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マキアヴェッリ語録  塩野七生

4103096276
新潮社
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なぜ古典は敬遠されるのか。理由の一つは膨大な「註」である。
・・・と、かように塩野女史はお考えになりました。

で。マキアヴェッリを読むには「註」なんぞ不要、取り払ってしまえ!
いや。西洋では元々なくてもなんら問題はないそうで。

それは言ってみれば、聖徳太子や信長に「註」がいらないのと同様で。
西洋では説明不要の偉人たちしか登場しないからなのだけど。
日本ではどうかというと。ローマ史に精通してる人は、そうそういない。

つまり、やっぱり、どうしても、註は必要。
ここで塩野女史、思い切った手段を取ります。

「註」がないと理解できないところは省いちゃえ!
それで出来たのが本書。完訳でもなく、要約でもなく、抜粋。

これは・・・いいですね。好きですね。
この形でも、マキアヴェッリの思想はよくわかる。
何より解説がないことで、自分で読む楽しみがある。

『君主論』を読めばわかることですが。
軍事力の重要性が、前面に強く押し出されている上に、
民衆の管理について、極めて冷徹な思想を持っている。

よって彼の思想は「人倫の道に反する」と非難されることが多い。
擁護する人も「あの時代にはやむをえなかった」と言うに留まる。

塩野女史は、どちらにも賛成しない。
マキアヴェッリの思想は、正否はともかく普遍性のあるものであり、
彼の生きた時代の特殊性を強調すれば、そのことを否定することになる。

ではマキアヴェッリの思想とは何か?
「政治とは、場合によっては人倫の道に反することもやらねばならない」

そりゃ、これを民主主義の社会が受け入れるわけもなく。
キリスト教が容認するわけもなく、いや仏教だって駄目だろう。

塩野さんは正しいか正しくないかではなく、選択の問題とおっしゃる。
「政治と倫理を切り離す」ことを是とするか、否とするか。

実はね。私はどちらかというと賛成の方になります。
倫理を否定するのではなく、政治に倫理はさして求めません。
そして、この道を歩むのは実はとても厳しいことだと思っています。

ま。それはさておいても。考えさせられることの多い本です。

マキアヴェッリは「力」として「軍事力」を考えていたけれど。
現代の「力」は「情報」なのではないかな・・・とか、ね。
軍事力以上にマスメディアが力を持つ時代になって。
たぶん、現代に生まれたらマキアヴェッリは違うことを書いたかな。

それでも。もしも賛成できないとしても。
彼の人を見る目の鋭さと、それを表現する言葉の力は非凡なもの。
陰鬱で、シニカルで。冷酷で。そして・・・、繊細。

君主は愛されるのと怖れられるのとどちらがいいか、と問うて。
両方兼ね備えるのが望ましいが、一方であれば怖れられる方、と答える。
なぜなら、人間は怖れている者よりも愛している者の方を、
容赦なく傷つけるという性向があるからだ、と。

こんなペシミスティックな考え方に賛同したい人は少ないと思うけれど。

為政者であるということを。その存在の意味を。
ある究極まで考え抜いた一つの形として。魅了される読み物です。

(2012.4.23)
政治に正直、あまり興味はありません。それでもマキアヴェッリは面白い。
「君主」はリーダーに置き換えて読むことも可能です。
組織の上に立つ人は一度は読んでみるべき本ではないでしょうか。
リーダーなんて立場と縁のない私のような人間にとっても、
「リーダーはどうあって欲しいか」を考えることで視野が広がります。
受け身の側だからこそ、思い至ることもあると思います。



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マキャヴェリは、
チェーザレ・ボルジアを理想的君主に見立てているとどこかで読んだ覚えがあります。
かの、ニーチェ先生もお褒めです(笑)。

基本、管理職や経営者はペシミスティックな思考を強いられることが多いようですね。シビアな判断を迫られることが多いためでしょうね。
2012.04.30 00:50 | URL | kappamama #JyN/eAqk [edit]
ええ。ニーチェ先生もマキャヴェリはお好きでしょうね。
同じ匂いがしますもん(笑)
私は昔から「中途半端」なものが嫌いな傾向があるので。
マキャヴェリはとてもお気に召します(笑)
2012.04.30 07:01 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 2012年04月27日 (金)

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