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祈りの海  グレッグ・イーガン

2012.03.29 SF   comments 0
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ハヤカワ文庫SF
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アイデンティティ。
「自己」の認知と証明。

自分の存在の危うさを、科学的に・・・というよりも。
意識の迷宮の中で、鮮明に浮かび上がらせる。

多様な世界観を持つSF短編集でありながら。
著者の抱いている主題は一貫して揺るがない。

どんな未来、宇宙、社会においても。
「個人」は、その思念は、自己認識は「在る」と言えるのか。

そもそも現在においても。
私が私であることを保証し、支えているものは何だろう。

一見、静かな絵なのに。
じっと見つめていると大きな渦を描いて動き出すような、
仕掛けの潜んだだまし絵に飲み込まれて行くような感覚。

どんな場面においても、人間は「自分」を探し求めている。

(2012.3.29)
人類の起源とそれを装飾する欺瞞的な神話。
命の尊厳を破壊するような遺伝子操作や技術開発。
どちらもSFの定番のテーマでありながら、とても新鮮に感じた。
「個」の問題にこだわる著者の執拗さが生む、静かな迫力・・・?
SFでなくても描けるかもしれないけれど、SFであるからこその切り口。
SFが苦手な人にもお勧めしたい、傑作短篇集です。


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  • 2012年03月29日 (木)

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