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チャンドス卿の手紙 他十篇  ホフマンスタール

4003245717
岩波文庫
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そう、あなたにはいろんな望みがある。でも、望みというのは恐れなのよ。あなたが踊る、それはそのまますべて望むこと、はげしく求めること。あなたはあちらこちらへ跳びはねる。それで、自分自身から逃げているのかしら。あなたは身を隠す。けれど、それで、心の中にやむことのない永遠の恐れから身を隠しているのかしら。動物や木の真似をするけれど、それで動物や木と一体になっているのかしら。衣装を脱ぎすてるけれど、それで、恐れを脱ぎすてているのかしら。ほんの二時間のあいだだけでも、あらゆる恐れから逃れることができるかしら。

この本は短編集。その中の「恐れ」という作品の一節。
二人の踊り子の対話の一部です。
なんだか妙に心に深く響きました。

「望み=恐れ」というのが突き刺さる・・・

他に印象深かったのは冒頭の「第六七二夜のメルヘン」。
非常に美しい商家の息子が醜く死んで行く姿を描いた作品。
その対比が容赦なくて。鮮やかでした。

肝腎の表題作「チャンドス卿の手紙」はと言うと。
あまりにも過剰に美文調過ぎるように感じられました。
良し悪しを判断できないくらに、この類いの文章は苦手です。

収録された総ての作品に共通していたのは。
研ぎ澄まされた感性と、悪意すら感じる鋭い表現。
その棘のある繊細さは、なんだかとても居心地が悪くて。

でも、だからこそ尾をひいて、心に残っています。

(2015.3.26)
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  • 2015年05月25日 (月)

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