Loading…

知ろうとすること。  早野龍五 糸井重里

Posted by 彩月氷香 on 24.2015 共著   0 comments   0 trackback
410118318X
新潮文庫
Amazon

福島第一原発の事故発生後に。
事実だけを伝えようと冷静なツイートを続けた、
物理学者の早野龍五さん。

「どんな非常事態であっても叫ばないで説明してくれる人」を、
見つけなければいけない、という信念を持つ糸井さんは。
そんな早野さんのツイートを見つけて注目します。

早野氏は自らのツイートに寄せられる期待や注目に驚きつつ、
そのことがきっかけで、活動を広げていくことになりました。

この本はそんな二人の対談集。

知ったかぶりは一切せずに。
糸井さんが初歩的な質問を早野氏に投げかけるので。
普通の人によくわかる「原発」の基礎知識の本、になっています。

それ以上に。
あとがきに顕著に表れている「こころのありよう」の問題が。
ずしーんと。でもふわっと。心に響いてきます。

情報が多過ぎる中で何が信じられるか判断するのは難しいですが。
その基準として糸井さんはこんな風に語っていました。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」をえらびます。

この言葉には解説が必要かもしれません。
が、糸井氏自身が見事にシンプルに語られているので。
興味がある方は読んでみて欲しいと思います。

糸井さんが語っていた「人が心に飼っている野次馬」。
誰にでもある、ちょっと困った存在で。
時に暴走して、大事件さえ引き起こしてしまうもの。

でも。それは。きっと。
抑圧するのでもなく、退治するのでもなく。
そういうものが「ある」ということを認識した上で。
それに振り回されないで上手に付き合っていくべきもの。

「野次馬」と「言葉」が結びついた時に。
多くの道連れを巻き込み、取り返しのつかない道を走ることもある。

その先頭に立つ可能性が自分にはあるという自覚。
糸井さんほど影響力を持たない人であっても。
常に忘れてはいけないものなのだな、と思いました。

一方、早野さんのお話で印象深かった中から一つ。

 科学というのは、間違えるものなんです。ニュートンの物理学が正しいと思われていた時代に、アインシュタインがある微妙な違いに気付く。そのアインシュタインにも間違えていたことがある。そうやって、科学は書き換えられ進歩していく。限定的に正しいものなんです。だから、科学者は「こういう前提において、この範囲では正しい」というふうに説明しようとする。でも、これは一般の人にはわかってもらえないのですね。

科学に限らず「正しさ」とは「限定的」なものじゃないかな、と。
これを読んでふと、考えたりしました。

それから。科学に対して苦手意識がありつつも、
だからこそ過剰に「正しさ」を求めてしまっている面もあるな、とも。

私は元々「正しい」とか「正義」という言葉が苦手です。
それらの言葉に隠れて「偽善」や「悪」が育ちやすいと感じるので。
それは本書の中で糸井さんもおっしゃられていたことですが・・・

とは言うものの。
自分はこれが正しいと思う、という信念を抱くこともありますし。
その思いを主張しなければならない場面もあるはずです。

その思いや、信念がどれほど強くても。
それが「限定的な正しさ」であることを忘れずにいたいと思います。

(2015.1.14)
関連記事


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://raffiner.blog70.fc2.com/tb.php/2456-23afb49b

プロフィール

Author:彩月氷香

とにかく本が好き
読書感想がメインですが
時々、写真や雑記も。

*初めましてのご挨拶
*ブログタイトルの由来

<別館のご案内>
Instagram
99%、花の写真です。

moleskine絵日記
ちいさな絵日記。

表示中の記事

  • 知ろうとすること。  早野龍五 糸井重里
  • 2015年02月24日 (火)

カテゴリ

最新コメント

データ取得中...

月別アーカイブ

***