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犯罪  フェルディナント・フォン・シーラッハ

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言ってみれば、「犯罪短篇集」。
すべてが犯罪の話。これは新しい。

ミステリ的な意味の犯罪とは違う。
・・・違うんだが。どう違うんだろう?

まず。犯罪者が大抵、間抜けである。哀れである。
さらに。罪を免除される場合も少なくない。

そもそも。何が罪であるのかが、わからなくなってくる。

私が好きなのは、『棘』という作品だが。
彫刻にこだわり過ぎた男の、奇矯な犯罪の話である。

どの犯罪も、共感するのは難しい。
ちょっと、そういう域を超えている。

いや。罪に至るのはわかる気がするんだけれど。
そのずっと前に、違う解決方法があったはず、と思えるのだ。

だが。人間は。そうわかりやすい逃げ道へは進まない。

犯罪そのものというより。
罪を犯さざるを得ないところまで自分を追い込んでしまう人間の、
業なのか、悲哀なのか、滑稽さなのか・・・

これが。すこぶる面白い。
その可笑しさが、鋭く切り込んでくる。
痛みを感じないほどに、切り口が鮮やかで。

気がつくと、流れる鮮血を見下ろしている・・・

(2012.3.28)
気が早いけど、私の読書の中で今年のベスト10に必ず入ると思います。
読んで良かったなぁと、満足のため息が出た作品でした。



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  • 犯罪  フェルディナント・フォン・シーラッハ
  • 2012年04月15日 (日)

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