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ハドリアヌス帝の回想  マルグリット・ユルスナール

4560092192
白水社
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読み終えてから、日が経ち過ぎました。
読了後にツイッターにあげた感想にてご容赦ください。

マルグリット・ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』をゆるゆると読んでいる。歴史に弱い私は幾度か挫折しかけた。何があっても50頁までは読む主義で、そこを超えれば大抵どんな苦手な作品も読み通す足がかりが得られるのだけれど。この本は150頁を過ぎて、漸く物語の中に入ることが出来た。

マルグリット・ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』読了。読み終えて深々と溜息をつく。自分の吐く息からも黄金の砂や白く香る花びらが舞うようにも思えるほど。それにしてもマルグリットという明らかにフランスの女性名なのに。ユルスナールを男性と思い込んでいたのは何故だろう。

ユルスナールの作品には色濃く同性愛もしくはバイセクシャルの気配がある。題材をさておいても中性的な印象。ただそれを男性的な要素のある女性というよりは、女性的な要素のある男性という風に私は受け取ったらしい。享楽的で繊細でシニカルな青年のイメージ。もしくは壊れた玩具を大切している少年。

書き手が男性だと思っていたのに女性だったり。女性だと思っていたのに男性だったり。こういうことは時々あるのだけれど。それは逆でもおかしくないというか、むしろその方が自然な場合も多い。勝手に「こういう男性がいたらいいな」「こんな女性素敵だな」という想いを抱いていただけなのだ。

要するに男性らしい女性、女性らしい男性というより。女性らしさのある男性に見えるような女性、男性と間違えそうな女性に見えるような男性(このニュアンスが伝わるだろうか)が好きなのだ。これは性別不詳というのとも違う。この不思議な気配を持つ人の秘密は何だろう。自らの性別に執着がないこと?

何が言いたいかよくわからなくなってきたけれど。要するにユルスナールが女性だったのが(勝手に)残念だった。そしてふと思ったのは。著者の性別を予め知っているかいないかで、作品の印象は異なるのだろうかということ。違うはずだ。だから男性とも女性ともとれるペンネームを使う人がいるのだろう。


(2013.6.29)
本の内容がこれではわからないかと思いますが。
ローマの五賢帝の一人に数えられるハドリアヌス帝の独白、
という形で紡がれた極めて美しく豪奢な物語です。訳文が見事。

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こんにちは。
ちょうど須賀敦子の「ユルスナールの靴」を読んでいたところだったので
あ、と思ってお邪魔してしまいました。
(この本は何度読みかけてもなぜか途中で進まなくなるという、須賀さんの本の中では、私にとっては難しい一冊です)
「ハドリアヌス帝の回想」は未読なのですが。

「ユルスナールの作品には色濃く同性愛もしくはバイセクシャルの気配がある。題材をさておいても中性的な印象。」
彼女自身がそうだったのですよね。

前の記事のことでごめんなさい。
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」は面白かったです。
「オリガ・モリソヴナの反語法」も。

「ある小さなスズメの記録」は、義父がいた頃、
久しぶりに行った本屋で買った一冊で、懐かしく思い出しました。
2013.09.03 23:10 | URL | ハル #jjURaDtE [edit]
私は「ユルスナールの靴」読みました・・・昔。
感銘を受けたような記憶が朧にあります。

そのことに、この本を読み終わってから気付きました。
あ、あのユルスナールなんだ!って。
内容をほとんど覚えていないので、読み返したいです。

ええ。そうなんですね。性別を越えているというのか。
なんだか不思議と、とても心惹かれる女性です。

他には「とどめの一撃」を読んだだけなのですが。
読みやすいとは言い難いながら、硬質な美しさのある文章。
大切に読みたいと思わされる気品を感じます。

ハル様のコメントのおかげで、
寝かせてある本を読む日が待ち遠しくなりました。
2013.09.04 20:24 | URL | 彩月氷香 #- [edit]


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  • 2013年09月03日 (火)

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