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拳闘士の休息  トム・ジョーンズ

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河出文庫
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短編集と知らず読み始めたのだが。
収められた十編のいずれも、主人公は病んでいる。

おかしな言い方になるけれど、力強く壊れている。
精神も肉体も生活ぶりも、ハチャメチャ。

それなのに爽快さすら感じるのは、
彼らが自己を否定していないからなのだろう。

開き直りとも違う、「こうある自分」を丸ごと受け入れる姿勢。
今流行のポジティブとは全然違う。もっと原初的な生きる力。

暴力と知性と狂気。
彼らに比べれば濃度は薄いけれど、私にもある。
月並みなそれですら持て余して、チマチマと苦悩している。
自己否定が習慣になり過ぎて、そこに痛みもない。

それでも。彼らが垣間見る「光」のことは私も知っている。
それがなければ到底生きてはいけないし、
それさえあれば何があっても生きていける「光」。

ギリギリの淵に立つと見えるのだ。
だから、絶望を恐れてはいない。

底の底には私にも壊れた自分を肯定する、
本能的な揺るぎない強い意志がある。
自分の傷を癒すことすら考えずに直進する力。

誰にでも、本来あるものなのだと思う。

(2013.5.31)
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Author:彩月氷香

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時々、写真や雑記も。

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  • 拳闘士の休息  トム・ジョーンズ
  • 2013年06月07日 (金)

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