Loading…
 

へたも絵のうち   熊谷守一

4582763251

平凡社
Amazon

青木繁と美術学校で同じだったそうですが。
ほんと、びっくりするくらいのそうとう変人!
もちろん熊谷守一だって負けていません。

読んでいて。実に自然でいい文章だなと思いましたら。
書いた物ではなく、聞き書きでした。

その点に関しては、
解説の赤瀬川原平がいいことを書いています。

 まず観察の興味があって、それが結局は一生つづいている。あとはみんなそれに付随することなのだ。観察というとふつうはその結果として正解を得るための観察となるわけだけど、この人の場合にはそれもない。あるけど、さらにその先、ひたすら見ていることが気持ちいい。自分がいて何かを見ているという、その距離感を楽しんでいる。

実際にペンを手にして書くというときには、どうしても自意識が作用する。だから文章を書くときには出すぎる力の制御が難しい。良かれ悪しかれ、自意識の後押しによって文章は書かれるものだけど、話の場合はそういう後押しもなく前に人がいるからというだけのことで自然に言葉が引き出されてくる。そのさり気なさが全篇にあふれていて、それがむしろこの人らしい自然な話になっている。


以下、本文から書き抜いた文章の断片。

下手にかけたからといって
消してもやぶいても
下手にかけたという事実は消すことはできない

 一般的に、ことばというものはものを正確に伝えることはできません。絵なら、一本の線でも一つの色でも、描いてしまえばそれで決まってしまいます。青色はだれが見ても青色です。しかしことばの文章となると、「青」と書いても、どんな感じの青か正確にはわからない。いくらくわしく説明してもだめです。私は、ほんとうは文章というものは信用していません。

絵にも流行りがあって
その時の群集心理で流行りに合ったものはよく見えるらしいんですね
新しいものが出来るという点では認めるにしてもそのものの価値とはちがう
やっぱり自分を出すより手はないのです
何故なら自分は生まれかわれない限り自分の中に居るのだから


(2014.8.14)
いつか誰かが「絵は才能ですか」と訊いたら
「いや経験ですよ」と熊谷さんは答えたそうですが。
学生時代から周囲も唸る才能を持っていた氏に言われてもなぁ。
でありつつも、ちょっと納得してみたくなる発言です。

関連記事


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://raffiner.blog70.fc2.com/tb.php/2311-fe9d68dd

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

<別館のご案内>
Instagram
99%、花の写真です。

moleskine絵日記
ちいさな絵日記。

表示中の記事

  • へたも絵のうち   熊谷守一
  • 2014年11月09日 (日)

カテゴリ

最新コメント

データ取得中...

月別アーカイブ

***