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君のいない食卓  川本三郎

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新潮社
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食に関するエッセイ、という体をなしてはいるが。
あまり、食べ物のことは印象に残らない。

それよりも、人。
食べ物の傍らにいた人物の思い出。

旅先で出会った人や、店の主人だったりするが。
陰の主役は著者の奥様である。

これが。なんとも優しい。柔らかい。
タイトルから想像して、もっと悲哀の色が濃いと予想したけれど。

そういうのではなくて。
日だまりの温もりが、陽が陰った後も残っているような。
人が座っていた座布団に、微かに残る体温のような。

それが少しずつ、冷めて行く・・・。

食卓を。このように振り返ることができるなんて羨ましい。
私も。「食べる」行為をもっと慈しみたいと思った。

それは美食、ということではない。
味だけでなく、食事の風景をも、じんわり身に沁み透らせるように、
心でしっかりと咀嚼して食べるということなのだ。

(2012.3.17)

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  • 君のいない食卓  川本三郎
  • 2012年04月13日 (金)

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