変人なのですけど。
それでも、「これはナシだろ~」って思う時もあります(笑)
2012.02.28 08:51 | URL | 彩月氷香 #b98C2Btc [edit]


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  • 2012年02月23日 (木)

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