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つぶやき集 2014年1月(3)

そういえば。ささやかな贅沢をした。古本屋さんから贈られてきていた500円のサービス券で。恒川光太郎の「雷の季節の終わりに」(単行本)と、「茨木のり子集 言の葉1」を買ったのだ。ちょっと足りなかったけど、支払ったのは55円だけ。まだ読んでいないけれど、我ながら良い買い物だと思う。

茨木のり子さんの詩集は買う前にパラパラ眺めながら悩んでいた。でも、「りゅうりえんれんの物語」が収められているのを見つけて、買うことに決めた。この詩は高校生の時にプリントに印刷して先生が配ったものを今も大事にとってある。授業中、何人かの生徒が順番に声を出して読ませられたのだった。

情感たっぷりに読むクラスメイトの声を気持ち悪いと思って聞いていたら、私の名が呼ばれて。しぶしぶ読み始めたのに、読んでいるうちに自分の声が遠く聞こえだした。自分の声に力があると感じた。そんな経験はこの時だけ。何も意識せずにただ、淡々と読んだ。読み終えた時、先生が涙声で褒めてくれた。

いつか、こっそり。「りゅうりえんれんの詩」を。声を出して、もう一度読んでみたい。あの不思議な瞬間が甦るのかどうか。自分の声に何かが乗り移ったような、自分の声が自分から離れて遠くから響いて来るような、そんな感覚が甦るのかどうか。

言葉が生きているんだなぁと感じた、大切な思い出。胸の中から言葉が響いてくるような。不機嫌に教室の隅に座っていた私の心に突然に灯った、ずっとずっと消えない明かり。声を出して読むべき詩だ、と。先生は知っていたのだろうな。

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  • 2014年04月01日 (火)

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