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おれの墓で踊れ  エイダン・チェンバーズ

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徳間書店
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例によって、早とちりな私は。
ハードボイルドミステリだと思って読み始めました。
なんか、それっぽいタイトルじゃありません?

青春小説だったんですね。途中で気がつきました。
苦手で、なるべく避けるようにしていたのに。

しかし・・・

これは凄い。ほんとうに。こんな風に書けるものなのか。

墓の上で踊る少年の心理が、胸に迫る。
迷いと、不安。求めながら、拒絶すること。
強く願っていることを自らにも認められない矜持。

強固な自我の向こうに透ける研ぎすまされた共感力。呼応能力。
伝染病のような・・・あの独特の熱。

熱いのに、冷めているもの。
醒めているのに、夢の中を生きているもの。
儚きもの。弱きもの。純粋とは呼びたくない、魂の透明度。

心に「若者」はずっと生きている・・・おそらく誰でも。
けれど「懐かしさ」に訴えるだけの青春小説は好きではない。

著者自身が自らの中に永遠に生きる青春、を描き切ってこそ。
物語のなかで再び、若者の時間を生きることが出来る。

夢とか希望とか友情とか愛とか。そんな単純なものではない。
名付けようのないもの。居場所を求めてさすらうもの。

今読んでも素晴らしい体験だったけれど、
もっと若い時に読んでみたかった。

(2012.7.23)
1980年代に発表され、以後ヨーロッパで読み継がれている、
児童文学なのだそうです・・・ええええっ。こ、これが?
確かに主人公は16歳ですけど・・・びっくり。
若い人向きの読み物は西洋文化のほうが成熟してますね。

今年もまだ4ヶ月残ってますが、
2012年の読書の中のベスト10に間違いなく入ります。

構成が見事。いや斬新と言ってもいい。
私は素直に時系列に一人称で描かれた作品を好み、
凝った手法を嫌う傾向が強いのですが・・・

この本を読んで、その気持ちが吹っ飛んでしまいました。


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  • 2012年08月31日 (金)

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