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転迷―隠蔽捜査〈4〉  今野 敏

2012.05.29 今野 敏   comments 0
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このシリーズ、大好きなんです。
しつこいようですが、主人公の竜崎氏がツボ。
この、偏屈で妙な正義感に溢れたオジサンの言動、
ほんとにいつまで経っても飽きません。

共感できるか?と言えば。
自分自身に彼と共通する要素が皆無で。
憧れるというには、颯爽とした格好良さが無くて。

でもね。でもね。こういう風に生きられたらいいなと思う。

ガチガチの上下関係と縄張り意識で凝り固まった組織の中で。
この人、なんでこんなに自由なんだろうなぁと感心する。
それがよくある一匹狼なんかじゃなくて。
出世街道からは脱落しつつも、バリバリのキャリアだし。

官僚である自分に誇りを持てちゃうという人なのだ。
一方でヘンなプライドはなく、階級にビビることもない。

誰もが難問、行き詰まり、不可能、と思う局面で。
「なぜだ?」とケロっとしている彼を見てると元気が出てくる。

できないことをやろうとするからうろたえるのだ。
できることをちゃんとやればいいだけだ。

・・・というのが。彼の言い分ですけれど。
いや、だからね。何が出来ることで出来ないことか見失うんですって。
最優先事項から順に、と思ってもどれもが重要に思えるんですってば。

しかし。彼は悩まない。いや。悩むことはあっても一瞬で解消する。
今考えてもわからないことは考えない。ああ・・・見習いたい。

こういう人が傍にいたら。一日中、口をあんぐり開けっ放しかも。
筋は通ってる・・・けれど。通り過ぎてて唖然とする。
えっと。そこには大きな山が立ちはだかってた筈ですが。
あの・・・あのぅ・・・いつの間にトンネルを開通させたんですか?

彼の悪友、否、腐れ縁の伊丹氏も、段々強くなって来た感じ。
竜崎氏と付き合ってるうちに鍛えられて来たかな。

彼の家族もいいですね。奥さんと息子さんと娘さん。
警察内のゴタゴタに終止していそうに見えて実は、家族も重要なテーマ。
家庭を顧みない頑固親父かと思いきや、いつも家族に振り回されてて。

この強烈な父のキャラに負けてない子供たち、応援しちゃうな。
しかし何と言っても、妻の眼力と胆力も特筆もので。
竜崎夫婦の会話の場面はいつも笑えてしまいます。

(2012.5.11)
今野敏氏の小説は読後感の爽やかさが特徴で。
それは長所であると同時に弱点にもなっていて。
「爽やか過ぎる」という残念な印象を残す事が多いです。
このシリーズに関しては、その懸念がありません。
爽やかには違いないけれど、ちゃんと胸に収まります。



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  • 転迷―隠蔽捜査〈4〉  今野 敏
  • 2012年05月29日 (火)

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